<引用元:ワシントン・フリービーコン 2020.11.6>
「北京はバイデン支持の都市」
米国大統領選挙から数日が経ち中国のプロパガンダ機関員はツイッターで、バイデン政権が誕生する見通しを歓迎することを示唆した。
環球時報(Global Times)編集長の胡錫進は、北京は民主党大統領候補のジョー・バイデンの選挙勝利を歓迎する「バイデン支持の都市」だと述べた「賢明なネット市民」のフォーラム投稿をシェアした。また別のツイートでは、中国のネット市民はバイデンが個人的な家族の悲劇を克服した話に引きつけられているとも述べた。
「バイデンが選出されれば、中国と米国の関係は正常化するに違いない。なぜなら北京はバイデン支持都市だからだ」と、そのフォーラム投稿には書かれている。
胡がバイデンを称賛するとともに、中国プロパガンダ機関は3日以降、論争の多い選挙を地政学的な競争相手に対して無思慮に敵対する機会として利用している。同国の全国放送局である中国中央電視台(CCTV)は、コメンテーターを招いて米国を選挙の「負け犬」と呼ばせ、香港の国営メディアは「いわゆる米国式の民主主義は物笑いの種になり下がった」と書いた。
こうした嘲るような記事の大部分は国内の中国人読者にむけて中国語で書かれているが、中国の基準からも扇動的な記事で知られる国家主義的なタブロイド紙である環球時報は、ドナルド・トランプ大統領を嘲る英文記事を出し、中国のネット市民は選挙を「笑い」と「滑稽さ」を求めて眺めていると述べた。
(略)
米国選挙に関する中国の国営メディアの報道は、通常の行動に一致して、民主主義体制の正当性を否定するためにそのより混乱し不安定な要素を強調することが多い。「嵐の前の静けさ」というCCTVの記事では、選挙によって暴動が広がる恐れがあると述べ、一方政府関連のツイッターアカウントでは米国の建物に板が打ち付けられた動画を拡散させていた。
公式な情報発信元は、結果が公式に決まるまで説明を制限しているようだが、胡のバイデン支持のスタンスは、米国インテリジェンス専門家によると、国の指導部と一致している。中国のプロパガンダ機関員は、選挙に至るまでの数カ月に元副大統領を好むことを示唆する記事を発表しており、バイデンをトランプやバーニー・サンダース上院議員より「予測可能な」候補と見なしていた。
「多くの中国人専門家は・・・民主党が提案した外交政策綱領では、バイデンが勝利した場合、米国は中国に対する厳しい態度を維持することが分かったと予測している。そのため北京は慎重さを維持すべきだ。だが戦術的に、米国のアプローチはより予測可能になり、バイデンはトランプよりもはるかに対処しやすい―多くの国が持つ見方だ」と環球時報の8月の記事にある。