<引用元:フィラデルフィア・インクワイアラー(Philly.com) 2019.4.29>デイビッド・アーバン氏による寄稿
民主党はごまかしの達人だが、もしトランプ大統領の減税が中産階級にとっての大勝利などではないのだとペンシルベニア州民に納得させたいと思っているなら、それは実に困難な仕事だ。
2017年にバーニー・サンダースは、大統領の減税・雇用法(TCJA)を米国史上の「大強盗の1つ」と呼んだ。上院少数党院内総務のチャック・シューマーは、「法人税減税の負担を受けて」「得られた利益を思いがけずに台無しにされる」ように意図されていると主張し、「皮肉にも中産階級の腹に対するワンツーパンチ」となると評した。ナンシー・ペロシ下院議長は報道官を通じて、TCJAが「最終的に8600万人の中産階級世帯に対する増税となる」と全く誤解を招くような主張を行った。
この虚偽情報を広めるキャンペーンは数カ月続き、減税法案を国民に誤って伝え、経済に対する影響を歪曲した。
このプロパガンダ活動の目的は、トランプ大統領の最重要法案成立の成果の1つに対する支持を弱め、景気回復が大統領のおかげだということを否定することだった。だがこの見方は全く現実に合致していない――特にペンシルベニア州では。
ヘリテージ財団によると、2018年のペンシルベニア州での個人の減税額の平均は1,169ドルであり、2017年に比べて約12パーセントの負担減ということだった。
だがTCJAはペンシルベニア州に大幅な減税をもたらしただけではなかった。共和党減税法によって、賃金上昇、雇用改善がもたらされ、州全体の世帯で公共料金が値下がりすることにもなった。
昨年夏、超党派サイトのWatchdog.orgは、「ペンシルベニア州の数十社の企業が、連邦税制改革の結果として賃上げやボーナス支給を実施し、地元のチャリティーに献金を行い、新たな設備に投資し、新規に雇用し、福利厚生を拡大させた」と報じた。
自由市場シンクタンクのコモンウェルス財団の政策分析ディレクター、エリザベス・ステレは、TCJAが「ペンシルベニア州では非常に必要とされていた」と述べ、「連邦減税がペンシルベニア州で1万3000の雇用創出を助けたと推定している」と指摘した。
影響はすでに州全体で感じられつつある。先月、ペンシルベニア州の失業率はこれまで記録された中で最低レベルにまで減少した。
TCJAの経済効果――雇用創出や賃上げといった――を考慮すると、平均的なペンシルベニア州民は今後10年の手取り収入の合計が推定で20,094ドル増加する。平均的な4人家族の受ける恩恵は35,009ドルにまで達するだろう。
大「強盗」?「腹にパンチ」?民主党が読んだのは間違った税制改革法案だったに違いない。
あるいは彼らはひょっとすると、ペンシルベニア州の公共事業委員会がトランプ大統領の減税を受けて、「州の電気、ガス、水道事業の大部分に3億2000万ドル分の値下げ」を命令したことに気づかなかったのかもしれない。
電気事業に対しては2億1000万ドル、天然ガス事業に対しては6,600万ドル、上下水道事業に対しては4800万ドルの値下げであり、減税に加えて可処分所得が大きく増えた労働者世帯にとってその全てが非常に有益なものだ。
減税・雇用法は中産階級をペテンに掛けてはいなかった。このペンシルベニア州で分かるように、ひどい景気後退の後で労働者世帯に待ち望んでいた減税をもたらし、国全体が過去2年にわたって経験してきた経済再生の基盤を作り上げた。
民主党が事実をどれほど熱心に捻じ曲げようとしても、トランプ大統領の減税法の結果、ペンシルベニア州民の懐にはより多くのお金が残るようになった。――2020年の投票に向かう時それを忘れることはないだろう。
デイビッド・アーバンはCNNコメンテーターであり、American Continental Groupの代表者である。ペンシルベニア州の2016年トランプ選挙陣営で上級アドバイザーを務めた。