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ドナルド・トランプとニッキー・ヘイリーが北朝鮮と中国に勝利したこと(社説)

投稿日:2017年8月9日

<引用元:ワシントン・エグザミナー 2017.8.7社説>

国連は先週、北朝鮮に対する制裁を強化した。弾道ミサイルの発射実験を繰り返す北朝鮮の行動に対応したものだ。金正恩政権は製品やサービスの輸出を禁止され、少なくとも一定の度合いで、国外からの投資を遮断されることになる。

アメリカにとってとりわけ重大な安全保障上の脅威が浮上している中、この脅威に共同で対処しようとする取り組みがなされたことで、トランプ大統領は大きな成果を上げたことになる。

確実な武力行使の可能性を示しながら外交交渉を行った結果、大統領とニッキー・ヘイリー国連大使は、国連安全保障理事会の全15ヶ国を結集して共同歩調を取らせることができた。金正恩は、このような制裁だけで真剣に交渉に入ることはないだろうが、大きな痛手を受けるだろう。アナリストによると、制裁によって北朝鮮は30億ドルの輸出枠のおよそ3分の1を失うことになるということだ。

北朝鮮の違反行為(率直に言えば悪そのものであるが)は否定できないものだが、制裁決議は全く容易なものではなかった。中国の意見を変える必要があったのだ。中国政府は、トランプが北朝鮮に武力行使を行うと確信していなければ賛成していなかっただろう。これまで金正恩に対する中国の取り組みは限られたものだった。しかしながら、拒否権があるにもかかわらず安全保障理事会を通過させたということは、中国はトランプの武力行使の脅しを真剣に受け取ったということだ。

それは、この数十年来の北朝鮮に対する対応から180度方向転換したものであり、アメリカの政策変更の結果だ。

1994年、クリントン政権は、ジミー・カーター元大統領の介入などを受けた後、北朝鮮が核開発を停止することを条件に燃料の支援を申し出た。合意には保障措置がなく北朝鮮はすぐに不正を始めたが、賢明な人々はそうなることを予測していた。

2009年5月に北朝鮮が核兵器実験を行うと、ホワイトハウスのラーム・エマニュエル首席補佐官は、次のようなオバマ政権の「由緒ある」表明を行った。「ロシアと中国がこれに対して非常に強く非難しているという点に、誰もが感銘を受けたと思います」中国はこのばかげた話を聞いてほくそ笑んだに違いない。その後のオバマ政権を方向付けることになった出来事だ。

2010年、金正恩が画策して韓国の船を沈めた後、当時の国務長官のヒラリー・クリントンは「明確で間違いのないメッセージ」で答えることを誓った。その言葉とは裏腹にクリントンは何もしないままメッセージが伝えられ、北朝鮮はそれをはっきりと理解することになった。

2016年、クリントンの後任のジョン・ケリーは、中国が北朝鮮の核開発を抑制するように説得しようとした。しかし、中国が行動を起こさなければ中国に圧力を加えるのか聞かれると躊躇して、「今こそこの件が当たり前のことのように継続しないよう全員で確認すべきだ」と述べた。予想通りそれは継続したのだった。

オバマ政権は政権末期に北朝鮮の石炭輸出を制限する国連決議を採択させた。しかし、トランプの決議と異なり、結果として脅威をもたらす要素を欠いていたため中国は金正恩と取引を続けていた。

トランプの対応によってすべてが変わり、他にまねのできないトランプの能力が明らかになった。ニッキー・ヘイリーの支援を受けて、トランプは少なくとも中国と北朝鮮に対して、アメリカの外交基盤を強化した。ハードパワーとソフトパワーを組み合わせることが重要だ。中国のような権威主義体制は、笑顔だけではなく厳しい態度を国際協定の中で示してこそ心を動かされるのだ。

今回外交で成功を収めたことは、先例を作るという意味でも非常に重要だ。イランが急速に弾道ミサイル開発を進める中で、アメリカ政府は、弾道ミサイルがもたらすのは安全ではなく実存的な危機だけであることを、敵対国が気づくようにしなければならない。北朝鮮の弾道ミサイル開発が確固たるものになることを許せば、イランとその他の国はその技術を最優先で追及するだろう。北朝鮮が弾道ミサイルを保有することで政権の保証を得るのであれば、他の政権も同様の保証を得ようとするだろう。中東の政治を特徴づけているのは神学的背景を持つ拡張主義と政治的な派閥主義であるが、イランはその傾向が強いことを考慮すると、リスクが高いことが分かる。

北朝鮮、イラン、そして同じ道をたどる他の国に対して更なる行動が必要とされるだろう。

第1に、レックス・ティラーソンが早急にやるべきことは、トランプ、ヘイリーの台本に乗ることであり、アメリカが困惑しているというメッセージを示すことを止めることだ。第2に、トランプは朝鮮半島周辺の軍事展開を継続しなければならない。それは中国が北朝鮮を包囲するように推し進めるだけでなく、アメリカ軍の司令官が必要な場合は断固たる行動を取る手段を持っていることを保証するのにも役立ってきた。3番目に、イラン核合意の継続を支持する代わりに、トランプは、イランの弾道弾ミサイル開発を取り締まることをアメリカの同盟国を結集して支持させなければならない。

ウクライナで、シリアで、そして東シナ海や南シナ海で、オバマ政権は中国に、アメリカは弱く、国益と安全を脅かすものに対して役に立たない異議申し立てを行うだけだと信じ込ませてきた。それはもう変わったのだ。トランプは、特有の予測不可能な考えを発展させ、信頼性のある外交政策を行い、確固とした軍事力を広く示して、長い間戦略的なライバル関係にある中心地で注目を集めつつある。

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