<引用元:ワシントン・フリービーコン 2021.6.5>
バイデン予算案で海軍の戦備を整えた11隻が削減の恐れ
ジョー・バイデン大統領の6兆ドルの予算案は、幼稚園入学前の全幼児に資金を投入して化石燃料業界に厳しい措置を取るが、海軍の武器調達と軍艦製造の予算を縮小し、中国との潜在的な対決を深刻な危険にさらす。
バイデンの予算案―メモリアルデー前に発表された―は、装備の製造や兵士の訓練といった最も必要とされる分野の一部で海軍の予算を大幅に削減する。海軍は5パーセント以上の造船削減と、4隻の先進型軍艦を含む戦闘に即応できる11隻の廃止を考慮に入れることが必要となる。
一方中国は猛烈なスピードで海軍の規模を拡大させており、現在世界で最大の海軍を大々的に触れ回っている。下院軍事委員会メンバーのマイク・ギャラガー(共和党、ウィスコンシン)は、バイデン予算は第三次世界大戦的な状況で米国を敗北の危険にさらすと述べた。
「バイデン政権が第二次世界大戦後で最高レベルの歳出となる6兆ドルの予算を提案する場合、同時にインフレを考慮した場合の防衛費削減を提案することになり、第三次世界大戦を阻止する能力が縮小される」とギャラガー議員は述べた。「侵略を抑止するために緊迫感を持って行動するというよりむしろ、政権は海軍の近代化を先送りし、海軍と海兵隊の最終兵力を削減し、米国のインド太平洋司令部が示した重要な優先事項に資金を拠出できていない。冬はやって来るのであり、準備しなければ他の誰のせいにもできなくなるだろう」
バイデン政権高官は、海軍の縮小というより拡大に支持を示していた。マーク・ミリー統合参謀本部議長は、「中国との戦争を防ぐ」ことについて「真剣であるなら」海軍の強化は必要だと述べた。元海軍大佐でテレマスグループの副代表であるヘンリー・J・ヘンドリックスは、ミリーの評価に同意し、海軍は他のどの軍よりも中国の侵略に対抗する責任が重いと述べた。
「声明の一部に基づいて、軍に対する予算の再調整があると実際に予測していたが、それは実現しなかった。中国との競争に最もさらされる軍が、人材と調達において他に比べて最も大きく削減されており、従って現在の大国の競争で最大の戦術・作戦上の危険にさらされている」とヘンドリックスは述べた。
バイデンの予算要求は、トランプ政権が展開した防衛優先順位を逆転させる。2020年10月、国防総省当局はバトルフォース2045として知られる500隻の海軍警告を明かした。公海での中国に対する優位性を保持することを意図したものだ。アメリカン・エンタープライズ・インスティテュートのジョン・フェラーリ客員研究員は、バイデン政権の案がそうしたビジョンを不可能なものにしたと述べた。
「私は海軍と(バイデン)政権が、トランプ政権末期に500隻の自律的海軍という大きな発表となったものを撤回したことに最も驚いた。それはいってみれば現実には厳しいものであり議論に欠けていた。海軍がどう前進していくのかわからない」とフェラーリは述べた。
下院軍事委員会の有力メンバーであるマイク・ロジャーズ(共和党、アラバマ)は、バイデンの予算要求は期待外れであり、歴史上の重要な時点で中国を優勢にするものだと本紙に述べた。
「私はバイデン予算が造船、武器調達、人員を削減することに非常に失望した。中国は世界で最大の海軍を支配しており、米国は後れを取り続けるままになってはならない。我々は、将来の戦場で米国が敵と戦う能力を決定する歴史上で重要な時点にある」とロジャーズ議員は述べた。
下院軍事委員会シーパワー小委員会の幹部メンバーであるロブ・ウィットマン(共和党、バージニア)下院議員は、バイデンの予算は船と兵器システムの強化という中国に対抗するために最も重要な手段を取りやめるものだと本紙に述べた。
「防衛と造船に関して、バイデン大統領の予算は政権のレトリックに沿っていない。新予算として提案された6兆ドルでも、中国がもたらす高まる脅威に対抗するのに不可欠な国家安全保障上の措置の基準を満たしていなかった。バイデン大統領のふざけた予算は即座に、中国がもたらす脅威について真剣になる必要がある」とウィットマン議員は述べた。
ホワイトハウスはコメントの要求に回答しなかった。