<引用元:ワシントン・エグザミナー 2020.7.24>ポール・ベダード氏によるワシントン・シークレット論説
都市での暴力的な抗議、そして国と建国者に対する執拗な攻撃を受動的に見てきた米国の多くの人々は、反発の兆しを見せつつある。
ヘリテージ財団の上級研究員、マイク・ゴンサレスに聞いてみれば良い。先週末チェサピーク湾の波止場でカニを獲った後、彼は本を取り出した。船員はエンジンをかけると彼が何を読んでいるか尋ねた。
「建国についての本だ」と彼は答えた。船員は大声で「それは近頃の若者が読むべき物だ」と言い返した、と近日発売の「The Plot to Change America」の著者であるゴンサレスは述べた。
「人々はこのことを理解し始めている」とゴンサレスは語り、「我々は『ウォーク(woke:社会的不公正や人種差別に敏感であること)』に対して目が覚めたのだ。米国はついに目覚めつつある」と続けた。
インディアナ州共和党のマイク・ブラウン上院議員も、同じことが起きていると見ており、トランプ大統領の法と秩序の立場と民主党のジョー・バイデンの抗議奨励との違いを際立たせていると考えている。
「こうした大都市で見られることは実にとんでもないことであるので、この選挙全体をもっと接戦に戻す警鐘となる可能性があると思う。それは大きな変化になる可能性がある」とブラウンは語った。
国の分断はトランプが大統領に選ばれるずっと前に始まったものだが、今それに煽られて第2の内戦の心配もいくらかある。
世論調査員のジェレミー・ゾグビーは、民主党世論調査員のジョン・ゾグビーの息子でパートナーでもあるが、全国調査をちょうど終え、有権者と思われる人の何と31パーセントが、国は戦争に向かっていると感じていることが分かった。州が離反すると考える人はもっと多い。
「トランプが大統領に選ばれてからのヒステリー状態とジョージ・フロイドの死を受けた激しい怒りは、5,000万人の失業者を背景に、多くのうっぷんが波及する可能性を暗示している」と彼は述べた。
彼は内戦と見なしてはいないが、政治的分断に終わりが来ることも思い描いていない。「国の半分が他の半分と全面戦争―地理的または党への帰属という意味で―を繰り広げるという可能性は非常に低いが、今後10年かそれ以上経って、50州がワシントンD.C.の下で協調しなくなるということはあり得る」と、彼はジョン・ゾグビー・ストラテジーの最新のThe Main St./K St. IntelligenSEERで書いた。
ブラウンも、分断が戦争や分離の結果になるとは考えていない。実際に彼は、多くの争いは政治的に活動的な人々の間のものであって、一般市民の間のものではないと考えている。
「自分たちがそこにいるとは思わない。要するにハットフィールド家とマッコイ家の争いを、政策に関して行っているということだ」と彼は語った。
ヘリテージ財団のケイ・C・ジェームズ会長は、国の分断に対して楽観的なアプローチを取っており、それが過激主義を暴くのに役立ち、人々がさらなる分断ではなく解決策を追及するように推進すると説明した。
「米国人は国を分断しようとする執拗な試みに懸念を持つべきです。国の災難を願う人たちは常にいますが、米国人の圧倒的多数は彼らが売り込んでいるものを受け入れません」とジェームズは我々に語った。
「楽観主義者として、私は過激主義者が実際に我々に機会を与えたと思います。彼らは自分たちが考える米国の究極的な姿がどういうものか見せてくれましたが、紛れもなく恐ろしいものです。あらゆる種類の米国人は、彼らの計略を拒否すべきであり、その代わりにこの国を特別なものにした原則、つまり自由、機会、繁栄、そして強い市民社会を中心にして団結すべきです。今こそ、米国の良さを信じてこの瞬間をとらえて導く問題解決者の世代を作り上げ、全ての米国人にとって生活を改善する考えを進歩・発展させるよう、人々に奨励することが必要とされる時なのです。分断が我々の運命である必要はありません」と彼女は続けた。
抗議が始まった時、多くの人は最初批判を控えていた。暴力が発生した時でさえ、だ。だがそれは変わった。人気ラジオ司会者のマーク・レビンを始め、保守派リーダーたちは、国を守る上での法と秩序を支持してはっきり意見を述べている。
そして世論調査では、混乱を統制するために連邦捜査員を用いるというトランプの動きに支持が出始めている。おそらくそれは、大統領の支持率向上、そして2020年大統領選をバイデンとの間で互角のものにすることに役立つ重要な要素となるだろう。
ゴンサレスは語った。「我々は立ち上がる必要がある」と。