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トランプのチャンス:バイロン・ヨーク今日のメモ

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<引用元:ワシントン・エグザミナー 2020.10.12>バイロン・ヨーク氏による論説

トランプのチャンス。毎日新しい世論調査が発表され、民主党の挑戦者ジョー・バイデンが、トランプ大統領に大きくリードしていることが示されている。トランプ支持者の中には、2016年には世論調査の一部が間違っていたことを理由にニュースを無視する人もいる。無視するべきではない。世論調査は本当であり、トランプが深刻な課題に直面しているのは間違いないのだ。だがそうした世論調査は、一部始終を伝えているわけでもない。最近、世論調査は完全に間違っていないが、選挙戦が最後の22日で変わる可能性があることを示す多くのサインが見えてきた。

ギャラップの愕然とする数字から始めよう。9月14日から28日に行われた調査で、調査会社は有権者に、ロナルド・レーガンの有名な質問である「あなたの家庭は4年前と比べて暮らし向きが良くなったか?それとも悪くなったか?」を自分達になりにした質問を行った。調査が行われたのはわずか数週間前であり、コロナウイルスのパンデミック、ロックダウン、それに伴う景気悪化と関連した何カ月もの不安の後のことだったことを忘れないで欲しい。そしてまだ安定的多数が、トランプが選挙で選ばれる前よりも現在の暮らし向きが良いと答えた。

トランプの数字は、最近再選された他のどの大統領よりも良かった。2012年12月、バラク・オバマが再選された直後、45パーセントは4年前より暮らし向きが良くなったとギャラップに答えた。2004年10月、ジョージ・W・ブッシュが再選される直前、47パーセントが暮らし向きが良くなったと答えた。1992年10月、ジョージ・H・W・ブッシュが再選に敗れる前、38パーセントが暮らし向きが良くなったと答えた。そして1984年7月、ロナルド・レーガンが地滑り的に再選される前、44パーセントが暮らし向きが良くなったと答えた。トランプの56パーセントはその全てよりも良い。

通常、大多数が4年前より暮らし向きが良くなったと感じている時の大統領は、二期目に対して強い立場にあると予測される。だがトランプは、リアルクリアポリティックスの全国世論調査平均で、バイデンに9.8パーセントポイントも後れを取っており、フロリダ、ペンシルベニア、ミシガン、そしてウィスコンシンといった重要な激戦州でも、様々な数字で後れを取っている。

それからこれがある。ギャラップは、「自分にとって最も重要な問題に関して、(トランプかバイデンのどちらかに)賛成するか反対するかを教えてください」という質問も行った。49パーセントが最も重要な問題についてトランプに同意すると答え、46パーセントがバイデンに同意すると答えた。

また、非常に重要な州において、共和党は新たな有権者の登録で民主党を大きくしのいでいるというニュースがある。「2016年に5ポイント以下の差で勝利した6州のうち4州――アリゾナ、フロリダ、ノースカロライナ、ペンシルベニア――で、有権者が党によって登録されることを認めている」とNBCが今月初めに報じた。「4州全てで、有権者登録の傾向は、共和党にとって4年前より着実になっている」民主党より着実でもある。ペンシルベニアでは今年の夏、共和党では13万5,619人の新しい有権者を追加したが、民主党では5万7,985人だった。

それからトランプの支持率がある。ABCニュースとワシントン・ポストの新しい世論調査では45パーセントだった。決して素晴らしいものではないが、対バイデンの世論調査での立場よりは高い。その結果、リアルクリアポリティックスのショーン・トレンデはニューヨーカーとのインタビューでこう疑問を投げかけた。「やっていることを認めながら、彼に投票しないというこの人たちは誰ですか?ひょっとすると、今何と言っていようと、結局は大統領に投票する人たちなのかもしれません」トレンデは続ける。「彼の政策を好むけれども、人柄を嫌いな人たちがいます。けれども、これらがまだ決めていないと言いながら、本当はそうでない有権者である可能性もあります」

ではなぜトランプが世論調査でリードしていないのか?あるいは少なくとも、世論調査でさえ?一つには、非常に多くの有権者が彼の性格、振る舞い、スタイル、公での行動にうんざりしているとしているためだ。56パーセントが4年前より暮らし向きが良くなったと答えたのと同じ調査で、ギャラップは有権者が「(トランプまたはバイデンに)大統領が持つべき性格と指導力があるということに同意するか同意しないか」とも質問した。49パーセントはバイデンにそうした資質があると答え、44パーセントがトランプにあると答えた。他の調査では、有権者がトランプを強い指導者と見なしていることが分かったが、正確について有権者が不満であることが浮き彫りになった。

ニューヨーカーで、トレンデはトランプのコロナウイルス対応について質問された――世論調査では国民は強い不満を示している。だがニューヨーク州での世論調査では、アンドリュー・クオモ知事のウイルス対応が強い支持を得ていることも分かっている。最悪の対応だったことは議論の余地がないのに、だ。それではどう解釈すればいいのか?「我々が政策の選択と何を行うべきだったかを議論することができるのは、人々が根本的なレベルで、これが広い意味での『天災』の領域だと理解しているためです。人々は大統領が感動的なスピーチをするのを聞きたいのです。たとえやることがそれほど効果的でなかったとしても。そして(トランプには)それができなかったのです」とトレンデは語った。トレンデは、バイデンがコロナウイルスに打ち勝つためにやると約束している主要なことについて、トランプはすでにやっていると指摘した。だが多くの有権者にとって、バイデンはそれをトランプよりも感じよく、許容できるやり方で語っている。「それが人々の望むことです。もっと良くして好むようにするために何かやろうとしていると言うだけのことです。そしてトランプにはそれができないというだけのことです」とトレンデは述べた。

それがトランプの現在の大きな皮肉な状況につながっている。2016年の他の競争相手に対しては、有名人であったことが有利だった。というのも、長年高視聴率のテレビ番組のスターだったからだ。だが現在苦労しているのは、着実な実績――経済、規制緩和、判事任命、税制改革、ISIS打倒、不法移民削減、など――を示すことができても、一部の米国人には彼らの求める実績をあげていないからだ。彼らは自分達の思い描く大統領像のように振る舞う大統領を求めている。トランプは違うのだ。そしてそれが、課題よりも、有権者が4年前より暮らし向きが良くなったことよりも、2020年の決定的要因となる可能性がある。

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