<引用元:デイリー・シグナル 2019.9.24>ジェームズ・カラファノ氏による解説
ドナルド・トランプ大統領が賛成するとリベラルの反トランプ派はそれに反対する。
その分かり切ったことが最も当てはまるのが、国境の安全化と移民法の執行に関しての話だ。
議会では、国境安全化のための拠出と有効な法律の実行に対する伝統的超党派の支持が壊れてしまっている。トランプが不法移民の取り締まりの重要性を強く協調すればするほど、反対者は――国境の壁のための予算なし、移民税関捜査局の解体、送還の終了、職場での執行廃止といった、真逆の主張を強める。
それでも、たとえ反対者が反トランプの立場を強めても、現実にはすでに敗北している。
これまでその特徴的な抵抗活動は国境安全化のための拠出に反対してきた。12月21日には、一つには大統領に対する政治的反対者が米・メキシコ国境の壁に予算を充てることを拒否したことをめぐって、議会は米国史上で最も長い政府閉鎖を開始した。
トランプは降参するどころか、米・メキシコ国境沿いの壁を修理・拡張するために、他の歳出予算を割り振り直すという物議をかもす方策を取った。
裁判でトランプを阻止しようという取り組みは失敗した。結果として政権は今、2020年の終わりまでに最新式の国境の壁450マイル分を敷設するための計画、資金、資源、契約、土地を確保している。
大統領の反対者が好むと好まざるにかかわらず、壁は現実になろうとしている。
また壁は影響を与えるだろう。完成すれば、国境で最も移民の通過が多いルートがカバーされ、不法な越境ははるかに困難になる。
実のところ障害物はすでに結果を生んでいる。
「ここ数カ月国境警備隊による逮捕者はかなり減少しており、一つには不法移民を阻止し思いとどまらせようというトランプ政権の取り組みのおかげだ」と、ヘリテージ財団国土安全専門家のデイビッド・インセラは書いている。
さらに壁を建設することに加えて、政権は不法移民防止と抑止のために他の措置を相次いで採用してきた。
例えば国土安全保障省は、不法移民が米国に入る前にメキシコでの申請の裁定を要求することにより、難民申請の乱用を抑制しようとしてきた。
最近政府は不法に国境を越えて難民申請をした5,000人の人たちをメキシコに送り返し、要求の処理を待つようにさせた。5,000人の中で2人――そう、たった2人だ――がそれに値すると決定された。
大部分は本当の難民ではなく、バスに乗って母国に帰ることを受け入れるか、単に自主的に去り、わざわざ申請が処理されるのを待つこともなかった。
能力のない主張、抜け穴、乱用を取り締まることで、議会の協力がなくても、政権は米国が真剣であるという強いメッセージを送っている。
大統領は裁判でも勝利しており、注目を集める訴訟で政権の側に転換することが増えている。
例えば最近、ある最高裁判所の判決はトランプ政権が全国でほとんどの中米移民が難民の資格を求めることを妨げる制限を課すことを認めた。
わずか数カ月前、米国に今年100万人の不法移民が入国するという予測だった。その予測はすでに半減している。その上政権は不法移民の送還に踏み切ると約束している。
1ラウンド目はトランプの勝ちだ。
(略)
だがトランプのこれまでの勝利は1ラウンドに過ぎない。インセラが結論付けているように、「左派の比較的冷静な人たちが、不法移民は止めるべきだと同意できるまでは、不完全な解決策でも何もないよりはましだ」。
それでも彼は「はるかに良い解決策は、もっと永続的で計画的な方法でこうした抜け穴をふさぐ法律を制定することだ」と続けている。
そのために、政権は永続的な修正を整備するための法案を仕上げた。リベラルが下院を支配しているために法案は成立しない。だが選択の時は近づいている。
米国人は次のラウンドをトランプと新しい議会に勝たせたいのか――それとも別の道に進み開かれた国境を受け入れたいのか決断しなければならないだろう。
安全保障と外交政策課題の第一人者であるジェームズ・ジェイ・カラファノは、ヘリテージ財団外交防衛政策研究所の副所長