<引用元:ワシントン・フリービーコン 2019.10.17>
中国は北京の米国職員の重要人物との面談を阻止している
米政府高官によると、トランプ政権は中国政府外交官が米国で許可されている行為に新たな制限を課した。同国の共産主義政権が、北京に駐留する米政府職員が重要人物と面談することを阻止していることに対する対抗措置だという。
国務省は今後、米国内の大使館職員と領事館職員を含め全ての中国政府外交官が、米国内での全ての公式会談に先立ってトランプ政権に告知することを要求する。
新しい命令は中国が現在米国外交官に課している制限に対する対抗措置だと、米高官は述べている。多くの場合共産主義政権は、中国にいる米政府職員の地方当局者、研究者、また特に反体制派団体との面談を阻止している。
米側の制限には、中国政府が米国外交官に特定の当局者と団体に対するより自由な行動と接近を許すよう圧力をかける狙いがある。
「それが実現されるまで我々は何らかの行動を取って・・・条件を公平にする方向に進むようにするつもりだ」と、ある国務省高官は匿名を条件に記者に語った。
「国務省は全ての(中華人民共和国の)外交官――米国内の大使館と個々の領事館職員――が、州高官との公式会談、地方自治体高官との公式会談、教育機関に対する公式訪問、そして研究機関への公式訪問に先立って国務省に告知しなければならないと要求するつもりだ」と高官は話した。
こうした制限は「基本的に、米国高官が中国で、中国外交官が米国で活動できる状況とは対照的な扱いを受けている状況に少しばかり相互性を追加する」だろうと高官は続けた。「いうまでもないことだが、外交官としての我々の職務は、相互理解を向上させることであり、そのためには当然ながら、自分たちが任命された国で広範な利害関係者に接近する必要がある。残念ながら中国では、米国外交官はそこでの職務遂行のために重要なある範囲の人たちに、自由に接近することができない」
トランプ政権は、中国外交官が米国内で人と面談する能力を制限する措置ではないと慎重に指摘した。
「我々はそうした交流を減らそうと目指しているわけでは全くない。今回の(記者との)電話会見の主要な目的は、基本的に我々のとる措置が実際間違って解釈されないように念を押すことだ」と高官は話した。「むしろ、我々がここで目指していることは、中国政府が中国にいる我々の外交官により大きな接近の自由を与えるという最終的な結果を期待し、ただ互恵的状況に近づけるということだ」
中国外交官だけが国務省に自分たちの行動を報告することを強いられる。新しい命令はこうした外交官と面談する米国関係者には影響がない。
「我々の目標は、中国の外交官がここで行えるのと同じように、中国当局が、中国にいる我々の外交官が地方の指導者、中国の大学、他の教育研究機関と自由に関りを持つことができるようにしてくれることだ」と国務省高官は話した。
国務省は中国外交官がトランプ政権に自分たちの行動を告知しない場合、どのような結果が降りかかるかについては記者に答えてくれなかった。
記者会見の時点では正確な数字は提供されなかったが、中国外交官は少なくとも1週間に50回の会談をしていると国務省は推定している。
措置に先立ってトランプ政権は中国に、米国外交官の制限に関して多数の不満を公表していた。
国務省高官によれば、「我々は中国の現状レベルと同等ではないが、彼らの注目を得られれば、外交官として良い仕事をするのに必要となる様々な利害関係者全てに対して、双方の外交官がもっと自由で開かれた形で接近できるようになるような、より公平な立場をもたらすことができるのではないかと期待している」ということだ。