<引用元:ワシントン・フリービーコン 2021.3.1>
ビクトリア・ヌーランドは孔子学院の国家安全保障上の脅威を否定していた
国務省高官の候補者は、米国の大学内で北京支持のプロパガンダを広める中国政府プログラムである孔子学院の支持者だ。
バイデン大統領が政治担当国務次官として選んだビクトリア・ヌーランドは、2012年の記者会見で中国政府が出資する孔子学院の米大学での拡大に対する支持を表明していた。当時オバマ政権報道官だったヌーランドは、その学内機関を2大国間での「人材交流」に極めて重要なものとして称賛し、中国の野心に関する懸念を否定した。
ある記者はヌーランドに、オバマ政権が「中国最強のソフトパワーとして米国での孔子学院の拡大について」懸念しているかと質問した。
「いいえ。これ(孔子学院)は我々が支持しているものです。相互理解の一環です」とヌーランドは答えた。
孔子学院はオバマ時代に急速に影響力を拡大し、中国共産党の影響に関する警告にもかかわらず2017年をピークに100以上の米国の大学で設立された。複数の政府報告書で、中国政府が学内機関に対して高度な支配を実行し、講師がチベットや香港のようなタブーの話題を教えないように制限していたことが明らかになった。講師は米国内で教えている場合でも中国の法律に従うことが契約上義務付けられることが多かった。
ヌーランドの孔子学院に関する同情的なコメントは、上院で強い反発を招く恐れがある。上院ではその元外交官が国務省で3番目の地位に就くことを承認するかどうかが決定される予定だ。共和党上院議員は複数のバイデン任命者に対し、親中国的なコメントや独裁国家でのビジネス取引について回答を要求してきた。
「孔子学院に好意的な発言をしたことのある候補者は誰であっても重大な懸念がある」「北京が上位の国家安全保障上の位置に突きつける脅威に甘い人物も―共鳴する人物も―あってはならない」と、マーシャ・ブラックバーン上院議員(共和党、テネシー)の報道官は述べた。
ヌーランドのコメントは北京が後援する機関に対するオバマ政権の歓迎的なアプローチを象徴している。
教育監視機構である全米学識者協会の報告によると、オバマ政権教育省は孔子学院が後援する米国の中国人教師に対する会議を後援した。また何人かのオバマ政権高官は会議の諮問機関の一員となっていた。
ヌーランドは中国政府の支援機関に対する支持について回答すべきだ、と同監視機関の報告書の著者であるレイチェル・ピーターソンは述べた。
「オバマ政権は中国のソフトパワー活動を繰り返し過小評価し、孔子学院を推薦するにまで至っていました。ヌーランドもバイデンも、彼らが米国の高等教育を中国共産党の影響力から守ることができるということを証明しなければなりません」と彼女は本紙に語った。
独裁国との関りについてのオバマ政権の政策を擁護するために、ヌーランドが中国に共鳴するコメントを行ったのはこれだけではなかった。2011年の別の記者会見で、ヌーランドは「裕福で成功した中国の発展」を歓迎すると述べた。
「我々は中国の発展を脅威とみなしてもいませんし、中国発展を封じ込めるつもりもありません」とヌーランドは述べた。
(以下略)