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シリア考察:介入の正当化はなされていなかった(オピニオン)

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<引用元:ナショナル・レビュー 2018.12.23アンドリュー・C・マッカーシー氏による論説

週末のコラムでシリアについて書いた。トランプ大統領が撤退しようとしているため、またこれが、国防長官を辞任したジム・マティス大将の限度を超えたものであったとみられるために、ひどく荒れている話題だ。

ツイッターでこれについて議論してきたところ、いつもは私が同意している人たちと反対意見であることが分かった。それは無理もないことで、というのも、いつもはこうした問題について足並みをそろえているというのに、私のコラムでは、デイビッド・フレンチと意見の相違があっためだ。

また当然のこととして私は、トランプ大統領が衝動的に撤退を決めたことで非難を受けていることには非常に共感する。これについては話すことがたくさんある。コラムで述べたように、大統領がトルコのイスラム教独裁者、レジェップ・タイイップ・エルドアンの脅しに応えて撤退を決めたのであれば、特に恥ずべきことだ。私はシリアでの介入に反対であり、それは(詳しくは後述するが)こうした状況下で、クルド人と組んで火遊びをすることだと考えていたといっても、大統領はクルド人がエルドアンのひどい扱いを受けるままにするよりも、彼らを守るために武力行使権限(AUMF)を追及した方が良いと思う。我々はシリアにいるべきではないと思うが、我々と共に血を流す人々が手荒に扱われないよう、ましてや全滅させられないようにすると世界に示すためには、それを支持する。

その件について、この体制の中では、大統領がAUMFや宣戦布告を求めることができる唯一の存在ではないことを指摘しておきたい。これは憲法では議会で与えられる権限だ。

時々違う場合うもあるが、私はリンジー・グラム、マルコ・ルビオ、またトム・コットンといった上院議員は好きだ。大統領の無分別に不満を漏らしている他の人たちも。だが、彼らがやっている皮肉なゲームには反対だ。彼らは、自分たちのメディアに対するお高くとまったいつものやり方が、憲法の与える選択肢ではないことを良く知っている。彼らは、自分たちがシリアでの敵だと考える者なら誰でも、それに対する戦闘行為を正当化するためのAUMFをいつでも提案できた。それはクルド人に反撃する者たちだけではなく、彼らが地政学的な敵だと(しかも強い説得力を持って)言い続けている者たちのことだ。つまり、アサド政権、イラン、ロシアのことだ。彼らは今でもやろうとすればできるだろう。彼らが正しいのであれば、トランプが全く間違っていると示すには最適な方法となるだろう。

だがもちろん、彼らはそれをやらない。彼らが今の時点までやらなかったのは、今のシリアでのこういう敵に対する戦争に、アメリカ人が広く反対していることを知っているからだ。もし彼らが、国民の代表から宣戦布告と同等の承認を得ることができていたなら、シリア遠征は国民の支持を受けていたということになる。実際上戦争するために、民主共和国ではそれが必要だ。この不可欠な手順を抜かして、彼らは国民が最初からシリアへの派兵を望んでいなかったことを認めるよりも、トランプが事態を台無しにしていることに不満を表すほうが楽だと感じるのも当然だ。

このことに私は全く苛立っているのだ。友人たちが今感じている怒りは理解しているが、私の感じた、またこの干渉が議会の承認なしに始まったという事実について感じる怒りを、彼らが感じない理由は理解できない。我々の多くが、干渉は違法であるだけでなく無謀だと主張した。つまり我々は火薬庫に突入しようとしていたのであり、そこでは単に(17年前にアルカイーダに適用されたAUMFではほとんどカバーできない可能性のある)ISISとの戦闘だけでなく、―(今のところ)最小限の規模に留まってはいるものの実際起きたように―ロシア、イラン、シリアとの戦闘となる公算が高かった。

遥かに重大な戦争のリスクは明白だ。そういうリスクについて検討する場合、それが議会の承認を求める時だ。それは、憲法上必要とされることであるだけではなく、アメリカ人の命を費やすだけの価値がある国益を守っているのだと、国民を納得させる唯一の方法だ。

シリア強硬派がそうしたくないのは、その答えを知っているからだ。彼らは、殺し合いに夢中になっている二手のアメリカの敵の間に入ることが、たった1人のアメリカ人の命や1銭のアメリカのお金に見合う価値があると、国民を説得しようとしなかった。ワシントンが、この戦いに「穏健な」同盟がいると主張しているからといって、「穏健派」とされる人たちに、アサド、イラン、ロシアと戦うためにアルカイーダと協力することに甘んじている、ムスリム同胞団や他の反西側イスラム派閥がたくさん含まれていることを、こうしたことに従う人たちが知らないということではない。

2004年の選挙以前から、シャリア・民主主義プロジェクトに公然と異を唱えてきた者として、我々は、私が数え切れないほど警告してきた袋小路に達したと言わざるを得ないと感じる。アメリカ人は、国家安全保障が必要とするのだと納得すれば、戦争を支持するだろう。だが国民に国家安全保障が問題なのだと伝えても、実際は、売り込まれているものを欲していない社会で、大規模なソーシャル・エンジニアリングの実験を実施しているのだと分かったら、我が国の安全保障が危機に瀕していると話しても、彼らは信じなくなるだろう。ワシントンは「イスラム教は平和の宗教だ」という合言葉で、国民を疲弊させてきた。国民は、こうした問題についてもう政府を信用していないので、今自分たちの安全が実際に必要としている、軍事・情報作戦を支持することにためらいがある。これはドナルド・トランプの失敗ではない。実のところ彼が選ばれたのは、1つには避けがたい反動でもあったのだ。

シリア介入に対する国民の賛成が得られておらず、また恐らく得られる可能性がないために、シリア強硬派はその手続きを抜かすことに決めた。彼らは介入のためにちょうど(今も破滅的状況が続いている)リビアでやったように、オバマ大統領に頼った。彼らは―国の信頼性がそれを要求するのだが―「オバマはレッドライン(軍事解決へと移るその一線)を守らなければならない」と主張した。大統領がレッドラインについて長々と演説することが、アメリカの重要な国益が全く危機に瀕していない中、血まみれの混乱に真っ逆さまに飛び込む前に、議会の承認と国民の支持を得ることの代替となるかのように、だ。

それからクルド人のことだ。私の友人たちが、彼らを見放すのは恥ずべきことだと怒っていることは知っている。上のことを書きながら、私も苦悩している。だがなぜ我々はこの立場にあるのだろうか?この紛争に関与することを求めた議会の活動家が承認を求めていたら、次ような派閥とベッドを共にしたいかどうか国民的に議論できただろう。(a)その勢力を支えているのは、トルコでの大量殺人攻撃を行ったため我が国の法律ではテロ組織に指定されるマルクス主義のPKK(クルディスタン労働者党)であり、(b)表向きは我々のNATO同盟国であるトルコに、長い間敵対的な領土的野心を抱いている。はっきりさせておくが、以下のような状況を私は何よりもうれしく思う。(1)イスラム政権トルコと同盟関係にあるべきでない。(2)PKKはアメリカにとって脅威ではなく我が国のテロリスト・リストに載せるべきでない。また、(3)PKKは悪いものだと考えたとしても、重大な国益が必要としているのでクルド人と協調すべきだ。だが誰もこうしたことを論証しようとしてこなかった。

シリアに留まるべきだと立証する重荷は自分たちが担ってきた―そう我々がみなすことを期待して、トランプを執拗に非難する人たちは、私にとっては厚かましく思える。まるでトランプが、我々全員が戦うべきだと同意した、その大義を損なっているかのように振る舞うのは、厚かましく思える。シリアへの介入が検討されていた当時、私はオバマは承認なしに介入すべきではないと主張した。その後私は、トランプが承認なくシリアを爆撃するのは間違っていると主張した(それは、トランプも、大統領候補となると噂されていた時にオバマに対して主張したことだ)。なぜ私が今トランプに激怒すべきであって、確実に議会を通じて、国民不在とならないようにできないまま、この混乱に突入したことにはなぜ激怒すべきでないかを、誰かに説明してもらう必要がある。

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