<引用元:ポリティコ 2018.6.29>
モラー特別カウンセルは、連邦裁判所にマイケル・フリン氏に対する判決言い渡し日の設定延期を継続するよう求めている。フリン氏はトランプ大統領の元国家安全保障担当補佐官であり、トランプ陣営とロシアの共謀疑惑に対するFBIの捜査中に虚偽の供述を行ったという重罪に対して、昨年有罪を認めていた。検察官と弁護士は、29日に米地方裁判所のエメット・サリバン判事に対して提出した1ページの報告書の中で次のように書いている。「特別カウンセルの捜査の状況により、双方は、現時点でこの問題は判決の日程を決める準備ができていないと考える」
延期が示唆するのは、フリン氏はなおもモラー氏への協力に積極的であり、検察官はフリン氏の証言が今後の裁判で有用となる可能性があると考えているということか、あるいは判決手続きを進めることで、モラー氏が捜査上でまだ隠しておきたい状況が判明してしまうということだ。
この件の所定の期日はそれぞれ、特にフリン氏の支持者の側では、少なからぬ憶測と期待を引き起こす。彼らは同氏がFBIやその他による策略によって、有罪を認めるように仕向けられたか計略にはめられたと強く主張しているからだ。
フリン氏は元陸軍中将、元国防情報局チーフであり、国家安全保障担当大統領補佐官となってわずか25日でドナルド・トランプ大統領に解任された。同氏の家族と支持者は有罪を撤回するか、トランプ氏から恩赦を受けることができるとも示唆していた。だがフリン氏の弁護士はその件について沈黙を守っている。
昨年12月のルドルフ・コントレラス連邦判事による公判で、フリン氏は在米ロシア大使と接触したことについて、FBIに嘘の供述を行ったことを宣誓の上認めた。それはイスラエルに対して批判的な国連決議についての大統領の政権移行中のロビー活動と、トルコ政府に対して有利なロビー活動に関するものだった。
コントレラス判事はその後事件から忌避した。裁判所による理由の説明はなかったが、同判事はトランプ・ロシア捜査に関連する外国情報監視裁判所の令状を許可していたと報道されている。さらに後に捜査から外されたFBI幹部捜査官、ピーター・ストラック氏が送ったメールには、コントレラス判事と親しかったことが示されている。
29日の報告ではいくつかの進展が示されていた。双方はフリン氏の犯罪、経歴、そして事件での判決指針の状況について検討する、判決前報告書の準備に取り掛かるよう裁判所に要求している。弁護士と検察官は、8月24日までに事件の状況についてサリバン判事に報告することを提案した。
しかし、29日のその後の命令の中で、サリバン判事は判決日設定をせずに判決前報告書に着手することを躊躇した。判事は双方に、日程が決まってから判決手続きに着手するという慣例をなぜ無視したいのかを、7月2日の正午までに説明するよう命令した。
フリンが認めた罪状は最大で5年の懲役と25万ドルまでの罰金が科せられるが、通常被告は特に検察官に協力する場合、最大よりも遥かに軽い判決を受ける。司法取引の場合、サリバン判事はその範囲の判決が「妥当」であるとする双方の合意に制約されないものの、フリン氏に対してはゼロから6カ月の実刑が予想される。
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