トランプ大統領は12日、新たな大統領令に署名し、全米の取り残された地域、「オポチュニティ・ゾーン」の復興へ向けた協議会を発足させ、具体的な政策を始動させた。各省庁との連携や指定地域に対する特別減税などにより、1000億ドルの民間設備投資を見込んでいる。
以下はホワイトハウス発表資料からの引用。
全ての人にチャンスを:ドナルド・J・トランプ大統領が困窮した地域社会における機会創出の投資を促進
- トランプ大統領は、ホワイトハウス 機会と復興協議会創設の大統領令に署名する。
- 協議会の議長は住宅都市開発省のベン・カーソン長官が務め、13の連邦機関で構成される。
- 協議会は低所得者層を復興させるために、税金をより有効に使用することに向けて政府のあらゆるレベルと関りを持つ。
- 協議会は、オポチュニティ・ゾーンを含む経済的に困窮している地域に対する既存の政府プログラムを合理化、調整、また対象の絞り込みをすることで復興の取り組みを改善する。
- 調整と絞り込みがなかったために、煩雑な申請、プログラムの無駄、効果のない結果につながっていた。
- 協議会は復興の取り組みに対する障害を取り除くために、法制化の立案を検討し、規制改革に取り掛かる。
- 協議会は、経済的に困窮した地域社会での投資を促進する方法を確認し推奨する報告書を大統領に提出する。
投資の促進:オポチュニティ・ゾーンは、落ち込んだ地域社会を復興させ、経済力を解き放つための民間投資を加速させる
- 2017年に、トランプ大統領は減税・雇用法案に署名し、全国の低所得地域社会での長期的な投資を奨励するために、オポチュニティ・ゾーンが設置された。
- これらの刺激策では、指定されたオポチュニティ・ゾーンでの新規投資に対して投資家にキャピタルゲイン税の軽減が提供される。
- オポチュニティ・ゾーンでは、1000億ドルの民間設備投資が促されることが期待されている。
- 低所得の地域社会での投資を刺激することで、経済復興と雇用創出が促進され、全国で持続可能な経済成長が推進される。
地域社会の復興:オポチュニティ・ゾーンは、経済成長の加速を促し、取り残された地域社会を復興させる
- オポチュニティ・ゾーンは、経済成長と雇用創出を、最も必要としているアメリカの地域社会にもたらすための強力な目的達成手段である。
- 平均でオポチュニティ・ゾーンの世帯所得は、全国平均より37パーセント低い。
- オポチュニティ・ゾーンの平均貧困率は、全国平均の17パーセントに対して、32パーセントである。
- 全50州、コロンビア特別区、そして5つの領地で8,761の地域がオポチュニティ・ゾーンとして指定されている。
- オポチュニティ・ゾーン指定地域には約3500万人のアメリカ人が住んでいる。
また同日、ホワイトハウスではトランプ大統領が今回の大統領令について自らスピーチを行い、招待されたゲストの1人、東部ボルチモアの、サザン・バプティスト教会のダンテ・ヒックマン牧師は次のように話した。
「大統領閣下、ありがとうございます。今日この場でまず、あなたがボルチモアのような都市部の困窮した地域に向けてくれた、財源と資金に感謝いたします。今日あなたが署名した大統領令によって、我々は、無視された地域の資産を再建する中で人々を回復させるために投資するという共通の目的に関して、あなたの政権と協力することができるようになるでしょう。
(中略)
我々の地域は、連邦政府によってオポチュニティ・ゾーンとして指定されており、この超党派の立法によって、地域の復興に向けた公共・民間の投資を生かすことができます。この大統領令による、連邦機関と民間団体に対するあなたの影響力によって、ボルチモアのブロードウェイ・イーストのような困窮した地域が、資金不足を補って資金投入するために必要な投資を得ることができるようになり、持続可能な健康、財産、住宅、教育、娯楽、食料品、そして雇用の機会を作り出せるようになるでしょう」
また、テレビ放送網のBET(ブラック・エンターテイメント・テレビジョン)の共同創業者であるロバート・ジョンソンは、次のように話した。
「では最も重要なことをお話ししましょう。おそらく大部分のみなさんは、私がジョン・マローンという男から50万ドルの借金をして、BETを始めたことを知っているでしょう。その50万ドル―それをジョン・マローンがBETに投資してくれたおかげで、私は他の少数派の従業員などと一緒に、40億ドルのビジネスを立ち上げることができました。
このことが証明しているのは、大統領閣下、人々が機会を探し出そうとしている場所に資金が入るようにするプログラムが、有効だということです。また私は、このプログラムによって、財務省から実業家に税制上の優遇措置が流れ込むことで、人々はリスクを見出さないうちにお金を投資するようになり、今度はチャンスを見出すようになると確信しています。そしてお金を地域社会に投入することがそのように組み合わさることで、そのような地域は活気に満ち、安全になり、責任感が生まれ、また最も重要なこととして、この国の幸福に貢献するようになるでしょう。
私は、社会問題にはビジネス上の解決策があると根本的に信じている人間です。オポチュニティ・ゾーンの計画がそれです。また私は、あなたとティム・スコットが、それについてリーダーシップを発揮してくれたことに拍手を送ります。ありがとうございます」