3月14日、全米各地の学校で銃規制の強化を求める抗議活動が行われた。しかし、中には参加を強制されたという声もあり、多くの報道ではデモに参加していない人たちの声を拾い上げていないようだ。
FOX40の記事によれば、カリフォルニア州ウィートランドの高校では、抗議活動に出るよう強制された生徒がいるという。生徒の話では、ある生徒が授業ボイコット抗議への参加を見合わせたいと申し出たところ、教師はそれを認めなかった。
抗議活動は、フロリダ州のパークランドの学校銃撃事件の生存者の生徒が計画し、全米に広まった。その意図は、米国の銃規制法改革を支持することで犠牲者を悼むというものだった。
強制されたと主張するコルビー・プリンス君はインタビューに答えて次のように話した。
「僕は(亡くなった)子供を哀悼したいという思いと、銃の権利に抗議したくないという思いの板挟みになりました。それは(僕が)銃の支持派だからです」
FOX40の取材によると、同じ学校でも選択の自由が与えられていたクラスもあったようだ。コルビー君の姉のクラスでは、講義に参加したのは150名ほどで、約600名は残っていたという。
米国の掲示板サイト、Redditにも同様の話や参加を拒否したという教師の話などが投稿されており、各地で困惑があったようだ。中には参加を強制されたことに対するささやかな抗議として、ビル・クリントン氏に対する非難と揶揄の込められたTシャツを着て行ったという写真もあるが、真偽は不明だ。
また、デイリー・シグナルには根本的に異なるアプローチを取った生徒たちの話が紹介されている。
ユタ州サラトガ・スプリングズのウェストレーク高校では、一斉抗議活動が計画されていた前日、生徒にWalk out(デモへの参加)ではなくWalk up(歩み寄り)を勧める通知を発表した。つまり、昼食を独りで取っている生徒がいれば歩み寄って仲間に誘ったり、クラスで騒ぎを起こす生徒に寄り添って声をかけることを求めたのだった。
デイリー・シグナルのインタビューに答えた同高校の生徒、アレッサ・ラブさんは、次のように話したという。
「メディアは怒りや心の痛み、また社会での若者の荒廃にばかり焦点を当てがちだと感じます。」
「いたわりと優しさを示して、生徒が孤独に感じたり、不安に感じたり、傷ついたりしないように手助けしてあげれば良いと思います。そうすれば、暴力行為が起こる前に実際に食い止められるかもしれないからです」
暴力を防ぐには、生徒同士の絆を深めることの方が効果があるのではないかとラブさんは話した。
「私は医者ではないし、政治家でもなく、ただ他の生徒を助けようとしている生徒に過ぎません。生徒を(暴力的な)考えや暴力行為から救うことができれば、犠牲者になることをもっと減らすことができると思うのです。ですからそのような友達になることとそのような人になることがいつも大切だと感じます」