<引用元:FOXニュース 2019.5.16>
ロシア捜査の発端に対する正式な捜査の立ち上げ――司法省の選り抜きの検察官の1人が主導――によって、トランプ陣営に対する監視活動に関して説明すべき点があるオバマ政権高官の間では、新たに水面下での責任のなすりつけ合いが始まっている。
今週再燃した議論は、ジェームズ・コミーFBI長官とジョン・ブレナンCIA長官(いずれも当時)のどちらが――あるいは両方が――トランプ大統領とそのロシアとの関係に関する主張が含まれた、裏付けのないスティール文書を推進したのかに関するものだ。世間をあっと言わせた文書の主張は、ロバート・モラー特別検察官の捜査チームによって全く立証されなかった。
「驚いた――ジェームズ・コミーは、2016年にジョン・ブレナンが自分たちの情報機関評価にあの文書を含めることを強く主張したと言っている。だがブレナンは、いやいや、コミーこそが文書の利用を求めたのだと言っている」と、捜査の発端に関する回答を長く要求してきた共和党ノースカロライナ州のマーク・メドウズ下院議員は、先のFOXニュースの記事を参照して16日にツイートした。
メドウズはさらにこう続けた。「彼らは真実が明らかになるとわかっている。それで今、お互いを非難し合っている」
記録に詳しい消息筋はFOXニュースに対して、2016年終わりのメールのやり取りから、ブレナンがロシアの干渉に関する情報機関評価報告、いわゆるICAの中に、あの文書を含めるよう主張したとコミーがFBIの部下に話していたことが分かったのだと話した。そのメールのやり取りは公開されていない。
だがFOXニュースに対する声明の中で、ある元CIA高官は真っ向からコミーを非難した。
「ブレナン元長官は、ジェームズ・クラッパー(元国家情報長官)と共に、スティール文書を情報報告書に含めるようジェームズ・コミーが勧めたことに反対していた」とその高官は述べた。
クラッパーは以前、文書はICAで最終的には使用されなかったと証言した。コミーがトランプに文書のことを就任前に個人的に説明したというニュース――脅迫の恐れを警告したものだとされる――は、数日以内にリークされ、文書のショッキングな主張の報道機関による公開に道を開いた。
FOXニュースはコミーの弁護チームに2度連絡し、CIA元高官の声明を提示したが、公表を前提とした返事は受けられなかった。コミーはツイッターに頻繁に投稿しているが、その件について公にコメントしていない。
一方、別のFBI高官はポッドキャストのインタビューで、コミーが文書の疑惑について初めてトランプに伝えた時に、トランプを脅迫しようとしているのではないかと、自身と他の人々が危惧していたことを認めた。
ヤフーニュースのポッドキャスト、「Skullduggery(不正行為)」の16日の最新エピソードで、ベーカーは自身と他の職員が、2017年1月6日のトランプに対するコミーの説明について非常に懸念を感じ、個人の脅迫のために権力を乱用したことで有名なFBI元長官のJ・エドガー・フーバーとの「類似点」を認めていたと述べた。
「我々はフーバーとの類似性についてかなり懸念していた。また我々の監督下でそのような大失態が起きないよう決意を固めていた」と、ベーカーは話し、自分たちはフーバーの脅迫の「遺産」を継続したくないのだと次期大統領に伝えたかったとした。
ビル・バー司法長官が、不正疑惑と政府による不適切な監視疑惑に対する捜査のために、コネチカット州のジョン・ダーラム連邦検察官を指名した中で責任のなすり合いが起きている。
司法省の監視人であるマイケル・ホロウィッツも、2016年10月のトランプ陣営元スタッフのカーター・ページに対する最初の監視令状と、その後の3回の更新の承認を受けるために、英国の元スパイであるクリストファー・スティールがまとめた文書がどのように使用されたかについての内部検証に結論を出すことになっている。ホロウィッツのチームは、FBIがなぜスティールを信頼できる情報源とみなしたのか、またなぜスティールの信頼性を支えるためにニュース記事を使用したとみられるのかについて疑問を呈した。
ジョン・ヒューバー連邦検察官は、それ以前にジェフ・セッションズ元司法長官に任命され、司法省とFBIによる監視乱用疑惑だけでなく、クリントン財団と他の事柄に対する捜査対応についても検証していた。ヒューバーの働きについては状況が分かっていない。