<引用元:デイリー・シグナル 2022.4.7>ラリー・エルダー氏による論説
2020年大統領選の約3週間前、ニューヨーク・ポストは大統領候補ジョー・バイデンの息子、ハンターについての選挙を変えてしまうような衝撃的ニュースを発表した。真実であるなら、息子の何百万ドルもの口利き不正について何も知らないというジョー・バイデンの主張が破綻するものだった。
同紙はこう主張した。
「本紙が入手したメールによると、ハンター・バイデンは、父親で当時副大統領だったジョー・バイデンをウクライナのエネルギー企業の幹部に紹介したが、その後1年もしないうちに父バイデンは同社を捜査していた検察官を解任するようウクライナの政府高官に圧力を掛けた。
「これまで明かされたことのない会議については、ブリスマ社取締役会の顧問Vadym Pozharskyiが2015年4月17日にハンター・バイデンに送ったとされる感謝のメッセージの中で触れられている。ハンターが報道によると月5万ドルの報酬でブリスマの役員になってから約1年後のことだ。・・・
「衝撃的なやり取り―息子とは海外の商取引についての話をしたことがないというジョー・バイデンの主張を真っ向から対立するもの―は、ノートパソコンから復旧された大量のデータの一部だった。
「パソコンは2019年4月にバイデンの故郷であるデラウェア州の修理店に、店主によれば、持ち込まれたものだった」
民主党支持・反共和党・反トランプのメディアは即座に攻撃態勢に転じた。
中でも、ニューヨーク・タイムズからワシントン・ポスト、CNN、ヒル、ポリティコまで、メディアはその記事を「ロシアの偽情報」としてはねつけた。ヒルはこう書いた。「50人以上の元情報機関職員は、ハンター・バイデンの所有するノートパソコンで発見されたとされるメールには、ロシアの偽情報工作の兆候があると述べた」
50人以上の元職員の話はこうだ。「(ドナルド)トランプ大統領の顧問弁護士であるルディ・ジュリアーニがニューヨーク・ポストに提供したメールが、本物であるか否かについて我々には分からないし、ロシアの関与の証拠はない―ただ経験からロシア政府がこの件で重要な役割を果たしたことが強く疑われるということを強調したい」
CNNのブライアン・ステルターは自身のテレビ番組で述べた。「ニューシーズンのストーリー展開に立ち返ってみましょう。これが一体どうやって起きたかを分析しましょう。というのもこれは、お知らせしたようにニューヨーク・ポストが始めたことであり、マードックの所有するもう1つのメディアが推進したものであるからです。それはもちろんFOXニュースのことです。みなさんはトランプの腐敗について懸念していますが、FOXは『バイデンはどうなのか?』と言います。四六時中です。ですからFOXがこの連続ドラマのプロデューサーでありますが、この番組を誰が作り上げたのかということについては大きな疑問があります。そしてそれがおそらくここで最も重要な点でしょう」
ツイッターは、記事が発表されると、ハンターに関するニューヨーク・ポストの2つの投稿を削除し、ユーザーがメール画像や同紙の記事へのリンクを投稿することも遮断し、プラットフォーム上で同紙が記事を広めることを阻止したので衝撃の疑惑について知る人の数は激減した。フェイスブックは記事が虚偽であるという「示唆」をめぐり記事の配信を停止し、「ファクトチェッカー」が調査中だと述べた。
約17カ月後の今、他の報道機関の中でもニューヨーク・タイムズは、ニューヨーク・ポストのハンター・バイデンに関する記事が真実だと認めている。またメールは、ジョー・バイデンが息子の口利き不正について知っていただけでなく、経済的な援助もしていた可能性も示唆している。例えばあるメールでハンター・バイデンは大物に対する「10パーセント」について話している。「大物」とは父ジョーのことを指している可能性が高い。
これはドナルド・トランプ前大統領と、メディア・リサーチ・センター世論調査によると、ハンター・バイデンの話について知っていたならジョー・バイデンに投票しなかったと主張するバイデン投票者の16パーセントにとって、小さな気休めだ。
もっと悪いことに、ハンター・バイデンのノートパソコンの話が立証された後、「ロシアの偽情報」という手紙を書いた50人の元情報機関職員の中の1人は今、突き詰めれば「それがどうした?トランプは負けたのだ」と言っている。CIAに28年務めた経歴を持つジョン・サイファーは、あるコメントに対する回答としてこうツイートした。「私のせいでトランプが選挙で負けた?それなら自分の影響力についてとても満足だ」
驚愕だ。
ラリー・エルダーはベストセラー著者で全国ラジオトーク番組の司会者。近著は「The New Trump Standard」。