不思議なことに反トランプ派の不正が暴かれると、それに対抗するかのように報道が持ち上がる。ケンブリッジ・アナリティカの問題も例外でないように思えてならない。
ケンブリッジ・アナリティカはSCLグループと呼ばれる英国の企業が所有する — 報道によると右翼投資家のマーサー家も一部を所有しているという — 怪しげな会社だ。同社は6つの主要な性格タイプを使用して説得が可能な有権者を特定するモデルを構築できると主張していた。ヒラリー・クリントン氏が自由に使うことのできた大量のデータを考慮すると、データ量が多ければそれだけ説得できることにつながるという考えは疑わしいものだ。それはさておき、ケンブリッジ・アナリティカの有効性は疑わしいものであり、そのビジネス手法も同様だ。他でも指摘されているが、共和党議員は、ほとんどがこの会社を使用して、マーサー家の小切手帳の恩恵に預かっていたのだ。
さらに、ケンブリッジ・アナリティカの話に、ダブルスタンダードの問題もあるということは極めて明白だ。左派がここ数日堅持している立場というのは、彼らが勢力を保つために使用したメカニズムが、自動的に不埒で非民主的なものに変化を遂げているという話だ。野党側もそれを使っていたというのに。
例えば、「侵害」という言葉を毎回使うことで、記者たちは通常は禁止されている有権者のデータが盗まれたと示唆しようとしている。ケンブリッジ・アナリティカはそのプロファイルデータを取得することが認められていた。フェイスブックは2015年になって初めてそのポリシーを変更。だがトランプ氏の選挙陣営は、総選挙前にケンブリッジ・アナリティカとの契約を解除していた。報道によると、RNC(共和党全国委員会)のデータはその「サイコグラフィック(心理学的属性)」情報を全く使用していないとされている。CBSニュースによると、2016年の9月に「RNCのデータをテストしたところ、それがはるかに正確だということを認めた」とされている。
しかしながら、実際はそうしなかったとしても、彼らが取り組んでいたなら、民主党のために利用された時には革命的なものだと布告されていたものと似通ったものとなっただろう。事実、フェイスブックは、オバマ氏の選挙陣営が同じやり方でデータを収集するのを許していた。その手法は現在見出しを飾り、懸念を呼んでいるものと同じものだ。2012年にプライバシーのことや、自分の考えに対する操作が行われたことについて憤慨や恐怖を少しでも感じた覚えがあるだろうか?どう見ても、巨大なソーシャルメディア企業がある政党に対して、別の政党には禁止していることをやらせていたということに、激しい怒りがあってしかるべきだろう。
(引用元:National Review 2018.3.19 “The Social-Media Panic” )(抜粋)
フェイスブックは、オバマの選挙運動で遥かに大量のデータ収集があったことにどう対処しただろうか?ニューヨーク・タイムズはそれを特集記事で報道し、オバマがデジタルデータを陰で操ったことを称賛していた。
選挙陣営が徹底的にフェイスブックを使用したことが要因で、現場内部の保護ができた。「技術者が計画していなかった、また知らなかった警告を突っ切ったようなものだった」と言うのは(ウィル)セント・クレア氏だ。彼はシカゴの小さな会社で働いていたが、友人の勧めで選挙陣営に加わった。「彼らはため息をついて、『これは11月7日でやめさえするならやっても良いだろう』と言っていた」
言い換えれば、シリコンバレーは自分たちが従うようにルールを作っているだけだ。相当大規模なデータ収集と大衆操作も、選挙まではオーケーだ。今になって考えてみると、オーケーでなくなっているものが出てきている。オバマが勝つ限りは、ため息交じりにオーケーだと言うのだ。クリントンが負ければ、事実上それは違反だと言う。