<引用元:ホワイトハウス 2018.4.5>
ドナルド・J・トランプ大統領が1月に初の一般教書演説を行った際、多くの重要なゲストを米国民に紹介した。これらのゲストのほとんどが公職者や高官ではなかった。多くは普通の米国人であり、その中には、この国が子供たちの安全を守ってこなかったせいで胸の痛むような経験をした人たちもいた。
ゲストの中の4人 — エブリン・ロドリゲス、フレディ・クエバス、エリザベス・アルバラード、ロバート・ミケンズ — は、ロングアイランドの十代の少女2人の親だった。2016年9月のある夜、子供たちはどちらも帰宅することはなかった。友達同士だったケイラ・クエバスとニーザ・ミケンズは、地元の町を一緒に歩いている際に襲われて殺害された。
トランプ大統領はこう話した。「凶悪なMS-13のギャングメンバー6人が、ケイラとニーザの殺害の罪で起訴されました」「このようなギャングメンバーの多くは、紛れもなく法の抜け穴を利用して、保護者のいない未成年の外国人として入国しました。そしてケイラとニーザの高校に行き着いたのです。」
現在の法律では、保護者のいない外国人の子供(UAC)が違法に国境を越えて逮捕された場合も、米国内で逮捕された場合も、保護者がいないと判断されてから72時間以内に、保健福祉省(HHS)の第三国定住事務所(ORR)に身柄を引き渡さなければならない。HHSによると2017年9月1日以来、1万3千人のUACがORRによって国内で釈放されている。
ORRは通常これらの未成年者を、米国で生活している家族または他の身元引受人であると名乗り出た人物に釈放して引き渡す。いったん釈放されると、ごく少数の例外はあるものの、UACたちは一般的に国内に留まる。
HHSの最新の報告書では、UACのほとんどが十代後半(16-17歳)でホンジュラス、グアテマラ、エルサルバドルの出身だとされている。その中には米国に潜入するために米国の移民制度を利用するMS-13のギャングメンバーがいるが、ギャングメンバーでないUACもMS-13から危害を受ける危険性がある。UACを釈放して、不安定な生活状況 ― MS-13のような暴力的な犯罪を犯すギャングが相当数存在する地域であることが多い ― にある身元引受人に託すことは、このような十代の若者がギャングの仲間に引き入られ、またその暴力の標的となることにつながる。
このような破綻した制度は危険だ。保護者のいない外国人の子供は、犯罪組織によって米国に密入国することが多い。多くの場合こういった密入国あっせん業者は、UACの家族や身元引受人から代金を受け取っており、その多くは自らも米国に違法に滞在している。また、そのような家族がこの子供たちの保護に適合しているかどうか、吟味が不十分であることが余りにも多い。
実際問題として、こういった密入国の企ては、基本的にその最後の行程を達成するために連邦の資源を利用しており、それはこの危険なパターンをさらに増長することにしかなっていない。
密入国の危機だけでなく、UACは入国管理局の聴取に出頭しないことが非常に多いため、未解決のまま入国管理法廷に山積みにされる問題が非常に増大している。2015年度から2017年度までのUACに対する退去命令全体の3分の2は、UACが入国管理法廷の聴取に出頭しないことに起因していた。これらのUACとその保護者は単に連邦を無視しているだけだ。
暴力によって引き裂かれたコミュニティに属する米国市民を含めて、すべての関係者の安全のために、議会は法と秩序を回復するために行動しなければならない。これらの行為は、法律を覆そうとする試みがある状況でさえ、米国移民税関執行局が世帯を拘留する権限に対して裁判官が課した、不合理な制約のせいで継続している。その問題を解決するには連邦法の変更が不可欠だ。
トランプ政権は、2008年の人身取引被害者保護再授権法に対する修正を議会に繰り返し要求してきた。密入国あっせん業者とその他の犯罪者がこの法律を悪用している。真に人身売買の被害者となっているUACのための特別な保護を提供すると共に、そうでないUACを米国当局が即座に、また安全に送還できるように法律を更新しなければならない。
議会が移民法を強化し、密入国あっせん業者を助長する抜け穴をふさぎ、全国民の安全性を向上させ、自らが代表すると称しているコミュニティに奉仕すべき時は、とっくに過ぎているのだ。