<引用元:ミリタリー・タイムズ 2019.7.10>
ピュー研究所が10日に発表した新しい世論調査によると、退役軍人の間では、ドナルド・トランプ大統領の最高司令官としてのこれまでの実績を支持する人が支持しない人を上回っているが、トランプが軍の指導者の助言を十分に聞かないことを懸念する人はまだ多い。
5月と6月に約1,300人の退役軍人に対して実施された調査で、回答者の57パーセントが、軍に対するトランプの指揮のやり方を支持すると答えた。その一方で、約40パーセントが軍の運用の仕方を支持しないと答えた。
数字は米国民全体とは反転した結果となっている。ピュー研究所が別に実施した非退役軍人の調査(超党派的な調査と分析グループ)では、調査対象の57パーセントがトランプの最高司令官としての実績を評価しないと答え、41パーセントが評価すると答えている。
それらの調査結果は、昨年秋にミリタリー・タイムズが実施した調査結果に同調しており、その調査では国民全体よりも現役の兵士の間のほうがトランプに対する支持が強かった。
その調査では軍人の約60パーセントが、バラク・オバマ前大統領よりもトランプがリーダーであるほうが、軍はより強固な状態になっていると考えていた。しかし、大統領としてのトランプの総合的な評価は真っ二つに別れ、トランプの業績に兵士の44パーセントが肯定的な見方をしたが、43パーセントは否定的な意見を示していた。
ピュー研究所の調査では、トランプに対する退役軍人の意見に最も影響を与えた要素はその支持政党であるようだ。共和党の退役軍人では、92パーセントが軍に対するトランプの監督職務を支持していた。民主党の退役軍人では、93パーセントが指導力に対して不支持と答えた。
2016年大統領選挙の出口調査によると、退役軍人では、民主党ライバルのヒラリー・クリントン元国務長官の約2倍の人たちがトランプに投票した。過去の調査では、退役軍人のグループは、共和党に共感し、保守派の候補者に投票する傾向が強いことが分かっている。
最近の調査で退役軍人は、国家安全保障の決断をする際にトランプが軍の指導者に十分な信頼を置くかどうかについて、より意見が分かれていた。
10人のうち3人の退役軍人は、大統領が核兵器の使用について正しい判断をすると信じていないと答え、36パーセントがその責任について「大いに」信頼すると答えた。
また大多数は、米国南部国境に現役の兵士を送ること(58%)、イラン核合意からの離脱(53%)、そしてトランスジェンダーの軍への入隊の禁止(52%)に関する大統領の立場を支持した。それらの政策で一般国民の大多数から支持を受けたものはなかった。
しかし、軍に新しく独立した宇宙軍を作るというトランプの計画は、同様の支持を受けておらず、53パーセントの退役軍人はその考えに反対し、賛成は45パーセントだった。
ピュー研究所の調査した退役軍人のうち3分の2近くが、トランプは退役軍人を尊重していると思うと答えた。約40パーセントは、軍事費は増加するべきだと考えていると答えたのに対し、43パーセントは現状レベルを維持するべきだと答えた。削減すべきだと答えたのは退役軍人の5分の1以下だった。
調査結果全体は同研究所のウェブサイトで見ることができる。