<引用元:ニューヨーク・ポスト 2020.3.12>マイケル・グッドウィン氏による寄稿
大きくて大胆、楽観的で心がこもっていた。トランプ大統領の大統領執務室からの演説はまさに米国が聞く必要のあるものだった。
これは大統領が危機に真っ向から立ち向かおうと奮起する姿だ。
全国に不安とパニックが広がり景気後退の恐れがある中で、トランプは大統領となって最大の試練に直面している。民主党、偏向メディア、そして敵対国との荒々しい戦いでは百戦錬磨であっても、トランプはコロナウイルスによって違った重大性を持つ問題を提示されている。
それは米国に戦争を宣言した世界的な厄介者だ。正直に言うとここ数週間の中で、大統領がやる気のないの最高司令官に見えたこともあった。
ありがたいことに、11日の夜の時点でそのやる気のなさは過去のものとなり、疑う余地なくこの命にかかわる災難との戦いに全面的に取り組んでいる大統領となっている。
流れを変えてこの勝負にさらに力を入れようという意欲は、これが国にとっても自身の大統領としての立場にとっても、重大な瞬間であることの理解を映し出している。「歴史が何度も繰り返して証明しているように、米国人は常に困難にうまく対処して逆境を乗り越えている」とトランプはある時点で述べた。自身が目前に迫る危機の深刻さを認めていると強調するためであるかのように。
嫌う人は認めないだろうが、トランプの今の瞬間に対応する能力は、彼が選挙で選ばれて、偉大な米国の雇用の仕組みを前例のない極みに導くことに成功した理由について思い起こさせるものだ。唯一のなぞは、なぜ左派の知性があるとされる人たちが、何百万人もの同胞が4年前より暮らし向きが向上している事実から目を背けるのかということだ。
その問題は11月に決着がつけられるだろうが、今のところ全国はこの無言の敵に対抗する活動に団結するべきだ。その目的を達成するためには、演説は成功だった。というのもコロナウイルスの拡大を止めるのに役立つ具体的行動と、被害を受けた個人と企業に対する援助の約束があったからだ。
欧州からの30日間の渡航禁止は確かに最も強力な対策だが、そこでの、特にイタリアでの病気の広がりは、ここで起こり得ることに関する教訓である。いちかばちかの賭けは無責任であるため、門戸を閉ざすのは賢明だ。
思い出してほしいのだが、1月にトランプがほとんどの中国人の入国を止めたのは正しかった。実のところトランプ批判者の多くはまだ認めることができないでいる。それでも彼らは間違っている。
大統領は最高司令官の役割も果たさなければならず、中小企業ローンや他の措置の概要を説明することでそれを行った。その中には曖昧で今後まとめる必要のあるものもあった。また実際的に役立つ詳細を省略せずに、人々に手を洗うよう促した。それは大統領執務室では初めてのことかもしれない。
しかし、最も重要な課題は、自身の指導の下で米国民に信頼感を与え、国を反対側に導こうという決意を示すことだった。トランプが団結と党派を超えた姿勢を求めたのはその約束の一環だが、現実を受け止めればそれが起こる見込みはほとんどない。
ワシントンには非常に大きな反目があり、民主党幹部、ナンシー・ペロシ下院議長とチャック・シューマー上院少数党院内総務は、トランプのコロナウイルスに対する初期対応を容赦なく非難することでさらに「井戸に毒」を入れた。全くしょっぱなから、彼らは解決策を見つけるのに協力するのではなく再び大統領を弾劾したいかのように思われた。
そのため彼らもまた幹部に対する批判を受けている。彼らはこの命にかかわる病気との戦いに協力して国を落ち着かせようとするだろうか?それとも管理責任を放棄し続けて、国の健康と安心よりも自分たちの党派的利益を先立たせるのだろうか?
彼らが何を決めても、米国は今勝利に向けて尽力する大統領がいることを知っている。それが最も重要なことだ。