<引用元:ワシントン・エグザミナー 2020.8.28>社説
27日夜の共和党指名受諾で、トランプ大統領は、過激な左派の行き過ぎた行為が自身の二期目を確実にすることを助けると期待していることをはっきりさせた。
トランプはホワイトハウスの芝生から長い演説を行ったが、彼が生きがいとする騒々しい集会の演説というより、職人的な一般教書演説のように感じさせられることが多かった。ほとんど事前に準備された原稿から逸れず、嫌になるほどたくさんの話題を掘り下げた。だが何より突出していたのは、人々が燃やされる町のイメージにますますうんざりする中で、ジョー・バイデンを民主党の極左に結びつけようと試みたことだ。
ほとんどの人が警察による不正な実力行使と見なしたジョージ・フロイドの死の結果、幅広い共感を得たデモは、略奪、暴力、そして無法へと方向転換した。リベラルは米国を根本的に救いがたいほどの差別主義者として非難した―そして怒り狂った群衆は、ジョージ・ワシントン、ユリシーズ・グラント、また著名な奴隷解放運動者の銅像さえも倒し、汚すことに没頭した。
演説の中の重要なポイントの1つとして、「民主党は我々の国を解体することにあれほどの時間を費やしていながら、どうして国を主導することを求めることができるというのでしょうか?」とトランプは尋ねた。彼は「左派の遅れた見方では、米国を世界で最も自由で、公正で、例外的な国とみなしていません。逆に彼らは、罪のために罰せられなければならない悪徳な国とみなしています」と説明した。
民主党の市長と知事は暴力が継続することを許しているが、バイデンとカマラ・ハリスは抗議者に声援を送り、暴力に対する批判は抑えている。
「過激な左派が権力を握れば、米国の全ての都市、町、郊外に破滅的な政策を適用するでしょう」とトランプは警告した。
トランプはこう宣言した。「民主党が無政府主義者、先導者、暴動者、略奪者、国旗を燃やす人を支持したいのであれば、それは彼らの判断ですが、大統領として私はそれに加わるつまりはありません。共和党は、米国を安全に保ち、米国の国旗に敬意を表す愛国的な英雄たちの声であり続けます」
トランプは具体的な内政・外交政策課題でバイデンとの多くの違いを強調したが、トランプの主張は特定の政策課題同様に、文化に関するものだった。背景は、一般市民がソーシャルメディアで嫌がらせを受け、仕事をクビになることすら引き起こした容認できない発言や行動のかつてない大規模な定義だ。
トランプはそれをこう表現した。「米国人は最新の許可された言葉と表現のリストと、ますます制限される政治的な法令についていこうとすることに疲れ切っています。今や多くの物が異なる名前になり、ルールは常に変わっています。キャンセル文化の目標は、我々が知っているように、良識ある米国人が解雇され、退学させられ、恥をかかされ、屈辱を受け、社会から追い出されるのを恐れて生活するようにすることです。極左はみなさんが間違いだと分かっていることを言うように強制し、真実だと分かっていることを言うことを恐れるように仕向けたいのです」
トランプのコメントは、都市での絶え間ない暴動、そして法と秩序の機能停止に国民の我慢が限界に達しつつある中でのものだ。マーケット大学ロースクールの最新世論調査では、ウィスコンシン州でブラック・ライブズ・マターに対する支持は、6月から8月の間で25ポイント低下したことが分かった―調査はケノーシャで再発した暴力の前に実施されたものだ。
トランプの戦略の成功は、いくつかの要因次第になりそうだ。1つは、浮動票を持つ有権者が、トランプに二期目を明け渡すのを大幅に差し控えようとするのを克服するほど過激な左派を不安に思うかどうかだ。もう1つは、こうした有権者がバイデンを、党の左翼のための「トロイの木馬」でしかないとみなすようになるかどうかだ。
強い経済で今年のスタートを切り、弾劾をかわした後、トランプの支持率は、彼がコロナウイルスの発現とその結果の経済状態の悪化に苦しむ中で落ち込んでいる。だがトランプは、左派の行き過ぎが再度救いとなることに賭けている。