<引用元:ヤフー・ファイナンス 2019.8.8>
2018年7月にトランプ大統領は米国労働者のための「大統領による全国協議会」を開設し、「米国の労働者に対する誓約」を立ち上げた。プログラムは20以上の企業とビジネス団体の署名を集め、今後5年で380万人以上の労働者の雇用または訓練が約束された。1年後には300以上の企業と団体が誓約に加わり、ホワイトハウスによると今後5年で学生と労働者に対し、合計で1200万人以上の新たな訓練の機会がもたらされた。
誓約に署名した代表的企業と団体は次の通りだ:ウォルマート、マイクロソフト、フェデックス、ロッキードマーティン、AT&T、全国小売連盟(NRF)、建設・請負業連合(ABC)。
イニシアティブの推進力となっているのは、今日の労働力でよく知られている技能不足だ。非雇用労働者あたりおよそ1.3の空きポストがあり、雇用主はポストを満たすのに苦労している。
83パーセントもの雇用主が、最適な技能を持った労働者を見つけるのが難しいと報告した。また中道右派のシンクタンクである「アメリカン・アクション・フォーラム(AAF)」によると、技能不足は今後10年で米国経済に1兆2千億ドルの負担をかけることになるという。
「本当に雇用主に強い刺激を与えて、基本的には、自発的にもっと行動するよう丁重に促す必要があったのは事実だ。雇用を行う人たちを巻き込まない限り、技能不足を修復することはできないし、職のために労働者を訓練することはできない」と話すのは、経済の流動性に重点を置くシンクタンク、「オポチュニティ・アメリカ」の会長であるタマル・ジェイコビーだ。
逼迫した労働市場は、実に雇用主を追い込んでいる。誓約に署名した企業の多くはすでに、ビジネスニーズに合うよう労働者の訓練を始めてきた。「雇用主はこれまで(労働者の訓練を)費用が掛かるという理由で渋っていたのかもしれない。できることであっても避けたいと思うからだ」と、ジョージワシントン大学教授で Indeed.comのエコノミストであるタラ・シンクレアは述べた。
ヤフー・ファイナンスは、米国の労働者に対する誓約に署名した少数の企業が、労働者の技能不足を埋めるために行ってきたことを調査した。
ロッキードマーティン
ロッキードマーティン(LMT)は、深宇宙探査のために設計されたNASAの宇宙探査機であるオリオンを製造する元請業者だ。同企業は――他の企業と同様――トランプの宇宙探査の目標を果たすためにNASAと協業している。
大統領の「誓約」に署名した時、その航空宇宙大手は職業訓練プログラムに500万ドルを投資すると発表し、今後5年で8,000の新たな雇用を創出すると約束した。高度な製造技術者の実習プログラム(AMTAP)の拡大が、ロッキードマーティンの5年の誓約の重要な部分だ。このプログラムでは志望者の経験は必要なく、5週間の有給認定プログラムを提供しており、志望者は最終的に「電子機器を製造する技能」を身に着ける。プログラムを完了した候補者は、ロッキードマーティンの宇宙プログラムで雇用の機会が与えられる。
大統領の娘で、イニシアティブを主導する米国労働政策諮問委員会の共同委員長であるイバンカ・トランプは、7月にロッキードマーティンのデンバー宇宙設備を訪問した。「ロッキードマーティンが『米国の労働者に対する誓約』にコミットし、米国の宇宙産業が活況となることで、我々は人工知能の利用から高度な製造にいたるまで、仕事の性質の変革の最先端に立っている」とイバンカ・トランプは話した。
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