＜引用元：ニューヨーク・ポスト 2020.1.20＞社説
トランプ大統領の弾劾裁判が上院で始まる中で直面しているのは、嫌疑について判断するということだけでなく、手続き全体を下院が低レベルの政治的な茶番にしてしまった状態から救い出そうという課題でもある。
「これはとても、とても厳粛なことだ」とチャック・シューマーは、ジョン・ロバーツ裁判長が21日に開始される弾劾裁判のために上院議員たちの前で宣誓を行った後、報道陣に語った。上院少数党院内総務は本当にそのように振舞うつもりだろうか？
下院民主党は違った。ナンシー・ペロシ下院議長は最初からいい加減な態度だった。正式なものにするための決議を行う前に「正式な」調査を発表した――しかもそれは、非公開の証言から選択的にリークして密かに自分たちに大きく有利に仕向けてからのことだった。彼女の首脳部は重要な証人に証言させると遅くなるとういう時にその証人たちを無視して全体を急がせた。その理由は、（ペロシとその仲間の話では）トランプが国家安全保障に対する大きな脅威であるために、あえて待たなかったというものだった。
ただし、その後ペロシは弾劾条項を上院に送付するのを遅らせた――それから、その時のためにあつらえた記念のペンで公式文書に署名するとその後ペンを記念品として配布し、その厳粛な瞬間を自分自身が人目を引くための愚かな行為に仕立てた。
17日にペロシはHBOに出演すると、トランプの経歴に「永遠の」汚点がついたと語って祝い、ビル・マーとグータッチを交わしながら再びニヤリと笑った。
上院はこの大混乱を収拾するというほぼ不可能な任務を押し付けられている。だがミッチ・マコーネル上院多数党院内総務はカバノーの公聴会では民主党が侮辱的な態度を取るのを止められなかったのだが、今度はうまくやれるだろうか？（少なくとも憲法の規定では、上院議員がこれ見よがしの演説を行うチャンスは最小限にとどめられるだろう。）
民主党上院の大部分は、シューマーにペロシ同様に党派的な振る舞いを求めている。シューマーは、1999年にビル・クリントン大統領の裁判で上院が投票する前日に自分で書いたことを完全に無視するのだろうか？
シューマーは同僚に「我々はこれから政治的利益のために人を引きずり下ろすのは控えようと、握手しあって宣言する」よう要請した。さらに、「ビル・クリントンが行ったことは間違っており傲慢だった・・・皆が同意している」と彼は書いた。だが「彼を罷免しようという世論の高まり」はなく、彼の犯した間違いに十分な重要性もなく、シューマーは、人々が「非常に明白な政治的動機で裁判を利用し、大統領を失脚させるという目的を達成するためにメディアを操り立法機関をじらした」ことに「動揺した」とした。
両党は「投票所で決定できない政治的な戦いと思想的違いに勝利するために、日常的に刑事告発とスキャンダルを利用すること」に専念してきた、とシューマーは指摘した。あれから20年、彼はこの狂気に終止符を打とうとするつもりがあるのだろうか？
