<引用元:デイリー・シグナル 2018.11.13>ジャレット・ステップマン(Jarrett Stepman)氏による論説
今年もまた、一連の破壊的な火災がカリフォルニアを襲った。
惨状に胸が痛む。「キャンプ・ファイア」(訳注:と呼ばれる山火事)は、北カリフォルニアのパラダイスの町をほぼ完全に破壊した。現在公式にカリフォルニアの史上最悪の山火事とされている。40名以上が亡くなった。
Edgewood Lane in Paradise, Calif.
(AP Photo/Noah Berger) pic.twitter.com/kJgr7Wg2OT
— Colin Campbell (@colincampbell) 2018年11月13日
Heartbreaking photos capture what Paradise looked like before and after the #CampFire ripped through the Northern California town. https://t.co/WVVuN1hyiP pic.twitter.com/vNWRtohKxU
— Brendan Weber (@BrendanNWeber) 2018年11月13日
Fire officials estimated that 80% of Paradise, population 27,000, had been obliterated by the Camp Fire https://t.co/jEM8BSgSdR
— The Wall Street Journal (@WSJ) 2018年11月13日
南カリフォルニアのウールジーとヒルでの火事と共に、この恐ろしい火災は計り知れない物的損害を負わせ、複数の町と広大な荒野を荒廃させ、また何十人もの命を奪った。こうした山火事はゴールデン・ステート(訳注:カリフォルニア)で毎年発生するようになっている。
こうした災害は、カリフォルニアのジェリー・ブラウン州知事が最近話したように、要するに「ニュー・ノーマル」というものなのだろうか?
そうとは限らない。
ドナルド・トランプ大統領はツイッターで、頻繁に繰り返される火事の原因として不十分な国土管理を非難した。
There is no reason for these massive, deadly and costly forest fires in California except that forest management is so poor. Billions of dollars are given each year, with so many lives lost, all because of gross mismanagement of the forests. Remedy now, or no more Fed payments!
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2018年11月10日
「こうした大規模で、悲惨で損害の大きいカリフォルニアの森林火災は、森林管理が非常に杜撰だという以外に理由はない。毎年多額の費用が与えられ、多くの命が失われているが、全て総合的森林管理の不行き届きのためだ。すぐに改善せよ。さもないと政府からこれ以上支出しない!」(トランプ大統領のツイート)
トランプが求めているような国土管理は余りにも費用が掛かり過ぎるとか、単に不可能だという反論も出ている。他にも、問題は地球温暖化であって、トランプが自身の政策方針によって問題を悪化させていると主張する意見も多い。
昨年私が書いたように、気候変動によっては、近年経験している大規模火災増加について説明がつかない。リーズン財団の2015年の調査報告書ではこう指摘している。
「気候変動が火災の規模を拡大する一因となった可能性はあるものの、主要な原因は森林管理活動だと思われ、それらの活動は過去200年にわたって数回変更されてきたものだ」
火災の合計回数は安定しており、減少すらしている。最近で変化があったのは、広範な破壊を引き起こす大規模な猛火の増加だ。
山火事の増加と、1970年代以降に行われた国土管理政策の変更との関連性は、見逃しがたい。
トム・マクリントック議員(共和党、カリフォルニア)によると、国家環境政策法や絶滅危惧種保護法のような法律によって、「際限なく時間がかかり多大な費用がかかる制約と条件がもたらされ、森林を科学的に管理することが事実上不可能になった」という。
こうした法律によって、また他の同様な法律もそうだが、原野が人々と財産に対する危機となるのを効果的に防いでいた、森林の間伐と野焼きの量が劇的に削減された。
ウォールストリート・ジャーナルは次のように書いている。
「地主にとっての問題は、枯れ木の処分だ。材木に使用できない部分の木を燃やすバイオマス設備の数十カ所が、排ガス規制と補助金を受けた再生可能エネルギーや安い天然ガスのせいで廃業した」ウォールストリート・ジャーナルは、環境保護主義者がこうした法律を支持する一方、「火事による破壊のせいで森林伐採の規制よりはるかに多くの種が危険にさらされている」と指摘している。
(中略)
すさまじい量の森林がカリフォルニアの広大な領域を、ただ点火を待つだけのほくちにしてしまった。
アメリカ合衆国農務省林野部によると、カリフォルニア全土で890万エーカーの領域にまたがって、推定1億2900万本の枯れ木があり、その事実をリベラルのVoxでさえ重大な関心事として注目した。しかもこれには、最近のほとんどの火事の主要な引き金となっていた低木や雑木林は入っていない。
カリフォルニアと他の州の人口が増加する中で新たな課題が持ち上がっているとはいえ、アメリカ人が1世紀前にやっていた、またアメリカ先住民が何世紀も前にやっていたほどの国土管理ができていないと言われても弁解の余地はない。
西部での災害を改善するアイディアはたくさんある。極端で結果的に見当違いな規制を廃止することから、国土管理を連邦政府から州や地方自治体に移譲することや、個人の管理する貸し切りの森林をもっと作るといった、もっと起業家精神にあふれた解決策に至るまで。
全ての火事を防ぐことは不可能であり望ましいことでもないが、最悪の事態が全くコントロール不能に陥るのを防ぐために、対策を講じるという仕事をもっと上手にこなすことはできる。
どんなことを変えても一夜にしてこの長期にわたる問題を解決することはできないが、西部でますます大規模で破壊的になっている火事は、ニュー・ノーマルとなる必要はない。
それを指摘したトランプは正しいかった。