<引用元:ニューヨーク・ポスト 2019.10.14>社説
トランプ嫌いの米国2大新聞であるニューヨーク・タイムズとワシントン・ポストの両紙は今、ナンシー・ペロシ下院議長に、「弾劾調査」を本当に正式なものにするための全下院の投票を行うよう呼び掛けている。――投票は、リチャード・ニクソン大統領とビル・クリントン大統領を対象とする調査のためのものと同様に、ルールを定めるということでもある。そうすることで野党とホワイトハウスは完全に蚊帳の外に置かれることはなかった。
ところがこれまでのところ、ペロシと弾劾の中心人物であるアダム・シフ下院議員は逆の道を進んでいる。
トランプ大統領と他の共和党議員は、シフが公聴会の大部分を非公開で実施すると決めたことに不満を表してきたが、情報委員会トップのシフは、先週金曜日のマリー・ヨバノビッチ元駐ウクライナ米国大使に対する質問を、はるかに高い機密性を持って行うことを選択した。――宣誓供述として実施したため、大使の回答についてどちらの側が話しても罪に問われる。
そのため他の下院議員は、ヨバノビッチが公開した冒頭陳述以外の全てに関して何もわからないままだ。
シフはこの・・・冒険全体に乗り出すきっかけとなった内部告発の当人のことになると、なおさらどんな苦労も惜しもうとしない。その人物に証言させることも行わない恐れすらある。――そうしたら誰も内部告発者の動機と偏向を調査できる見込みはなくなってしまうだろう。
シフは当初の説明に反して、内部告発者が告発を提出しようとする以前に自身のスタッフが内部告発者に接触していたことを認めたというのに、だ。
また、内部告発者がオバマ政権のウクライナ責任者であるジョー・バイデン副大統領の顧問をしていた時にさかのぼって、シフの少なくとも2人のスタッフ(1人は告発提出中に採用)が、ホワイトハウスでその内部告発者と一緒に働いていたことをワシントン・エグザミナーが暴露したというのに、だ。
ポリティコが2017年に報じたように、2016年の大統領選挙運動中、ウクライナ当局者は「公然とトランプの大統領としての資質に疑問を投げかけて、トランプをおとしめてヒラリー・クリントンを助けようとし・・・トランプ側近の不正をほのめかす文書をばらまき・・・(そして)ヒラリー側近に協力してトランプとその顧問の不利な情報を調査した」。内部告発者とシフのスタッフはそうしたことについて一体何を知っているのか――それからなぜその時、誰も内部告発を全くしなかったのか?
彼らは何を隠そうとしているのだろうか?
シフは誰にも質問の機会を得させたくないと思っている。
ここでペロシには明白な義務がある。弾劾調査があからさまなでっち上げにとどまらないようにするために、下院全体で決議を行うことだ。