<引用元:USAトゥデイ 2019.7.5>ゲーリー・バーベル(Gary Varvel)氏による寄稿。
我々には今、トランプ大統領の7月4日の独立記念日の演説に民主党がとても腹を立てている理由が分かる。
政治的であったからでも党派的であったからでもなかった。それは愛国的だった。そのために左翼は最も苛立っているのだ。
演説の数日前、トランプは独立記念日を乗っ取って選挙集会に変えているいう話を我々は聞かされた。だがトランプは演説の中で2020年大統領選挙に一言も触れなかった。
トランプがナショナル・モールに戦車を置きたいと望んだのは、純然たる権威主義的なパフォーマンスアートだという話を聞かされた。だがそれは実のところ問題ではなかった。費用に対する偽の怒りも同様だ。
ライバル政治家の話もなく、フェイクニュース・メディアの話もなかった。実に、自分の成果について話すのが大好きな男にしては、自分のことは一言も触れなかった。
いや、トランプは左翼に対してはるかに危険なことをした。彼はアメリカに強力な愛国主義を投与した。彼はアメリカ人に、過去243年の偉人、英雄、そして彼らの偉業について歴史の授業を行った。
週の初めに、ニューヨーク・タイムズは、アメリカは地球上で最も偉大な国ではない、「米国は実際はただOKなだけだ」と主張するビデオを流した。
タイムズのことにもビデオのことにも触れずに、トランプは続けて我々に1時間近くかけてアメリカの偉大さについて話した。話を遮ったのは、拍手、儀礼飛行、そして軍の歌だけだった。ある時点で私は「この男は誰で、トランプ大統領は何をされたのだろうか?」と思った。
トランプはこう話した。「今日我々は、アメリカに対してこのように特別な敬意を持って、1つの国家として団結します」「我々は自分たちの歴史、国民、そして我々の国旗を誇りをもって守る英雄――米国軍の勇敢な男女を褒めたたえます」
そしていやはや、彼はやってのけた。アメリカの独立のための戦争の話から始めて、長い間忘れられていたが思い出す必要のあるアメリカ人の言葉と行動をトランプは引用したのだ。
トランプは、ジョージ・ワシントン総司令官が、英国の侵攻と戦うために軍隊を準備した話をした。トランプはこう話した。「ワシントンが自身の軍隊に伝えたメッセージは、重大さの度合いを露わにしました。彼はこう書いたのです。『これから生まれる多数の人たちの運命は、神の下で、この軍隊の勇気と行いに掛かっている。それ故我々は打ち破るか、そうでなければ死ぬという決意をしなければならない』」
我々は彼らの犠牲から恩恵を受けたその多数の人たちだ。
アメリカに過去の世代の偉業を思い出させ、トランプは、我々の第一対応者と法執行機関の全ての男女を称えることでそれを現在にもたらした。またトランプは、尊い犠牲を払った金星章の家族も称えた。
伝説と象徴
トランプはNASAの伝説的人物、ジーン・クランツを紹介し、我々は月に再び行き、火星に国旗を立てる、と彼に語った。
また、公民権運動の象徴であるクラレンス・ヘンダーソンを紹介し、感謝の言葉を述べた。ヘンダーソンは、ノースカロライナ州グリーンズボロのウールワースの軽食堂での座り込み抗議に参加した1960年当時、18歳だった。
「約60年後、彼は今夜名誉の席に座っています」とトランプは話した。「クラレンス、ここをアメリカ人全員にとってはるかに良い場所にしてくれてありがとう」
私にとってはとても結束を促されることだったが、左翼にとっては引き金となった部分があった。
トランプは「この国は世界の歴史上で最も並外れた国であり、今それが最も強力になっています」と話した。アメリカ例外主義は左翼を苛立たせる。
トランプはこう話した。「我々は1つの夢と1つの壮大な運命を追い求める、1つの国民です」「我々はみな、同じ英雄、同じ故郷、そして同じ心を共有しており、みな同じ全能の神によって造られています」。神の話は左翼を苛立たせる。
私はこれが、今後の全ての大統領にとっての伝統となるべきだと思う。党派的で政治的な闘争がある中、アメリカ人の素晴らしい歴史的遺産を思い出すことは素晴らしいことだった。
1日の間、トランプは党派的な政治を脇に置いて、アメリカの目を我々の過去と未来とに集中させてくれた。
ありがとう、大統領閣下。
ゲーリー・バーベル(Gary Varvel)はクリエーターズ・シンディケート(Creator’s Syndicate)配給の風刺漫画家で、前職はUSAトゥデイ・ネットワークのインディアナポリス・スター。ツイッターは@Varvel。