連邦判事は8月31日木曜日、ヒラリー・クリントン元国務長官が個人のメールサーバーを使用していた件に対する未公開の捜査資料を公表するようFBIに対して命令した。
コーズオブアクション・インスティテュート(Cause of Action Institute)が公開した声明によると、米国連邦地裁のジェームズ・E・ボアズバーグ判事は、FBIに大陪審の召喚状について説明した検閲されていない裁判文書を提示するように命令した。この召喚状とは、クリントンの使用していたインターネット・サービス・プロバイダーに、個人のメールサーバー利用に関する情報を引き渡すよう命じるために出されたものだ。
判決は、コーズオブアクション・インスティテュートとジューディシャル・ウォッチが起こした裁判の一環と出された申し立てに対するものだった。二つの団体は、国務省がクリントンの機密情報管理に関連する記録を保持しなかったのは、連邦記録法に反するものだと主張している。
ボアズバーグは判決の根拠として、問題となっている一連の文書は「すでに公開されている情報を焼き直すものであるので、機密とする必要性は全くない」と説明した。
コーズオブアクションのジョン・J・ヴェッキオーネCEOは、判決を受けてその決定を称賛する声明を発表した。
「裁判所の意見を高く評価します。政府は、誰も証拠を検証できないまま事件を終わらせようとしていました。この命令により、クリントン元長官が非合法的に削除したメールをFBIが復元しようとした件について、政府が提示した詳細の内容が明らかになります」とヴェッキオーネは話した。「アメリカ国民は捜査の全容を当然知るべきです。そして私たちには、原告として、政府の事実に対する妥当性について異議を唱える機会が与えられるべきです」
FBIのジェームズ・コミー元長官は、クリントンが個人のメールアドレスとサーバーを使って機密情報をやり取りしたのは「極めて不注意」だと述べたが、訴追にまでは至らなかった。
今回要求された文書は、特にクリントンが、就任後数週間のあいだに2つのブラックベリーアカウントで送信したメールに関する召喚状についてのものだ。
ボアズバーグの命令は、トランプ政権による異議を覆したものであり、政権はこれまで文書を公開すると大陪審の秘匿ルールを破ることになると主張していた。
この判決の数日前、FBIはクリントンの個人メールサーバーに対する捜査関連文書の引き渡しを公共の利益の欠如を理由に拒否していた。
(関連:「FBIがヒラリー・クリントンの情報公開を拒否、その理由とは?」)