記事翻訳

米国・メキシコ・カナダ協定 は「毒薬」条項で中国を標的

投稿日:2018年10月7日

<引用元:ワシントン・エグザミナー 2018.10.7

トランプ政権は中国との貿易戦争で新たな道具を見出した。つまり、最近結ばれた米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)のようなものを利用して、中国が貿易相手国と独自の協定を結ぶことから締め出そうというものだ。

USMCA協定の最後の最後に、「例外と総則」の下に隠されていたのは、「非市場経済国FTA」と名付けられた条項だ。それによって、3つの加盟国のいずれかが、「少なくとも1カ国がその貿易救済法を目的として非市場経済であると定めた」国と取引を行ったならば、協定は事実上無効化される。例えば中国のような国と、だ。

言い換えれば、米国は、メキシコとカナダが中国といかなる貿易協定を締結することも未然に防止したということだ。彼らがそうした場合、ホワイトハウスはUSMCAを2つの別々の2国間協定に分割することができる。それはトランプ大統領がずっと自身の優先する政策だと話していたものだ。

ウィルバー・ロス商務長官は5日ロイターに、「合理的なことだ。毒薬条項(ポイズンピル)のようなものだ」と話した。

通商政策専門家はこのようなものを、政策の概念としてさえ、今まで見たことがないと述べている。ピーターソン国際経済研究所の客員上級研究員であるゲイリー・ハフバウアー氏は、「これは全く今までにない貿易協定だ」と話し、それを「政権が中国に対抗して着手した取り組みの一環で最新のもの」と呼んだ。

それは紛れもなく中国に向けられている。非市場経済国という言葉は、米国の反ダンピング法で中国を指すものとして使用されている。

「カナダとメキシコのどちらとも差し迫った協定はなかったが、いっているのはそういうことだ」と、ジョージ・メイソン大学マーケイタス・センターの貿易移民政策部長である、ダン・グリスウォルド氏は語った。同氏は、トランプ大統領が中国との貿易提携を妨げるための影響力として、カナダとメキシコが米国との関係を維持する必要性を利用したのだと述べた。

グリスウォード氏は次のように続けた。
「こうした条項が平均的米国人消費者にとってどれだけ利益となるか予測するのは難しいが、中国が国内政策を改革するほど他の国が十分な圧力を与えられるなら、おそらくこのような合意は米国の利益となる可能性がある」

政権は現在、例えば日本のような、中国とのビジネスを行う国との今後見込まれる貿易協定にも、同様の言葉を加えようとすることが見込まれる。ワシントンの保守系シンクタンクであるハドソン研究所で3日に行われた演説で、マイク・ペンス副大統領はこう話した。
「自由で開かれたインド・太平洋のビジョンを推進するため、我々は、インドからサモアに至るまでの地域全体で、我々の価値観を共有する国と新しくより強固な結束を築こうとしている」

策略が成功すれば、トランプ政権がすでに課している関税を中国が回避する能力を挫くことになるだろう

(以下略。英文記事の全文はこちら

-記事翻訳
-, , , ,

関連記事

研究論文=トランプの貿易戦争の大部分は中国が負担

<引用元:Bloomberg 2018.11.19> ドナルド・トランプ大統領は、自身の貿易戦争の費用の大部分を中国に支払わせることに成功しつつある。 それが、欧州連合の研究者ネットワークであるイーコ …

国連での中国の影響力に対抗しようと努めるトランプ政権

<引用元:ワシントン・フリービーコン 2020.9.26> トランプ政権は、中国が国連での影響力を利用して反米国の方策を推し進めようとしてきたため、国際機関で主要機関に対する中国の支配を引き離そうとす …

トランプ「すばらしい」経済回復を強調、コロナ後中国との関係を再考

<引用元:FOXビジネス 2020.6.12> トランプ大統領、FOXニュース独占インタビュー トランプ大統領はコロナウイルス・パンデミックからの「すばらしい」景気回復を予測している。 トランプはFO …

イラン、ロシア、中国が共同軍事演習で「世界に向けたメッセージ」

<引用元:ワシントン・フリービーコン 2019.11.27> イラン、中国、ロシアは数週間後に初の共同軍事演習を行う。指導者はそのならず者国家間での軍事協力の増大に関して「世界にメッセージ」を送るもの …

国防総省初のソフトウェア責任者が辞任、米国はすでにサイバーで中国に敗北:「既成事実」と語る

<引用元:Daily Wire 2021.10.12> 国防総省のソフトウェア責任者・ニコラス・シャランは、米国が今後20年以内にサイバー上で「中国と張り合える見込みはない」と考えている。

アーカイブ

@JpWelovetrump