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「陰謀論」と米メディアでの中国の全面的攻撃

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<引用元:ナショナル・レビュー 2020.5.1>ジム・ジェラティ氏(ナショナル・レビュー政治部長)による論説

本日のメニュー:米国メディアがいかに躍起になって、ウイルスに対抗する中国の「成功」に声援を送っているかについての深い分析、中国から送られた不完全な物資が我が国の職員に損害を与えている件、そして今朝のジョー・バイデンのテレビ出演に関する感想。

中国の「手法」を称賛するのをやめよ

ワシントン・ポストが、「中国の研究所は致死性のコウモリウイルスを広範に研究していたが、流出事故の証拠はない」と題してウェブサイトのトップに「ファクト・チェッカー」コラムを掲載しており大変驚いたが・・・あまり不満はない。同紙の功績を認めよう―NPRに比べればはるかに公正だ。私の記事では、我々が持っているのは全て状況証拠であることを強調することに努めてきた―もっとも、大量の状況証拠が山積し始めているのではあるが。

多くの報道機関は、その説に懐疑的なウイルス学者の話を引用したり、中国の研究者の専門的技術を褒めちぎったりして、多かれ少なかれ「解決済み」だと結論を出している。これが決定的に排除されるには、考えられる限り疑う余地なく、SARS-CoV-2が人間に感染する前にセンザンコウを通過する必要があった、と生物学者が断定できるかどうかに掛かっていると思う。ノースカロライナ大学が(あの)武漢ウイルス研究所と共同で実施した研究のおかげで、他の治療不可能なSARS型ウイルスが直接人間に感染する可能性があることが分っている。

ワシントン・ポストの事実確認スタッフは、このウイルスの起源に関する疑問への正直な回答は、「分からない」であることを認めている。従って、研究所流出説は排除できない―たとえ中国のウイルス学者が、世界で最高水準の優秀さと慎重さを持つと考えられているとしても、だ。

米国の研究所での事故記録から、炭疽菌、エボラなどの伝染病に関連する病原体を含めて、死に至らしめる細菌への不注意による感染と暴露が複数あることが明らかにされている。中国の研究所では比較可能な記録がないが、昨年中国の学術論文で、疾患を引き起こす病原体が研究されている警備の厳重な研究所で、訓練と監視に広範な構造的欠陥が指摘された。

「ほとんどの場合維持費が無視されており、いくつかの高BSL(バイオセーフティレベル)研究所で所定の、さらに必須手続きのための運営費用が不十分だ」と、バイオセーフティ・バイオセキュリティ・ジャーナル(Journal of Biosafety and Biosecurity)で発表された武漢の主任研究員、Yuan Zhimingによる論文はしている。ほとんどの研究所に、「専門のバイオセーフティの管理者と技術者がいない」と彼は書いた。

発生源は究極的に知ることができない可能性があるが、研究所がウイルス流出に関わっていた可能性があるとする主張は、「信用できない」とラトガース大学のリチャード・エブライト化学・化学生物学教授は述べた。

スタンフォード大学のデイビッド・レルマン微生物学教授は、ウイルス発生は、少なくとも人類の健康と経済に広範な損害を及ぼす能力を持つ病原体を伴う研究に、もっと厳しい基準と包括的な監視が必要であることを浮き彫りにしていると述べた。

「研究所の事故の例は枚挙にいとまがない。我が国のCDCやそれ以外の全員が、とても危険な病原体でも事故を起こしている」とレルマンは述べた。「それはどうすることもできない。人間は不完全な―一貫性がなく、注意散漫な―生き物だからだ」

昨日述べたように、我々は中国の地位の高い研究者が、実験動物を闇市場で売り払い、有害物質を含み感染性のある物質を下水に廃棄している例を確認している・・・その下水では海鮮市場の料理人が「地溝油」を採取しているのだ。

全ての証拠を見ながら、「動物に由来するウイルスが市場に持ち込まれた可能性が高いと思う」と言う人に文句はない。それはとても妥当な嫌疑だ―研究者は新ウイルスが生鮮市場から出ることを長年懸念してきたのだから!私は、武漢の研究所での人的ミスを疑うことは陰謀論も同然だと主張する人には問題があると感じている。

これが生物兵器で、中国は世界の他の国に損害を与えるために多くの自国民を進んで感染させたと主張する、正真正銘の陰謀論者がいることは助けにはならない。また、一般国民とメディアのように、多くの人が「研究所で作られた」―意図的に操作されたという意味―という言葉と、「研究所が起源である」―テストに使用された動物やサンプルに由来するという意味―という言葉を、置き換え可能なものとして使用し続けていることも助けにはならない。

だが概して、これが意図的に操作され意図的に流出された生物兵器だという説を売り込む人々は、どうみても陰謀論者だ。アレックス・ジョーンズがSARS-CoV-2を生物兵器だと考えるのは意外なことではない。(「変人がおかしなことを言う」のはニュースではない。あなたがアレックス・ジョーンズの医療アドバイスに頼ったとすれば、基本的にトラブルを招くための招待状を正式に送ったということだ。)

私はそうした陰謀論者についてはそれほど心配していない。彼らはほとんどが極端で既に転向した人に説き勧めているからだ。私がもっと心配しているのは、この進行中の世界的災難―世界で330万人以上が感染し23万4千人以上が死亡―に目を向け、中国政府がこの物語のヒーローだと結論付ける著名米国人のことだ。今まさに驚くほど多くの著名米国人が、中国はこのウイルス発生を正しく扱ったが、米国はそうでなかったと声高に主張している。米国連邦政府、州、そして地方自治体は、この危機でそれなりにミスを犯している。だがだからといって中国政府がいい人や模範になるわけではない。

雑誌「アトランティック」で、以前ブッシュ政権時代の司法省に在籍し、現在ハーバード大学法学大学院のジャック・ゴールドスミスと、アリゾナ大学法学大学院のアンドリュー・キーン・ウッズは、「世界的ネットワークの自由対統制をめぐる議論において、中国はおおむね正しく、米国は間違っていた」と主張した。

ビル・ゲーツは、「中国は最初に多くのことを正しく行った」と主張し、中国政権に対する批判は「注意をそらすためのものであり、不正確で不当なことがたくさん言われていると思うが、今はそうした議論をする時ではないと思う」と主張している。

本紙のジャック・バトラーは、CNNで次のように宣言する「分析」記事に気づいた。「中国式の統制がコロナウイルス危機の原因だとされてきたが、このところますます魅力的なものに見えてきている」とグリフィスは結論付けた。「ウイルスが最初にどこで発生したかにかかわらず、中国は多くの国よりもはるかにうまくパンデミックに対処している。そうした国は警告期間がもっと長く準備のチャンスが大きかったというのに、だ」

3月26日に遡って、NBCニュースは「米国がコロナウイルスの食い止めに苦労する中、中国は自国が世界のリーダーであると主張している」と宣言した。その後同局はこうツイートした。「米国では24時間で1,264人の死者が報告されている。一方中国では、パンデミックが発生した場所であるが、1人もコロナウイルスによる新たな死亡が報告されなかった

フォーリン・アフェアーズには「習近平がコロナウイルス危機に勝利」という見出しの論文が出た。CBSニュースABCニュースは、中国国営メディアの映像をノーカットで流し、武漢でのウイルス撲滅を宣伝した。CNNは、中国海軍が米国海軍よりもウイルスの統制をうまくこなしたと主張する中国国営報道機関の話を、文字通りそのまま放送した。

政権の厳格なウイルス封じ込め策の報道でも、強靭さと決意を示すものとして報じられている。USAトゥデイは、「これが、中国がコロナウイルスに打ち勝つために行ったことだ。専門家は、米国は対処できていなかったとしている」と力説した。いや、そうではなく、我々は国家権力で人々を家から引きずり出し、感染者を家に閉じ込めるためにドアを溶接するような「対処」は行わないのだ。

この報道からは見当もつかないことがある。中国政府が3週間から6週間、疾病の伝染性に関して嘘をついたことも、北京発表の公式な感染者数と死者数が真相からほど遠いことも、ほとんど全ての生鮮市場―このウイルスの発生源とされる場所―が開いたままであることも、また中国の製造業者が出荷している医療用品の大部分が役に立たないものであることも。

ここでいったい何が起こっているのだろうか?

目下のところこの奇妙な親中国政府の応援の波があるのだが、それが反トランプ主義の逆上なのか、中国に莫大な事業利益を持つ報道機関の親会社を反映しているのか、あるいは米国のエリートの一部が権威主義の中国の安定性と社会統制を見て、そこに模倣したい制度を見出しているということなのか、私には言えない。それはあまり重要ではないかもしれない。これらは全て、少なくとも100万人、ことによると300万人もの少数民族を強制収容所に入れている政権の、プロパガンダを反復するには間違った理由だ。

中国はマサチューセッツ州職員の助けにならなかった

今週の締めくくりとして、広く報道され、称賛された、ニューイングランド・ペイトリオッツの飛行機でマサチューセッツ州に送られた中国製のマスクについての話を振り返ってみよう。おそらく記事を見ただろうが、私でも「ペイトリオッツのオーナー、ロバート・クラフトはよくやった」と言わざるを得ないような出来事だった。

チャーリー・ベーカー知事は、ペイトリオッツ・チームの飛行機に関与させるというアイディアを思いついたわけだが、保護マスクを最前線の医療従事者にもたらしたクラフト、他の2人の知事、そして多くの中国当局者と政府機関を称賛した。

「我々全員が、このパンデミックと世界中で戦っていることを知っており、これを実現するために協力してくれた中国の協力者なしには、我々がここで行ったことを達成することはできなかった。在ニューヨーク中国領事館のHuang Ping大使のおかげでこの取り組みが成功した」とベーカーは語った。

今週にまで時を進める。しばらくの間警察とパトロールがマスクを使用してからのことだ。

ブロックトン警察署が今月初め、何百個もの保護マスクをマサチューセッツ州緊急事態管理局から受け取った時、職務中の感染の懸念がますます高まっていた職員にとって待ち望んだ贈り物として届けられた。マスクはすぐに各部署の200人の職員に分配された。また装備一式の中にも入れられ、パトカーの中にも配備された。

だが金曜日に、署は当局から、マスクに深刻な欠陥があり、浮遊微小粒子のわずか28パーセントしか除去できないことが新たなテストで分かったという知らせを受けた―最前線の職員にとって安全と見なされる基準を遥かに下回っていたのだ。署は直ちにマスクを返品した。

「我々がマスクを受け取ってからかなり長い間たってから、欠陥が判明した。それらは警察で毎日使用されるものだった・・・署員はこれらを毎回使用していた」とブロックトン警察のエマニュエル・ゴメス所長は語った。

・・・それからマサチューセッツ州の医療従事者は警戒している。今月初め、州が中国からニューイングランド・ペイトリオッツの飛行機で4月2日に運んできて受け取ったKN95マスクの品質を疑問視する声も上がった。

その発送時に、チャーリー・ベーカー知事はマスクのことを繰り返し、N95と説明していたが、多くはKN95であることが判明した。州当局者は、同じくKN95の追加のマスクを連邦政府から受け取ったと述べた。

州のCOVID-19対応司令部のシャロン・トーガーソン報道官は今週、その出荷されたマスクは「KN95とN95の組み合わせ」だったと述べた。

彼女は、マサチューセッツ州当局者が中国から購入しているマスクの一部がKN95であることを知っていたかどうかに関する質問に直接回答せずに、「中国から入手したマスクのほとんどはKN95である」と述べた。

マサチューセッツ州はペイトリオッツによる出荷で、マスクに約200万ドルを費やした、とトーガーソンは述べた。

中国は欠陥品のマスクを送って200万ドルを受け取り、見返りに惜しみない感謝にあふれた記者会見を得た。どれだけの数の警察官、第一対応者、また他の職員が、実際には十分に保護されていないのに保護されていると思い込んでマサチューセッツ州を歩き回っていたかは誰も知らない。

ニューイングランド・ペイトリオッツの飛行機に関連する試みが、大成功だったという主張は過度なものであり、善良な人々が騙し取られたことが判明している。

補遺:ジョー・バイデンは今朝、MSNBCの「モーニング・ジョー」に出演した。ミカ・ブルゼジンスキーに、自身の公式な上院記録とデラウェア大学で保管されている書類で、タラ・リードの名前を探すことを許さなかった理由を訪ねられると・・・バイデンはただ何も答えずに、カメラを見つめた。今後も見ることのない最高に気まずい沈黙の1つだった。

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