<引用元:タウンホール 2018.6.5>ウェイン・アリン・ルート氏による論説
ウィニングランの時だ。偉大なモハメド・アリが言ったように、「裏付けできるなら鼻に掛けているということにはならない」。
ドナルド・J・トランプが大統領に立候補すると宣言したまさにその日(3年近く前)から、私は彼がオバマの悲惨な経済を改善し、ロナルド・レーガン以来で最高の好景気をもたらすだろうと予測してきた。
私はトランプのこの経済再建に、実に「トランプ・ミラクル」という人目を引く名前を付けた。
紙面をはじめ全国放送のラジオ・テレビの私の番組でも、幾度となくトランプをロナルド・レーガンと比較してきた。驚かないで欲しいのだが、トランプはこの時代のレーガンだ。
実のところ、トランプはレーガンよりも優れているかもしれない。
レーガンは高賃金の中間層の雇用を数多く創出し、前例のない繁栄と世界の歴史上最高の経済拡大を生み出した。トランプはレーガンの経済的成功を上回る方向へと向かっている。
5月の雇用報告から始めてみよう。米国の雇用の伸びは急激に加速した。非農業の給与所得者は22万3千人増加し、予想を33,000人の差で打ち破った。
製造業では18,000の雇用が増えた。建設業では25,000の増加。鉱業では約6,000の増加だった。
失業率は現在3.8パーセントであり、1969年の11月以来最低だ。そう、1969年だ。
賃金は1年で2.7パーセント上昇している。 幸せの日よ再び(Happy Days are here again)。オバマの下での8年では、わずかでも賃金が上がるという話は噂話で終わった。
だが待ってくれ。本当に良いニュースはまだこれからだ!
フルタイムの雇用数は5月の1カ月で90万4千人増加した。月間の増加数としては今世紀で最大だ。
また質の低い低賃金のパートタイム雇用は62万5千人減った。私はこれを「オバマ雇用」と呼んでいる。いい厄介払いだ。
オバマが雇用を創出しているとリベラル派が称賛している時、私はこう指摘した。圧倒的多数が質が悪く低賃金のパートタイムの雇用であることを示していたのは、オバマ自身の元経済担当アドバイザーだったと。
トランプ・ミラクルはオバマと正反対のものを生み出している。トランプの経済では、フルタイムの高賃金の雇用が全てなのだ。
だが待ってくれ。良いニュースはまだある。
*経済が成長していてもそうでなくても、GDP(国内総生産)は唯一の本当の評価方法である。政府は第2四半期のGDPが4.8パーセントという猛烈な数字になると予想したところだ。
その数字はレーガン時代以来なかったものだ。
*米国は世界競争力指数で世界ナンバーワンに返り咲いた。トランプ大統領の大規模な減税と規制撤廃のおかげで、我々は現在シンガポール、香港、スイスのような好景気の寸前にある。
これもまた信じられないような統計だ。
*先月、35パーセントという記録的な割合の中小企業で、支払われた給与が上がったという報告があった。雇用主の74パーセントが時給11ドル以上を支払うことを計画しているが、1年前は53パーセントだった。中小企業はトランプの下で急激に伸びている。
なぜこのようなことが起こっているのだろうか?第1にトランプが劇的な減税を行ったので、事業主は富を分配できるだけの余裕ができている。
第2に、トランプが歴代のどの大統領と比べても最速のペースで規制を撤廃しているので、事業主は弁護士費用の代わりに、より高い賃金を支払うことにお金を費やすことができる。
そして3番目に大きな原因がある。つまりトランプの厳しい移民政策が「時間外で」働いているということだ。E-Verify(訳注:雇用主が従業員の米国での就労資格を確認するためのウェブサービス)を使用して正当な米国市民だけを雇用するようにしている雇用主は40パーセントとなっており、昨年の25パーセントから増加している。トランプの政策は米国市民のために経済を過熱させている。不法移民のためではない。
少し個人的な例を挙げることにする。私は経済の第一線にある。決して安定した仕事ではなく、安定した給与ではなく、年金もない。私は小さなビジネスマンであり起業家だ。24時間無休で取引を仕掛け頑張ることに人生を費やしている。私は格好の実験室であり、経済がうまくいっているのか否かを伝えることができる。
オバマの下で多くの取引を仕掛けたが、8年もの間で1ドルも調達できなかった。無し。無得点。Nada(無し=スペイン語)。ゼロ。私のような起業家にとってオバマの下では命も、脈も、希望もなかった。
トランプの下で全てが変わった。お金の世界が開けた。誰もが再び買うようになっている。誰もが再び小切手を切るようになっている。私が生きた証拠だ。ビジネス取引のための資金が集まっており、投資のためにドアを叩くグループがいくつもある。投資家は私に自分たちの小切手を受け取ってくれと懇願している。オバマの下で8年もの長い間起こらなかったことだ。偶然なのか?
トランプ大統領の下で新しい時代になった。再び自由にお金儲けできる。罪悪感なしに自由に資本主義を実践できる。太陽は出ている。空は青い。どのつぼにも仕事が入っている。トランプ・ミラクルは効いているのだ。
ドナルド・J・トランプ大統領は、楽々と2018年のノーベル経済学賞の受賞者になれるはずだ。
だから言ったではないか。
<ウェイン・アリン・ルート(Wayne Allyn Root)について>:「資本主義伝道者」「保守派の戦士」として知られる保守派のテレビ・ラジオ全国放送の司会者。CEO、事業主でもあり、講演や保守系メディアのコメンテータを務めると共に執筆活動を行う。主な著作は “Angry White Male” “Murder of the Middle Class” “The Ultimate Obama Survival Guide” “The Power of RELENTLESS!”。
<フラッシュバック:あの時オバマが放った言葉>
2016年の米大統領選挙の最中、オバマ大統領は、トランプの雇用問題への取り組みに対して、「どんな魔法のつえをもっているというのか?」と揶揄していた。上のコラムを読んで思い出される。
水曜日(6/1)に放送されたPBSタウンホールの中で、オバマは製造業についての話をしている時、トランプが米国に雇用を取り戻すことを公約に掲げていることについて言及した。
「それであなたは一体どうやってそれをやろうというのか?いったい何をやろうというのか?それに対する答えはない。彼はただこう言っているだけだ。『もっといい取引の交渉をするつもりだ』と。では一体どうやってその交渉をするともりなのか?どんな魔法のつえを持っているというのか?答えは決まっている。答えなど持っていないということだ。」
The Hill : “Obama to Trump: ‘What magic wand do you have?'”