(ヘリテージ財団 スティーブン・ムーア氏による論説)
大幅な景気後退後のアメリカで、3パーセントの経済成長を達成できるとホワイトハウスが予測したことに対して、トランプ大統領を中傷する人たちが嘲笑っていたのがつい昨日のことのようだ。トランプが、就任後最初の四半期でGDP成長が3パーセントに上方修正されたことに笑みを浮かべるのももっともなことだろう。
確かにこれは、3カ月の結果だけに基づいた予備的な寸評に過ぎないので、この時点で有頂天になるつもりはない。しかし、更に良いニュースとして、2017年第3四半期のGDP予測は現在3.4パーセントと推定されており、経済は急加速している。オバマ政権最後の年では、わずか1.6パーセント成長という這って進むような調子だったことを考えれば、3パーセント以上の成長率というのは、とりわけ目覚ましいものだ。
つまり、これまで経済のエンジンが時速16マイルで進んでいたのが、今や時速30マイルというトップギアで前進しているということだ。もちろん、テキサスとルイジアナを襲ったハリケーン・ハービーによって、数カ月の間は成長が落ち込む。しかし、それでも前進が妨げられることはないだろう。選挙の日以来、企業と投資家が感じている楽観的見方は、株価の上昇からも見て取れる。アメリカの投資家の資産は、選挙以降4兆ドル増加している。
また、経済は適切な分野で成長している。前四半期の政府の支出は実際わずかに減少しているが、極めて重要な民間部門の経済は、3パーセント以上の速さで成長している。更に、最も活気ある成長の先行指標は企業の支出と投資だ。以前はコンピューター、工場、技術と設備に対する企業の支出は枯渇していたが、トランプの当選以来、急激に伸びている。
企業の成長と投資がなければ、雇用は停滞し賃金は横ばいになる。企業が胎児のような姿勢で丸まっている場合、賃金が上がることはほとんどない。これまでの約十年はそうだった。トランプ政権のエネルギー生産、規制緩和、そしてビジネス促進志向によって、今のところ高い成長が実現している。
共和党が今年減税法案を通過させ、オバマケアの撤廃を行えば、3パーセントの成長が4パーセントになってさぞかし良い気持ちになるだろう。そこまでの好景気というのは15年以上経験していないことだ。
アメリカ不信の人たちとネバー・トランパーたちは、全く間違っていたことが分かった。緩やかな2パーセント成長というのがアメリカ経済の発展ペースの上限ではない。アメリカの長期的な成長路線は、3.3パーセントに近づいており、この科学技術の時代ならそれ以上の成長も十分に可能だ。
トランプは、バズ・ライトイヤーのように空を指さして宣言してはどうか。「4パーセント成長の彼方へ さあ行くぞ! きっとできる」と。
By Stephen Moore