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コミーFBIが受けた汚名(オピニオン)

投稿日:2018年6月16日

<引用元:ウォールストリート・ジャーナル 2018.6.14>WSJ編集委員による社説:The Disgrace of Comey’s FBI

不正を明らかにした監察官報告書によって、国民の信頼を早急に回復する必要性が示される

ヒラリー・クリントン捜査に対するFBIの対処について、待望の監察官の報告書が出たが、米国の民主主義のことを気にかける者なら誰が読んでも意気消沈させられるものだ。公的機関における自治は国民の信頼に依存する。法執行機関の場合特にそうだ。監察官の568ページの報告書は、FBIがジェームズ・コミー元長官の下でその国民の信頼を、J・エドガー・フーバー以来見られなかったような形で裏切ったということを明らかにしている。

この件で問題となっているは、違法なスパイ行為が蔓延しているということではないと知りながら、熟考の上でフーバーの例えを使っている。マイケル・ホロウィッツ監察官の結論は慎重なものだが、その事実は不正を示している。コミー氏は自らの権力を乱用し、長い伝統を持つ司法省の基準を破り、上司と国民を騙したとのだということを示している。

監察官は、コミー氏の判断は「政治的偏向」の結果ではないとしているが、彼が取り仕切っていた捜査チームの捜査員の中には、明らかにドナルド・トランプに否定的な偏見を抱いている者がいた。捜査局の評判――と数多くの誠実な捜査員――が受けた損害の回復には数年かかるだろう。

政治的偏向の問題はほとんど的外れだ。監察官はコミー氏のことを、「自らの個人的見方に基づくその場しのぎの意思決定をしていた」と評している。フーバー同様、コミー氏は自分一人が国民の信頼を守ることができると信じていた。またフーバー同様、この過信によって彼が甚だしい判断ミスを犯す結果をもたらした。監察官はそのミスが、「FBIの認識と正義の公正な管理人としての機関にマイナスの影響を与えた」としている。

***

(中略)

政治的偏向に関しては、監察官はFBIの電話で職員同士が交わしていた非常に党派的なメッセージに1つの章を割いている。監察官は、政治的偏向が捜査の判断に影響を及ぼしたという証拠は見つからなかったとしているが、その詳細を材料としてそれとは逆に考える人がいるだろう。

一例を挙げれば、政治的意見はある方向にのみ向かっていた。つまりトランプ氏に反対する方向だ。それからFBIのピーター・ストラック捜査員の問題と、彼がクリントン氏のメールについて追及することより、ロシア捜査を優先させると判断した点がある。監察官はストラック氏の「メッセージからは、ストラック氏の判断は偏向がなかったということに我々は確信を持てないという結論に至った」と結論付けている。

監察官が特に引用しているストラックのメッセージがある。愛人のリサ・ページがトランプ氏は「絶対に大統領にはならないでしょう?」と再確認するメッセージへの返信で、ストラック氏は「いや。彼はなれない。俺たちが止める」と答えていた。

ロン・ジョンソン上院議員の事務所は、同議員の委員会はこのやり取りの初めの部分――ページ氏の質問――を司法省から受け取っていたと報告している。だが、どういうわけかストラック氏の驚くべき返事は含まれていなかった。これが意図的なものであるなら、これを除外するよう指示した職員は氏名を公表して解雇すべきだ。

報告書にはFBIと司法省が他にも疑わしい判断を行ったとされる、長いリストが記録されている。その中には、アンソニー・ウィーナーのパソコンに対する捜査令状をFBIが請求していたと発表するのを、10月の終わりまで待っていたことも含まれている。1カ月前にその動きが知らされていても当然だとする「実質的にあらゆる事実が言及されていた」にもかかわらずだ。

また報告書ではクリントン氏の弁護士、シェリル・ミルズとヘザー・サミュエルソンを、FBIによるクリントン氏の聴取に同席させると判断したことも批判している。2人はクリントン氏の容疑の証人である可能性があった。これは「典型的な捜査戦略に適っておらず、偏向と特別待遇をしているという非難を引き起こした」と監査官は書いている。

***

避けられない結論としては、コミー氏のFBIはそれ自体が法であるかのようになり、元長官の独善的な判断以外に説明責任を果たすことがなくなってしまったということだ。彼が適切な指標に従うことを拒否したために、大統領選挙に干渉することになったのであり、両党の多くのアメリカ人が非難の声を上げるのももっともなことだった。

これは民主主義において決して起こってはならないことであり、繰り返されないための措置を取らなければならない。ホロウィッツ氏は、綿密で得るところの多くリークに悩まされることのない捜査という点では支持できる。だがそれは最終的な言葉ではない。来週彼は、調査結果に肉付けし明確にするために議会で証言することになる。議会はFBI捜査員も証人として呼ぶべきだ。

もっと大きな損害を受けたのは、自治に不可欠な政府機関に対する信頼だ。トランプ氏はそれらの事実を利用してFBIを非難するだろうが、ほとんどの捜査員は誠実で無党派的だ。FBIのクリストファー・レイ新長官は14日、監察官の推奨事項を実行に移すと約束したが、浄化の課題はもっと幅広い。まずは議会からの文書提出要求に対するFBIの妨害を終わらせるべきだ。

レイ氏とジェフ・セッションズ司法長官は、FBIと司法省に対する国民の信頼回復のためには、徹底的な方策が必要であると理解しなければならない。彼らがやらなければ他の誰かがそれをやらなければならない。

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