<引用元:デイリー・シグナル 2020.2.14>
ダリア・オルティスは14日のホワイトハウスでのイベントで声を震わせて話した。彼女はニューヨーク市の「サンクチュアリ・シティ」状態に自分の家族――そして市内の他の住民――がいかに失望しているかを説明した。
ダリアの92歳の祖母で、ドミニカ共和国からの合法移民のマリア・フエルテスは、先月性的暴行を受けて殺害され、警察は不法移民であり犯罪常習者とされるリアズ・カーン(21歳)を起訴した。
ガイアナ出身のカーンは以前暴行で逮捕されたが、移民税関捜査局(ICE)の拘禁要請にもかかわらず市は彼を釈放していた。
サンクチュアリ法域は不法移民――危険な犯罪者である場合もある――のための安全な避難先を提供する市、郡、州であり、連邦移民法の執行の妨げとなっている。それは裁判所命令がある場合を除き、ICEの拘禁命令を無視する形でもたらされる。
「アメリカに来る前、(フエルテスは)生まれ故郷であるドミニカ共和国の大統領補佐官を務めていました。彼女はこの国に合法的に来た人たちの模範であり、勤勉に働き正しいことを行い、法を順守する市民です。私の祖母は子供たちと孫たちに未来を与えようと勤勉に働きながら、私たちを育てました」とオルティスは話した。
オルティスは、ホワイトハウスの隣のアイゼンハワー行政府ビルでドナルド・トランプ大統領と一緒に立ち、米国国境警備隊の組合である国境警備協議会の集会で約220人の国境警備隊員とその家族を前に話した。
イベントの最中、トランプは自政権の移民政策、国境の壁、またサンクチュアリ法域での取り締まりについて話した。
司法省は最近、ワシントン州のキング郡だけでなくカリフォルニア州とニュージャージー州に対しても訴訟を起こした。3つの訴訟全てにおいて、州と郡が憲法6条の最高法規条項に違反していると主張しており、同法域が連邦移民法を無視していると主張している。
「残念なことに私の祖母は、なぜこうした恐ろしい犯罪が決して起こってはならないか、という実例にならなければなりませんでした」とオルティスは語り、次のように続けた。
「私たち家族の望みは、祖母の死が無駄にならず、2度とこのようなことが誰にも起こらないようにするために予防措置が整えられるようになることです。」
「こうしたこと全てにおける悲劇は、サンクチュアリ法がなかったらこれは避けることができたという事実なのです。」
彼女はそれから被告のカーンについて話した。第2級殺人、第1級過失致死罪、第1級強姦未遂、第1級性的虐待、そして物的証拠の改ざんを含む7つの容疑を受けている。
「これに対して責任を負う人間は、これを行うための機会を決して持つべきではなく、彼の複数の犯罪は無視されるべきではありませんでした」とオルティスは述べ、こう続けた。
「制度は我々家族を裏切っただけでなく、我々の死を裏切りました。我々家族は政権が家族の悲劇を認め、関心を深めてくれたことに感謝したいと思います」
トランプはオルティスを紹介すると演壇のほうを向き、不法移民による犯罪被害者の家族が、サンクチュアリ法をめぐり市政機関を訴えることができるようにする法案の可決を議会に訴えた。
そのためだけの法案である、サンクチュアリ・シティ被害者のための裁判権法案は、トム・ティリス上院議員(共和党、ノースカロライナ)が発議したもので、昨年夏にはテッド・バッド下院議員(共和党、ノースカロライナ)が同僚法案を発議した。Congress.govによると、いずれの法案に対しても全く動きはない。
「サンクチュアリ・シティによってもうアメリカ人の命が1人も奪われるべきではない。それは至る所にあり、多くの人は望んでいない。カリフォルニア州の多くの、多くの地域社会はそれを望んでいない。どういうわけか政治家が望んでいる」と大統領は語った。
カリフォルニア州議会とギャビン・ニューサム知事が全国で最初のサンクチュアリ州を実現した。
「そういうわけで我々は議会に、アメリカの犠牲者にサンクチュアリ・シティを訴える権利を与える法案を可決し、それが生み出した苦痛と損害に説明責任を持たせるよう求めているのだ」とトランプは語った。
「アメリカ市民は安全な近隣と安全な町を得る権利がある。それはこの部屋にいる人たちが機会を与えられたときにもたらしているものだ。サンクチュアリ・シティはその機会をあまり与えていない」とトランプは参加している国境警備隊員のことを指して述べた。