<引用元:ワシントン・エグザミナー 2019.9.28>
トランプ政権国務省は、多数の元職員とヒラリー・クリントン元国務長官側近のメール記録に対する捜査を強化している。
国務省の捜査員から130人もの(元)職員らが最近連絡を受けていたと、現職の当局者と元当局者がワシントン・ポストに伝えた。同紙によるとそれらの対象者は、何年も前に彼らが送り、遡及して機密指定され、安全保障侵害の恐れがあるとみなされる可能性のあるメールに関して同省から連絡を受けた。捜査員は約18カ月前から元職員に連絡を始めたが、しばらく取り組みを中断しており、8月になって強化し直したようだ。
捜査対象者の中には最近の活動を、トランプ政権が政敵に対して権力を行使しようと決心したものだとみなす者もいるが、国務省高官は、オバマ政権下で元々始められた捜査において標準的な手順に従っているだけだと述べた。
「これはホワイトハウスに誰がいるかとは関係ない。これは、何百万ものメールを調査するのにそれだけ時間がかかったという問題であり、もう約3年半になる」と、ある職員は述べた。
「手続きは政治的偏向が出ることが全くないような形で入念に準備されている」と別の職員は付け加えた。
ところが、元オバマ政権職員はポスト紙に、捜査は機密情報の取扱いに独自の問題を抱えている政権による「積極的な取り締まり」だと語った。
取り調べを受けている国務省職員のリストには、複数の大使に加え、中東、ヨーロッパ、中央アジアの米国政策を担当する次官補も含まれている。また中にはクリントンに外部から重要なメッセージを伝えた多くの現職および元官僚も含まれている。そうした対象の多くは「罪に値しない」とされたが、捜査員が「(安全保障上の)事件として有効」だが、「個人的な責任を負うことはないと判断」したという手紙を追って送られた者もいた。
国務省の再検証は、クリントンが国務長官を務めた2009年から2013年までにニューヨークのチャパクアの自宅地下に置いた、無許可のサーバーの利用をFBIが捜査した後に始まった。ジェームズ・コミー元FBI長官は2016年に、クリントンや彼女の個人メールネットワークに関与する他の誰も訴追されないことを公に推薦したが、クリントンと彼女のチームが機密情報の取扱いにおいて「極めて不注意」だったと訓戒した。
(略)
今年の初夏、国務省は機密情報の取り扱いミスの再検証で、15人の人物により23件の「(より重大な)違反」と7件の「(より軽微な)違反」があったと議会に知らせた。法制担当国務次官補のメリー・エリザベス・テイラーからの6月の書簡によると、可能性のある「広範な」懲戒または行政措置には、「カウンセリング、懲戒、停職、解雇のいずれかまたは全て」が含まれる。
国務省の方針により個人名は明かされず、まだ同省に勤務しているかも明かされていないが、テイラーは過失が認定される人の数は増える恐れがあると述べた。
テイラーは、議会で安全保障検証の監督を主導する、アイオワ州共和党のチャック・グラスリー上院議員に書簡を送った。グラスリーは2017年以来、国務省の再検証について繰り返し最新情報を求めた。書簡の中でテイラーは、捜査中の多数のメールには「時間と資源を相当掛ける」必要があることを認めた。テイラーは、同省が2019年9月1日までに「再検証と裁定を完了すべく最大限の努力を払う」と述べた。
6月下旬、共和党は民主党主導の下院監視委員会に、国務省の再検証に重点を置く公聴会開催を求めたが、これまでのところ無視されている。
クリントンのセキュリティ・クリアランス(機密情報へのアクセス権限)は、元首席補佐官のシェリル・ミルズ他も含め、自身の要望で2018年秋に取り消された。