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トランプが米国の開かれた外交に警告

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<引用元:ナショナル・インタレスト 2020.4.17>イラン・バーマン氏による論説

米国政府は、考えを促進し、政策を説明し、世界の聴衆が自分たちの側に結集するよう説得するために、信頼に足る妥協しない開かれた外交の官僚組織を切実に必要としている。

トランプ政権専用のニュースレター、1600 Dailyの4月10日版には、ほぼ間違いなく最も有名で影響力のある米国政府の報道機関、ボイス・オブ・アメリカ(VOA)に対する真っ向からの非難があった。「ボイス・オブ・アメリカは米国納税者に資金提供された世界的なニュースネットワークだ。ところが現在、VOAは米国の敵―米国市民ではなく―を擁護することが余りにも多い」と公文書で述べた

訴えは、実に前例のない国家的危機の時に出たものとはいえ驚くべきものだろう。だが実際それは、今に始まったことではない。トランプ政権は長い間、開かれた外交の組織に苛立ってきた。名目上は2017年1月に連邦政府機関の一部として受け継いだものの、超然として責任を負わないことを示したことが余りにも多かったからだ。改革の試み―新CEOの就任から「米国グローバルメディア局(USAGM)」を構成するサービスの全面的見直しに至るまで―が抜け目のない政治活動と官僚的な駆け引きによって何度も阻止されたため、状況はなおさら問題になっていた。

その間にも米国の公共放送は放置された。ここ数年USAGMは広範な非難を浴びている。特にイラン支援に対する歪んだ優先度、内部の汚職と不始末、敵対政権についての報道で切望される政治的バランスの欠如が理由だ。ところがコロナウイルス危機が最後の決定的な一撃となったようだ。

ホワイトハウスは、ボイス・オブ・アメリカが、中国がパンデミックにおける共謀をごまかしながら疾病まん延に果たした役割に関して「中国政府のプロパガンダを増幅させた」と訴えた。そしてようやく、ホワイトハウスはこの組織の漂流について行動を起こす覚悟ができたようだ。ドナルド・トランプ大統領は4月15日、機関の全面的見直しを活性化させるための臨時の立場に、政権のUSAGM局長候補、マイケル・パックを就任させる準備があると示唆した

予想通りこの問題をめぐっては政党で意見が分かれ、大統領の反対者はVOAと追い詰められたアマンダ・ベネット局長に味方しており、パックの任命を2年以上棚上げにしてきた議会を避けようという政権の取り組みを非難する者もいる。けれども彼らの反論は、政権が攻撃的態度で対処しようとしている、もっと大きな問題を無視している。

現在、米国は変化した―そして非常に困難な―メディア環境に直面している。過去数年間、「権威主義的メディア」と呼ぶことのできる新たな現象が出現してきた。その結果、敵対的な主体が具体的な外交政策と安全保障の目的を前進させるために、本当でもでっち上げでも、ニュースの武器化が行われるようになった。

この新たな課題はロシアだけを包含するものではない。ロシアは2016年大統領選に至るまでの米国の政治に大々的に干渉した(そして米国と欧州の民主主義的な制度のかく乱を目指して偽情報を広め続けている)。それにはイラン、トルコ、カタールといった国も含まれており、どの国も国家の思想と目的を推進―また他国を全て中傷―することを目的とした恐るべき報道組織を確立している。また言うまでもなく中国も同様である。中国は長い間、世界の世論を都合の良いように操作しようとしてきたのであり、コロナウイルス拡大に対する責任に関する真相を覆い隠そうという取り組みは、世界に甚大な被害を与えた。

こうした環境の中で米国政府は、適切に考えを推進し、政策を説明し、また世界の聴衆が自分たちの側に結集するよう説得するために、信頼に足る妥協しない開かれた外交の官僚組織を切実に必要としている。長年USAGMと構成組織は、その目的に遠く及ばず、その結果米国のイメージ―そして国際的な影響力―が損なわれてきた。

ところがようやく、ホワイトハウスはそれに関して行動を起こす覚悟ができたようだ。

 

イラン・バーマンはワシントンDCの米国外交政策評議会(AFPC)の副議長。

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