＜引用元：ニューヨーク・ポスト 2021.3.5＞
ドナルド・トランプ前大統領は5日、バイデン大統領は難民と不法移民についてのトランプの政策を取り消すことで、米国メキシコ国境に移民の「津波」を引き起こしていると非難した。
トランプは428語から成る非難のメールを放ち、付添人のいない未成年者のためにすでに2つの予備施設の開設が必要となった国境での移民急増の責任はバイデンにあると述べた。
「我々の国境は今、ジョー・バイデンの悲惨な指導力のおかげで完全に制御不能となっている」とトランプは書いた。
「ここに来るべきでない人たちによる大量の流入が1時間単位で起きており、分刻みで悪化している。犯罪歴を持つ者も多く、COVIDを広めている人も多い。国内執行機関は閉鎖された―我々の政権が即刻排除した犯罪者が今では町に解放されて凶悪な暴力犯罪を犯している」とトランプは語った。
「国境で渦巻く津波は地方の地域社会を圧倒し、予算を消耗させ、病院を満員にし、合法的なアメリカ人労働者から仕事を奪っている。私が退任した時点では、米国の歴史上で最も安全な国境を実現していた。バイデンの下ではすぐに悪化し、より危険になり、かつてないほどに制御不能になるだろう。バイデンは憲法を守り法を執行するという就任宣誓に違反している」
バイデンはトランプのメキシコ国境の壁建設を中止し、先月には「メキシコに留める」政策を終了し始めた。そこでは7万1,000人の中米の亡命申請者がメキシコでの判決を待っていた。米国内で判決を待つことを認められた亡命希望者はその間に労働の許可を得る場合もある。
トランプ政権が数週間で終わりを迎えバイデン政権が始まった1月、国境捜査官は2020年1月の36,679人を超える約78,000人を拘留した。2月には毎週約2,200人の付添人のいない未成年者が国境を越えた。
「私はメキシコとは素晴らしい関係を持っていたが、その全ては現在責任を負っている人々の甚だしい無能さと急進主義によって消失してしまった。メキシコに留まらせる政策は素晴らしいものだったが、バイデン政権は突然廃止した。おそらくそれが非常にうまく行っていたためだ」とトランプは語った。
「同様に中央アメリカでの安全な第三国協定は極めて成功していたので、バイデンは愚かにもそれらも捨て去った。我々は彼らに支払われていた何億ドルもの支払いを停止して優れた関係を築き、それによって我々の国と彼らの国はより安全になっていた」
トランプは、バイデン政権は「密輸業者と人身売買業者に実質的な国境の支配権を与えた」と述べ、国境の危機は悪化すると予測した。
「南部国境では今起きているようなことは、またもっと重要なこととしてこれから起ころうとしていることは、これまでになかった」とトランプは述べた。
「バイデンが全国的なキャッチアンドリリースを実行に移した今となっては、世界の至る所から来る不法移民が国境に押し寄せて決して帰らなくなるだろう。不法に国境を超える人々が即座に排除されなければ、安全な国境あり得ない」
バイデンはトランプ時代のルールを緩和した上、2012年の若年移民に対する国外強制退去の延期措置を支持する大統領令を出した。未成年者として米国に不法に連れて来られた人々に就労許可と国外退去の免除を与えるものだ。また、米国の推定1,100万人の不法移民に市民権を与える道を開く法案を提案した。
共和党は米国市民権の可能性が移民を増やす「プル」要因の役割を果たすとしている。
下院民主党は今月、現在政府の労働許可がない農業労働者に法的な地位を提供し、米国に未成年者として不法に連れて来られた人々に対する市民権に道を開くための法案について決議することを計画している。
トランプは声明の中で「ICE捜査官はこうした有罪判決を受けた犯罪者を排除しようと必死だが、バイデンはやらせようとしない」と述べ、「我々の偉大な国境警備隊とICE捜査官はバイデン政権に軽蔑され、おとしめられ、嘲笑されている」と主張した。
トランプはこう結論付けた。「バイデン政権は自分たちが国に解き放った国境の悪夢を即座に終結させるために行動しなければならない。不法移民、犯罪、中国ウイルスを我が国から締め出せ！」
