<引用元:ワシントン・フリー・ビーコン 2017.8.18>
ドナルド・トランプ大統領の前首席戦略官スティーブ・バノンは、「自分たちはトランプを大統領の座に就かせるために戦って勝利したが、その地位はおしまいだ」と考えている。
バノンは18日の午後、ウィークリー・スタンダード(TWS)のインタービューに答えた。ホワイトハウスから出ることが報道された直後のことだ。バノンは、自身が政権から離れると、トランプの大統領としての地位に転機をもたらすとTWSに述べた。
「自分たちはトランプを大統領の座に就かせるために戦ったが、その地位はおしまいだ」とバノンは語った。「我々の運動はまだ非常に大きいし、このトランプ政権で成し遂げられるものもあるだろう。しかし、その大統領の地位はおしまいだ。何か違ったものになるだろう。様々な戦いが繰り広げられるだろうし、良いときも悪いときもあるだろう。しかしあの大統領の地位はもうおしまいだ」
ホワイトハウスを去るまで、バノンは大統領の腹心だった。バノンが選挙陣営に入ったのは、トランプがまだ予想外の候補であったときだ。最近バノンと大統領の仲はギクシャクしていたようだった。それが顕著になったのは、バノンが左寄りのアメリカン・プロスペクト誌のインタービューで、北朝鮮のことを含めてトランプに反する意見を表したときからのことだ。
それでもバノンは、自分とトランプがまだ共通の目標を持っており、バノンがホワイトハウスを出ることで、そのような目標を実現することがずっと困難になるだろうと考えているようだ。
「経済ナショナリズムや移民のようなことに取り組む道、トランプがいわば自由に行動できることが・・・トランプが何かを実現する能力、特に壁を建設するといったようなより大きくて広範な問題のために我々は戦ってきたが、そういったことが遥かに困難になるだろうと思う」とバノンは語った。
バノンは政権がこのように大転換したのは、「ホワイトハウス内の民主党員」と「議会の穏健派が脱獄すること」をあらかじめ警告する者のせいだと主張した。バノンは、そのような人々が自身のポピュリスト=ナショナリスト政策を損なうことを恐れていた。
「共和党のエスタブリッシュメントだ。共和党のエスタブリッシュメントは、トランプが成功することに何の関心も持っていない。ポピュリストでもナショナリストでもない。トランプの政策に何の興味も持っていない。皆無だ。オバマケアの改革にも及び腰で、インフラのことにも本当は関心が無い。税金については全く標準的な共和党的な政策を行うだろう」とバノンは述べた。
バノンは今後、共和党議員とホワイトハウス内の穏健派がトランプに影響を与えようとするだろうと予測している。
「トランプを抑え込もうとするだろうと思う」と彼は話した。「クリーンな債務上限にサインするだろう。トランプの性格として・・・今週もそれが分かったと思うが・・・トランプ本来の立場は、その支持者の立場であり、それはトランプを大統領に選んだ立場だ。今後それが大きく制約されることになるだろうと思う。もっと慣習的なものになっていくだろう」
バノンは、辞任は円満のものだったと主張し、「ブライトバートに戻りたかった」と述べた。
「8月7日にケリーと大統領と話をして、14日月曜日付で辞任することになると告げた。ずっと1年かける(注:1年で辞めるという意か?)という計画だった。ケリー大将が始めた新しいシステムは素晴らしいものだ。私もそれが最善だと伝えた。ブライトバートに戻りたかった」とバノンは話した。
バノンは、トランプ政権の未来について不安を感じながらも、ホワイトハウスを出た後のことについては前向きだ。
「高揚した気分だ」とバノンは語った。「もう自由の身だ。自分の武器を取り戻した。「野蛮人のバノン」と誰かが言ったことがある。必ず敵を打ちのめすつもりだ。疑問の余地はない」
「私はブライトバートでとんでもないマシンを作り上げた。これからそこに戻って、そのマシンをフル回転させるだろう」とバノンは語った。
バノンはホワイトハウスを出るとすぐにブライトバートに戻り、18日夕方の編集会議を開いたと報道されている。ブライトバートのトップ記事に「ポピュリストのヒーロー」の帰還が飾られている。