<引用元:ホワイトハウス 2020.5.30>
2020年5月29日午後2時48分(東部夏時間)
ローズガーデン
大統領:どうもありがとうございます。こんにちは。ありがとう。本日私は中国との関係と、米国の安全と繁栄を守るためのいくつかの新しい措置について話すためにここにいます。
中国の不正行為のパターンは周知のことです。数十年間、今まで誰もやったことのないほど米国を食い物にしてきました。中国との取引で年に何千億ドルも失われましたが、特に前政権での期間が顕著でした。中国は我々の工場に襲い掛かり、雇用を海外移転させ、我々の産業を骨抜きにし、知的財産を盗み、世界貿易機関の権威下での約束に違反しました。さらに悪いことに発展途上国とみなされ、米国を含めた他国が資格を持たないあらゆる利益を享受しています。
しかし、私はこのことを決して中国だけのせいにしませんでした。彼らがこれまでに誰もやったことのないほど窃盗の罪を免れることができたのは、過去の政治家と、率直に言えば過去の大統領たちのおかげだったのです。ところがそうした過去の人たちと違い、私の政権は正しいことのために交渉し戦いました。つまり、公平で互恵的な待遇と呼ばれるものです。
また中国は太平洋で不法に領海を主張しており、航行と国際貿易の自由を脅かしています。また香港の自治権を確保することについて世界に対する約束を破りました。
米国は中国と開かれた建設的な関係を築きたいと願っていますが、そうした関係を成就するには我々の国益を精力的に守ることが必要です。中国政府は我々と他の非常に多くの国に対して約束を破り続けています。
こうした明白な事実は、看過することも一蹴することもできません。世界は今、中国政府の不正行為を受けて苦しんでいます。中国が武漢ウイルスを隠蔽したために世界中に疾病が拡散し、世界規模のパンデミックが引き起こされて10万人以上の米国人の命と世界で100万人以上の命が犠牲となりました。
中国当局は世界保健機関への報告義務を無視し、中国当局がウイルスを最初に発見した際に世界保健機関に圧力を掛けて世界を欺かせました。
無数の命が奪われ、全世界が深刻な経済的困難に見舞われました。私は中国からの早期の渡航禁止を行わないよう強く勧められましたが、とにかく実行し、それが100パーセント正しかったことが証明されました。
中国は完全に世界保健機関を支配下に置いています。米国が年間約4億5千万ドル拠出しているのに比較して、年間4千万ドルしか拠出していないというのに、です。
我々は世界保健機関が行わなければならない改革案を列挙し、直接議論しましたが、彼らは行動することを拒否しました。要求した必要性の高い改革を実行しなかっため、我々は本日、世界保健機関との関係を終結させ、それらの資金を他の世界的で資格のある、差し迫った世界の公衆衛生の必要に向け直していきます。
世界はウイルスについて中国からの答えを必要としています。我々は透明性を持たなければなりません。中国が感染者を武漢から中国の他の地域に行かないように遮断したのは一体なぜでしょうか?他のどこにも行きませんでした。北京には行かず、他のどこにも行かなかったのです。しかし、欧州と米国を含めて、世界中に自由に旅行することを許しました。
これによって引き起こされた死と破壊は計り知れません。我々は自分たちのためだけでなく世界の他の国々にとっても、答えを出さなければなりません。
このパンデミックは、米国の経済的自立を高め、重大なサプライチェーンを自国内に戻し、米国の科学的・技術的進歩を守ることの決定的な重要性を浮き彫りにしました。
長年中国政府は、我々の産業機密を盗むための違法なスパイ行為を行っており、本日私は、我が国の重要な大学の研究を一層保護し、潜在的なセキュリティリスクと認定された中国国籍の人物の入国を停止するための声明を発表します。
また私は、米国の金融システムの健全性を保護するための措置も取ります―圧倒的に世界最高の金融システムです。私は金融市場に関する大統領の作業部会に、米国金融市場に上場する中国企業の異なる慣行を研究するよう指示しています。米国の投資家を保護するのが目的です。
投資会社は顧客を、同じルールに従って行動しない中国企業に融資することに関連する隠れた過度のリスクにさらすべきではありません。米国人には公正と透明性を得る権利があります。
我々が取ろうとしている最も意義深い措置の中には、香港で展開する全く厄介な状況に関連するものもあります。
今週中国は、一方的に香港の安全に対する支配を強制しました。これは1984年の宣言における中国の英国との条約義務と、香港基本法の明示の条項に対する明白な違反でした。あと27年残っています。
中国政府の香港に対抗した動きは、香港の長年にわたる誇り高い立場を損なう一連の措置の中で最新のものです。
これは香港の人々、中国の国民、そしてまさに世界の人々にとって悲劇です。中国は国家の安全を守っていると主張しています。けれども実のところ、香港は安全で自由な社会として繁栄していました。中国政府の決定はその全てを逆転させます。かつて自由のよりどころだったところにまで、中国の侵略的な国家安全保障組織の範囲を拡大させます。
つい最近中国が侵害したことで、区域の自主・独立性を低下させた最近の出来事と合わせて、香港がもはや、譲渡以来我々がその区域に提供した特別待遇を保証するだけ十分に自立していないことは明白です。
中国は「一国二制度」という約束した常とう句を「一国一制度」に入れ替えました。
ですから私は自分の政権に、香港に異なる特別な待遇を与える政策適用例外を、取り除くプロセスを開始するよう指示しています。
本日の私の発表は、犯罪者引き渡し条約からデュアルユース・テクノロジーに関する輸出規制などに至るまで、わずかな例外はありますが、我々が香港と交わしているあらゆる種類の合意に影響を与えます。
我々は、中国の国家安全保障組織による監視と処罰の危険性が高まることを反映して、香港に対する国務省の渡航助言を改訂するつもりです。
中国の他の地域とは別個の関税・渡航区域としての香港の優遇措置を無効にするための措置を取ります。
また米国は、香港の自治を損ない―見ればわかることですが、抑圧すること―香港の自由を完全に抑圧することに直接、または間接的に関与した中国と香港の当局者に制裁を課すために必要な措置を講じます。我々の措置は強力なものとなります。我々の措置は有意義なものとなります。
20年以上前、1997年の雨の降る夜、香港で英国の兵士は英国国旗を下げ、中国の兵士は中国国旗を揚げました。香港の人々は、中国の伝統と自分たち特有の香港のアイデンティティを同時に誇りに感じました。香港の人々は今後何年か何十年かで、中国が次第にその最も輝きを放つ生き生きとした都市に似てくることを希望しました。世界の他の国々は、―香港が中国の過去を反映したものとなるのではなく―香港が中国の未来を垣間見させてくれているのだという楽観的な感覚に衝撃を受けました
あらゆる判断において、私はアメリカ合衆国の労働者、家族、そして市民を誇りを持って守り、保護し続けます。
どうもありがとうございました。ありがとう。
午後2時58分(東部夏時間)