<引用元:ザ・ヒル 2019.4.7>ジョン・ソロモン氏による寄稿
ウクライナの法執行機関当局は、2016年の選挙干渉から犯罪捜査の妨害に及ぶ米国民主党とキエフの協力者による不正の証拠があると考えている。しかし、トランプ政権司法省に対応を促そうとしたもののその試みは阻止されてきたという。
検事総局国際法律協力部のコスティアンティン・クリク副部長は、自身と他の法執行機関高官が、昨年からワシントンに証拠を引き渡すためにキエフの米国大使館からビザを受けようとしているが不成功に終わっていると語った。
「この情報は米国出張中に伝えるはずだった。ところが(米国)大使はビザ発給を阻止した。彼女は我々のビザを明確に拒否しなかったが、ビザを与えることもなかった」とクリクは多岐にわたるインタビューの中で筆者に話した。
親ロシアのヴィクトル・ヤヌコーヴィチ前政権を支持するビジネスマンによって、ウクライナから資金が密かに違法に持ち出されて米国に移されていた。それがウクライナの捜査官が集中して取り組んだことの1つだったとクリクは述べた。
ウクライナのビジネスマンは「米国政府で運営されるロビー活動のための支払いの許可をしていた」と彼は筆者に話した。「さらにこうした支払いは、マネーロンダリング活動の中で獲得した資金から賄われていた。ある米国企業がこうした支払いに関わっていたという情報がある」。その企業は1人または複数の有名な民主党議員とつながりがあるとウクライナ高官は主張している。
もう1つの例では、ウクライナ当局は、米国の民主党議員に支払われたカネが、米国当局からの圧力を受けて2016年の選挙中にウクライナの全国腐敗防止局(NABU)によって隠蔽されたとされる証拠を収集したのだという。「この捜査の過程で(米国人の)名前が出ないようにするためにNABUで影響力が行使される状況があったことが分かった」と彼は話した。
ウクライナは腐敗と偽情報で悪名高い。警察は不正の証拠と見なされることをめぐって争う。クリクと彼の上司は、誰が起訴されるべきで誰が起訴されるべきではないかについて政治闘争をすることさえある。結果としてキエフで浮上する疑惑はうのみにはできない。
だが、6名以上のウクライナ当局者から私が知らされた疑惑の多くは、最近の米国の裁判記録とインテリジェンス報告書の中で浮上した証拠も裏付けている。ウクライナ人が私に伝えた証拠には以下のものがある。
- 2名のウクライナ当局者が、所属する政府機関がヒラリー・クリントンに味方して2016年の米国大統領選挙に影響を与えようとしたことを宣誓証言で認めた。取り組みには当時のトランプ陣営選挙部長ポール・マナフォートに対する支払いを示すとされる台帳のリークも含まれていた。
- ワシントンの民主党議員とウクライナ当局者との間で接触があり、ドナルド・トランプに関するゴシップを手渡していた。
- ウクライナの天然ガス企業が、当時の副大統領であるジョー・バイデンの下の息子であるハンター・バイデンとつながりのある米国の口座に300万ドル以上を送金していたことが財務記録から明らかになっている。バイデン副大統領はオバマ政権で米国ウクライナ関係を担当していた。バイデンの息子はウクライナの天然ガス企業であるBurisma Holdingsの役員を務めていた。
- バイデン副大統領が2016年5月に、Burisma Holdingsの捜査を監督し、資金送金についてハンター・バイデンの聴取を計画していた検察官を解雇するようウクライナ当局に圧力をかけた記録。
- 国務省職員とキエフの米国大使館がウクライナでの刑事事件に干渉、または圧力を加えていたことを示す書簡でのやり取り。
- ウクライナで70億ドルに上る支出が不正流用されていたか、米国も含めて国外に持ち出された可能性があると検察官は考えている。
(以下略)