<引用元:デイリー・シグナル 2020.11.9>
大統領選挙での訴訟と再集計の中で、デンバーを拠点とし強い政治的結び付きを持つ企業に大きな注目が集まっている。
カナダで設立された自動投票機メーカーのドミニオン・ボーティング・システムズは、アリゾナ州、ジョージア州、ミシガン州、ネバダ州、ノースカロライナ州、そしてペンシルベニア州で使用されている設備を製造した。
そうした州の全てで大統領選挙の結果が紙一重の差となっており、正式な決着がついていない。
複数のニュース記事によると、同社は米国の自動投票機市場で3分の1以上のシェアを持つ。
ドミニオン社のウェブサイトによると、同社の機械はカリフォルニア、ユタ、アラスカ、コロラド、ニューメキシコ、イリノイ、ニューヨーク、そしてニュージャージーの州に加え、プエルトリコでも使用されている。
選挙管理人はミシガン州とジョージア州で明確な不具合を発見したが、同社は、それは設備の不良ではないとしている。
「ジョージア州やミシガン州では、ミシガン州アントリム郡での非公式な結果の誤報を含め、システム・ソフトウェアのエラーを示す信頼できる報告や証拠はない」とドミニオン社はウェブサイトにリンクされた声明の中で述べ、次のように続けた。
「選挙当日の前夜に行われているソフトウェア・アップデートに関する主張は、100パーセント誤っている」
主要報道機関は7日、ジョー・バイデン元副大統領の大統領選挙の勝利が確実になったと報じた。だが複数の州では僅差となっており、ドナルド・トランプ大統領は敗北を認めておらず、トランプ陣営による訴訟が継続する中で、投票の集計結果は認定されていない。
以下は、それほどの騒ぎを引き起こしている自動投票機メーカー、ドミニオン社について知るべき4つのポイントだ。
1.ミシガン、ジョージアでの問題
アントリム郡は、ミシガン州北部の共和党の多い郡であり、2016年には62パーセントの投票でトランプに軍配が上がったが、今回の選挙では、当初の集計でトランプに行くべき6,000票がバイデンに加えられて、元副大統領の勝利にひっくり返った。
危険信号が発せられた後、郡の選挙管理人は手作業で票の再集計を行い、実際にはトランプが56パーセントで勝利していたと結論付けた、とデトロイト・フリー・プレスが報じた。
ミシガンでは他の82の郡の大部分がドミニオン社の自動投票機を使用している。非公式の結果では、ミシガンでバイデンは50.6パーセント対47.9パーセントでトランプを破った。
「これは単独のエラーだった。このユーザーエラーが州の他の場所で起こったという証拠はなく、もしそうであったら、郡の超党派開票検査委員会が実施する開票検査中に発見されただろう」と、ミシガン州務省のジョセリン・ベンソン(民主党)は声明文の中で述べた。
だがミシガン州共和党は、他の郡でのさらなる調査を求めた。
不在者投票をアップロードする業者は、ジョージア州のモーガン郡とスポルディング郡で技術的な不具合を引き起こした。そこではドミニオン社の自動投票機を使用していたとポリティコは報じた。
これはつまり、有権者が選挙当日に2時間の間自動投票機を使用して投票ができなかったことを意味しており、州裁判所は投票時間を午後11時まで延長することになった。
その後、やはりドミニオン社の自動投票機を使用しているグインネット郡では、結果報告の遅れが出た。「不良データカード」のために、4,000件の不在者投票と460件の直接期日前投票のアップロードが延期された、とCNNは報じた。
ドミニオン社はこう答えた。「ジョージア州務部は、問題がまん延していないことを公に確約し続けている」
非公式の結果では、バイデンがジョージアの票の49.5パーセントを獲得し、トランプは49.3となっている。
2.クリントン、ペロシ、マコーネルとの結びつき
大企業が政治指導者と関係を持っていることは全く異常なことではない―両側でしばしばあることだ。ドミニオン社もこの点でも例外ではないようだ。
ワシントン・ポストの献金者データベースによると、同社は2014年にクリントン財団に2万5千ドルから5万ドルの献金を行った。
クリントン財団は、ビル・クリントン元大統領、その妻で元国務長官のヒラリー・クリントン、そして娘のチェルシー・クリントンが運営しており、ウェブサイトにドミニオン社に関して称賛する投稿がある。
「2014年に、ドミニオン・ボーティング(システムズ)は、DELIANプロジェクトに対する慈善活動を通じて、多くの新興民主主義国が選挙結果の発表の遅れにより、選挙後の暴力に苦労する中、紛争終結後の新興民主主義国で投票技術が利用できるようにすることに尽力した」とクリントン財団は述べ、こう続けている。
「今後3年をかけて、ドミニオン・ボーティングは、寄付された自動投票機(AVM)によって試験的な投票技術を支持し、選挙過程を向上させることで安全な選挙をもたらす。選挙職員の多くが女性であるため、女性の教育に重点が置かれ、女性がAVMの技術移転教育と利用から最初に恩恵を受けることになる。試験的な選挙につき、100名の女性が選挙技術教育から直接の恩恵を受ける。」
ブルームバーグ・ニュースによると、同社は「ブラウンスタイン・ハイアット・ファーバー・シュレック・LLP」というロビー活動・法律事務所を雇った。同事務所には、ナンシー・ペロシ下院議長の元首席補佐官であるナデーム・エルシャミが勤務している。
Truth Outという左傾のサイトによると、同事務所には、デイビッド・コーエンとブライアン・ワイルドというロビイストが在籍しているが、ドミニオン社のロビー活動も行っており、ミッチ・マコーネル上院多数党院内総務の2020年選挙陣営にそれぞれ2,000ドルと1,000ドルの寄付を行っていた。
密接な政治的結びつきは、正確な投票に責任を持つ企業にとって利益相反の危険をもたらす、とサイバー・宇宙・インテリジェンス協会の副会長で元空軍次官補のタイ・マッコイは述べた。
「政治的につながりがあるのに、強い政治的な意見を持つ人々に本質的に投票を集計するのを許すのは、国防総省がどの武器システムを使用するか決定する会議に、防衛関係の請負業者を同席させるようなものだ。非常に不適切なことだ」とマッコイは本紙に語った。
3.ジョージ・ソロスとフィリピンの選挙
選挙日前にインターネットを飛び交ったうわさの1つは、リベラルの投資家・慈善家のジョージ・ソロスがドミニオン社を所有しているというものだった。それは正しくない。だが2者の間につながりはある。
ジョン・プロスとジェームズ・フーバーという2人のパートナーが、2000年にトロントでドミニオン・ボーティング・システムズを設立した。本社はデンバーにある。
ペンシルベニア大学ウォートン校の「The Business of Voting」と題した論文は、ドミニオン・ボーティング・システムズのシェアは、2016年に1,635の法域で約7100万人の米国人有権者に達したとしている。
ドミニオン社は、電子投票システムを製造・実装するスマートマティックと2009年に契約を結び、2010年のフィリピンの選挙で使用された光学スキャナーを提供したと、Accesswireが報じた。
フィリピンでは不具合と不正の訴えをめぐり、結果として訴訟が起きた。機械で使用されたソースコードに独立した検証が行われ、多くの問題が判明した。検証結果では、「スマートマティックが提供したソフトウェア一覧は不正確であり、・・・ソフトウェアの信頼性に対する疑問を提起するものだ」としていた。
スマートマティックの会長はマーク・マロッホ・ブラウンという、イギリス貴族院議員だが、彼はソロスがスポンサーのオープン・ソサエティ財団のグローバル理事でもある、とAP通信は報じた。
4.テキサス州で不採用
テキサス州はドミニオン社の投票機を、2013年と2019年の2回にわたって不採用にした。2つの州部門は、彼らの言葉で「(ドミニオン社の)デモクラシー・スイート・5.5-Aシステムが、テキサス州選挙法に記述される投票方式の必要条件を満たしていると、テキサス州務部が判断することを不可能にする、複数のハードウェア・ソフトウェア問題」を発見した。
2019年10月、テキサス州務部は、ドミニオン社がテキサス州選挙法での認可必要条件を満たしていないと説明した。
「審査官の報告書で、デモクラシー・スイート・5.5-Aシステムに複数のハードウェア・ソフトウェア問題が確認され、テキサス州務部はテキサス州選挙法に記述される投票方式の必要条件を満たしていると判断することができなかった」と声明ではしており、こう続いていた。
「特に、審査官の報告書では、デモクラシー・スイート・5.5-Aシステムが意図された目的に適しているか、効果的に正確に動作するか、そして不正や権限のない改ざんから安全であるかに関して懸念が提起されている。従って、デモクラシー・スイート・5.5-Aシステムや類似するハードウェア装置は、テキサス州選挙法のセクション122.001で規定される認可基準に満たない。」
選挙後の声明で、ドミニオン社は設備が他の場所では認可されたと断言している。
「ジョージア州で使用された、ドミニオン社のデモクラシー5.5システムは、2018年に米国選挙支援委員会で認可された。翌年、テキサスでは認可されなかった」と同社の声明はしている。