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トランプ大統領の最高の一般教書演説13のポイント

投稿日:2020年2月9日

<引用元:フェデラリスト 2020.2.5>モリー・ヘミングウェイ編集主任による論説

演説の間ずっと敵対的姿勢を保つと決断したために、とりわけトランプ大統領が大きな成功と未来の大きな目標について話す間、民主党は卑小に見えた。

分断した議会に対するドナルド・トランプ大統領の力強い一般教書演説は、保守的な価値観を大胆に擁護することで支持者を勇気づけ、国内政策の目標達成に基づいてあからさまに無党派層に対して訴え、その中で既に大変な日を迎えていた民主党を激怒させた。

トランプは好景気を強調し、外交政策を明確に述べ、米国の未来に対する自分のビジョンをこの国の英雄的な過去と開拓精神に結び付けた。またリアルタイムで奨学金を与え、リアルタイムで自由勲章を授与し、夫であり父である兵士を感動的に家族と再会させ、レーガン大統領が自身の年に一度の演説中に初めて客席にいる米国の英雄を目玉にして以来、最も感動的な一般教書演説にした。

その上、演説が大きな成功であったために、ナンシー・ペロシ下院議長は最終的に冷静さを失い、文字通り演説の写しを怒りに身を任せて引き裂いた。

1.事実の強さ

演説がうまく行ったおもな理由は、トランプ大統領の話し方が優れていたためではなかった。実のところ演説の初めの美しいフレーズ――「我々は米国の運命の縮小を拒否した」――は話しの中ではあまりうまくなかった。

演説は良く書かれており、またトランプ大統領のショーマンとしての強みを生かしており、バルコニー席にいた本物の米国人の心を掴む話によって政策の目標と成功を示した。だが最終的に演説が良かったのは事実が非常に良かったためだった。

憲法では大統領が「一般教書の情報を議会に与え、必要で得策だと判断するような措置を検討するように勧告する」ことを義務付けている。米国の現在の健全性に関する事実は紛れもなく強い。経済は非常に好調であるため複数の角度から語ることのできる話しであり、大統領が自慢した政策の成功は自慢するだけの価値のあるものだった。

2.ブルーカラー・ブーム

ワシントンDCのエリートたちがトランプ大統領に抵抗する中、大統領は彼らをすり抜けて自身が「ブルーカラー・ブーム」と呼ぶ状況を経験している平均的な米国人に語りかけた。米国人に過去の大統領の「雇用なき景気回復、ありきたりの言葉、そして米国の富、力、名声の喪失に対する絶え間ない言い訳」を思い起こさせ、その代わりに自身の規制改革、減税、貿易協定の再交渉の結果に焦点を合わせた。

大統領は新規雇用、低い失業率、貧困の減少、労働人口の増加、賃金の上昇、製造業の驚くべき改善などに言及した。こうした成功を着実な株式市場、消費者信頼感の最高値、そして年金の運用実績に結び付けた。

3.超党派の成果を強調

ペロシがトランプに不満を感じていることの1つには、彼女が自身の政党幹部会を大統領弾劾へと導いたことを、大統領が気にもしていない様子だったということがある。トランプは今日、おそらく超党派的な形で無罪となるだろうが、それはわざわざ取り上げることもなく、ましてくどくどと論じることもない問題だった。大統領の弾劾問題に対する真剣さは下院民主党と同程度だったようだ。つまりは余り重要視しなかったということだ。

その代わりに大統領は、両党が絶えず対立するのではなく協力した場合に米国人にとって達成できる可能性のある事に集中した。彼は刑事司法改革と米国・メキシコ・カナダ協定が全員の協力で成されたと指摘した。

4.これ見よがしに反対することが困難だった演説

明らかに、民主党はトランプ大統領に強硬に反対するという合意を結んでいた。彼らの多くはどんな話題についてもしらけ切っていた。実際民主党のリーダーの1人、オカシオコルテス下院議員は、演説に参加することすら拒否すると発表した。

トランプ大統領が経済の成果を挙げて、経済がマイノリティーと女性をどれほど助けたかに関して詳細に述べる中、民主党が拍手を拒んだのは奇妙に見えた。タスキーギ・エアマンであるチャールズ・マギー准将のような100歳の英雄たちに対する拍手を拒んだ時に至っては、その反対姿勢は全くばかげたものに見えた。

こうした場面とこうした米国人は、野党が社交辞令として拍手することも拒否したものの一部だ。

アリゾナ州民主党のキルステン・シネマ上院議員は一線を画していた。彼女は騒々しい民主党女性議員の一団が選んだ白い服に反して青い服を着ていいただけでなく、トランプ大統領が移民税関捜査局職員を称賛したことや、ティム・スコット上院議員のオポチュニティ・ゾーンに対してなど、自分が好ましいと感じる際には拍手を送っていた。

5.社会主義に反対する

一部の民主党は、トランプ大統領が社会主義に対する反対を強調したことに腹を立てた。トランプは社会主義独裁者のニコラス・マドゥーロがベネズエラ国民に行っていることを嘆き、米国人全員がベネズエラ人と共に自由のために闘うと主張した。「社会主義派国を亡ぼす。だが自由は魂をひとつにするのだということをいつも忘れてはならない」とトランプは述べた。米国人のヘルスケアの向上に関する話では、「決して社会主義に米国人のヘルスケアを破壊させない」と述べた。

6.黒人に対するあからさまな訴え

トランプ大統領は景気拡大が黒人を大いに助けていることを強調した。アフリカ系米国人にとっての重要課題である刑事司法改革が、元重犯罪人の人生に新たな期間を与えていることを力説した。

トランプはシングルマザー、ステファニー・デイビスの窮状を強調した。彼女は娘のジャニヤを、かわいらしい顔を学校選択に向けさせて、特別奨学金によってもっといい学校に入れさせようとしている。トランプはセルマのデモ参加者をバレーフォージの兵士に結び付けた。言及した米国の英雄には、マーチン・ルーサー・キング・ジュニア師、ハリエット・タブマン、そしてバルコニー席の様々な黒人がいた。またトランプは歴史的黒人大学についても話した。

大統領は米国の黒人からさらに支持を得ようという試みを隠しておらず、演説は刑事司法改革を強調した力強いスーパーボウルCMに沿っている。共和党は黒人票を獲得するのに苦労しているが、トランプはすでに2016年選挙でこれらの有権者についてジョン・マケインとミット・ロムニーを上回っており、それは昨晩売り込んだ成功の前の話だ。

民主党予備選挙の投票者が黒人有権者を歓喜させない候補者を選ぶ恐れがある中、その訴えは共和党連合を再形成し続ける可能性がある。民主党の評論家であるバン・ジョーンズはこの戦略の有効性に関してCNN視聴者に対して警鐘を鳴らした。

7.他の共和党大統領に類を見ない大胆さ

演説のちょうど真ん中で、トランプ大統領は保守派の英雄であるラッシュ・リンボーに対して、国に対する「数十年にわたる不断の献身」を感謝した。リンボーの功績と数多くの米国人にもたらしたインスピレーションを認め、トランプは米国市民として最高の栄誉である大統領自由勲章を発表した。群衆の前でメラニア夫人に即座に賞を授与させた。

リベラルの英雄やリベラルの有名人が受賞するのは非常にありふれたことだが、共和党指導者は数十年の間、まるでこの件に関して保守派が二流市民のような扱いを受けるのが問題ないかのように振る舞ってきた。トランプ大統領は、非リベラルな国の半分もその有名人や英雄の栄誉を称えたいと思っていることを認識している。

リンボーは数多くの米国人に保守派の思想について教え、憲法と米国の建国理想を力説し、結果として左派から攻撃を受けた。彼が愛される国民的英雄であるのは、1つには何千万人もの米国人を攻撃から擁護しているからだ。

これまでの他の共和党大統領や候補者も、誰一人としてそれほど当然の資格を持つ米国人にこの賞を授与する勇気を持つことはなかっただろう。彼らはむしろメディアの反発を心配していただろう。実際にメディアと民主党は、リンボーの受賞に否定的な反応をした。同氏は今週進行がんであることを発表していた。

8.非常にかわいらしい顔を後期人工中絶の被害者に寄せる

演説で最も感動的な瞬間の1つは、21週で生まれたエリー・シュナイダーと母のロビンの紹介だった。2歳のエリーは、愛情深い母の腕に抱かれて全米に紹介された時、大きなあくびをした。エリーのような子供たちを子宮内で殺すことが合法である一方で、そうした子供が生まれていることを想起させる瞬間だった。「エリーは全ての子供が命の奇跡であることを思い出させてくれる」とトランプ大統領は語り、「全ての人間の命は神からの神聖な贈り物である」ことに同意することを、全ての党のメンバーに投げかけた。

この問題は、民主党が公然と後期中絶を支持し、中絶を生き延びた子供を死なせることを支持し、プロライフの有権者を高い地位から追放することを支持する中で特に顕著だ。

9.感動的な最高裁の瞬間

最高裁判事は通常一般教書演説に参加する。ルース・ベイダー・ギンズバーグ判事は参加しなかったが、上院での弾劾裁判の議長も務めているジョン・ロバーツ裁判長は出席していた。

演説中トランプ大統領は、ミッチ・マコーネル上院多数党院内総務と上院の同僚が187人という記録的な数の連邦裁判官の証人で協力してくれたことに感謝の意を表した。トランプはニール・ゴーサッチとブレット・カバノーという2人の最高裁判事の名前を挙げた。ゴーサッチの隣に座っていたエレナ・ケーガン判事は大統領に微笑んだ。カバノーの隣に座っていたゴーサッチも大統領に微笑んだ。最高裁判事任命の戦いが過酷であり、判事たちはそれぞれが平等に権限を有するグループであり、トランプの任命者をグループが受け入れていることを思い出させてくれた。

10.抑制された外交政策を明言

トランプ大統領が2016年に勝利した理由の1つは、これまでの戦争の仕方に反対したことだった。同時にトランプは、米国の利益を拡大するために米国の武力を使用することを厭わない。これが両極にある外交政策グループを混乱させている。アフガニスタンの戦争の終結を願っていることについて話す時、トランプは米国の兵士について、彼らが「世界最高であり、戦って勝つか、全く戦わないかのいずれかを望んでいる」と述べた。

トランプは、我々の戦争のやり方を原因とする米国兵士と家族の犠牲を強調した。海外任務の結果、命や手足を失った人々の話をした。トランプはカイラ・ミューラーの命を強調した。ISISの指導者であり創設者であるアブー・バクル・アル・バグダディに殺された女性だ。クリストファー・ヘイク陸軍2等軍曹の命を強調した。カセム・ソレイマニが提供した道端の爆弾で殺された兵士だ。両犠牲者の家族は聴衆の中にいて、紹介された時には悲痛な思いがした。

「戦争は我が国の類まれな軍人の家族に大きな負担となっている」とトランプは語り、エイミー・ウィリアムズと2人の幼い子供を紹介した。夫であり父親であるタウンゼント・ウィリアムズ1等軍曹はアフガニスタンで4度目の任務に就いていると説明された。

テレビ放映の瞬間をトランプが最後に効果的に扱った例として、エイミーと子供たちにウィリアムズが驚くことに帰国していることを発表した。彼は階段を降りて来て家族に再会した。

同時に、全てが抑制的だったわけではない。バグダディとソレイマニ殺害の決定を説明して、「テロリストに対する我々メッセージは明確だ。お前たちは米国の正義から決して逃れられない。市民を攻撃したら自分の命を失うことになる!」とトランプは述べた。

この外交政策はエスタブリッシュメントの多くを混乱させてきたが、アイゼンハワーからレーガンまでの共和党大統領が採用した外交政策、一種の力による平和への回帰だ。

11.保守派が好まない恐れのあること

トランプのこれまでの議会に対する演説や他の大統領の議会演説ほど悪くはないものの、一般教書演説にはいつも抑制のない支出が長々と書き並べられている。この演説も例外ではなかった。保守派は宇宙軍を強く支持するかもしれないが、「星での米国の自明の宿命」というトランプの言葉は厄介な恐れがある。

いつも通り、給付金の支出や他の政府増大を抑えようという試みについては言及がなかった。実のところトランプは、社会保障制度を「守る」と述べた。それは聴衆を喜ばせるものであっても、保守派の正統ではない。また負債に関する計画についての発表も、南部国境の壁についての最新情報もなかった。

12.希望に満ちた国民性

会場の米国人の劇的な場面はさておき、演説の最も強力な部分は大詰めであり、トランプ大統領は米国の開拓精神と労働倫理について誇りをもって述べた。「これは我々が受け継いだ輝かしく高尚なものだ」とトランプは語った。「我々は米国人だ。我々は開拓者だ。我々は先導者だ。我々は新世界に定住し、現代世界を築き、全ての人が全能な神の手によって平等に造られているという永遠の真実を受け入れることで、歴史を永遠に変えた」

この締め括りは米国の歴史に対する賛辞であると同時に、未来に対する楽観的な期待だった。「我々の精神はまだ若く、太陽はまだ上っており、神の恩寵はまだ輝いている。そして米国人同胞のみなさん、最良の時はまだこれからだ」

13.民主党にとって悪いタイミング

トランプ大統領は、大統領になって最高の有権者支持率の勢いの中で一般教書演説に臨んだ。共和党が最近の記憶では初めて大多数の支持を得ている中、弾劾は民主党の好感度を引き下げた。トランプは無罪評決を受けようとしている。おそらくは超党派的に。

そうした数字は全てペロシと彼女の率いる民主党にとって悪い。その上、アイオワの党員集会では屈辱的な失敗を犯した。同党は運営をしくじり、結果はまだ不明確のままだ。だが分かっているのは、エスタブリッシュメントがお気に入り候補者、ジョー・バイデン元副大統領が屈辱的な終わりを経験したということだ。

演説の間ずっと敵対的姿勢を保つと決断したために、とりわけトランプ大統領が大きな成功と未来の大きな目標について話す間、民主党は卑小に見えた。ペロシは演説中に取り乱した様子で、原稿を引っ掻き回してガムをクチャクチャ噛んでいた。演説が終わって原稿を引き裂いた行為は、ツイッターでメディアと他の支持者に極めて良く受け止められたが、一般有権者の間ではそうでもなかったようだ。

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