オバマ前大統領が、ヒラリー・クリントン氏のメール事件に関する当局の捜査情報を報告させていた可能性が浮上した。新事実は、米上院の国土安全及び政府問題委員会のロン・ジョンソン委員長が、2月7日に発表した報告書によって判明したものであり、FBI特別捜査官ピーター・ストラック氏とFBI弁護士リサ・ページ氏の交わしたメールがその証拠だ。
FOXニュースの記事から引用すると、FBIの両名が2016年9月2日にやり取りした問題の部分は以下の通りだ。
ストラック:「俺の7日の9:30の会議を確認して」
ページ:「あなたがその会議に参加する理由を教えるわ。あなたが考えていることじゃないの」
ストラック:「D(コミー)のためのTP(説明の要点)か?」
ページ:「そう。大統領は私たちのやっていることを全部知りたいの」
つまり、コミーFBI長官はFBIの捜査に関してオバマ大統領に説明することになっていたということだ。

ストラック氏とページ氏のメールのやり取り
オバマ氏は2016年4月10日のFOXニュース・サンデーのインタビューで次のように述べていたという。
「未解決の捜査について司法長官と話すことはありません。未解決の捜査についてFBI長官と話はしません。司法省やFBIが行ういかなる捜査も、政治的な影響を受けないことを保証します。この件だけではなくどんな場合もです」
FOXニュースの記事では、ストラック氏とページ氏のメールの内容だけではその会議のテーマであった「要点」が何だったのかは不明確だとしながらも、ヒラリー氏のメール事件に対するオバマ氏の関与に疑問を投げかけるものだとしている。
また、ジャーナリストのサラ・カーター氏は、コミーFBI元長官の議会証言との食い違いについて次のように指摘している。
ジョンソン議員は報告書の中で、コミー氏の議会証言について懸念を示している。コミー氏は、捜査に関して司法省やホワイトハウスに相談したことはなかったと議会で宣誓した上で証言していた。ジョンソン氏の報告書では、ページ氏とストラック氏の間のメールと真っ向から食い違っているようだと述べている。
またジョンソン氏は、ヒラリー氏のメールスキャンダルに対するオバマ前大統領の関与についても、「どのような種類と範囲の関与」であったのかについてさらなる疑問を呈するものだとしている。