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トランプはがさつだが、サウジについては正しい(オピニオン)

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<引用元:ニューヨーク・タイムズ 2018.11.21>マイケル・ドラン氏、トニー・バドラン氏による論説

中東で重要な戦略的課題について、大統領は明敏である。

最近では共和党と民主党が同意することは余りないが、ジャマル・カショギ殺害を受けてトランプ大統領が20日にサウジアラビアに対する支持を表明したことで、思いがけず彼らは団結することになった。民主党と共和党のリーダーたちは、大統領の宣言は不誠実であり、道徳的に視野が狭く、また戦略的に愚鈍であると表明した。

その通りだ。ムハンマド・ビン・サルマン皇太子が殺害を命じたとCIAは考えているという報道を、「やったのかもしれないし、やっていないかもしれない!」としてトランプ氏が避けたことは不快感を与える。だがハリー・トルーマン以来全ての大統領は、国益のために不穏当な中東の統治者たちと手を組んできた。ここでの違いは、トランプ氏が、カショギ氏の殺害が示す我々の価値に対する侮辱にうなずく素振りを見せただけで、この事態に悪びれる様子がないということだ。

それは喝采を送るべきものではない。だが政策は、表現方法よりも価値に基いて評価することが極めて重要だ。また実のところ大きな戦略的課題については、トランプ氏は明敏であり正しい。

誠実さの問題から始めよう。批評家たちは、カショギ氏の死について「我々は取り巻く事実が全て分かっているわけではないかもしれない」というトランプ氏の主張に焦点を当て、この精力的な確信のなさと報道されたCIAの評価の間の不一致を強調した。

しかしながら、大統領というものは決まって、有益なフィクションを提示するものだ。

例えば、バラク・オバマ大統領は、イランの最高指導者であるアリー・ハメネイ師が、核兵器の開発に反対するファトゥワ(イスラム法に基づく宣告)を出したと主張することで、イランとの核合意についての理解を促した。オバマ氏の主張がインテリジェンス分析官の見解と対立する、と主張した超党派の上院議員グループはいなかった。分析官は核兵器開発計画の確かな証拠を握っていたというのに。

大統領によるフィクションが受け入れられるかどうかを、真に評価する基準は、それが役割を果たす戦略が正当であるかどうかという点だ。

オバマ氏の場合、答えはノーだった。というのも彼の政策では実際、イランの核開発は止まらなかったからだ。それは核開発を遅らせただけであり、その間にも、イラン政府の根本的な反アメリカ主義が緩和されることはなく、イランを強化してしまった。だがトランプ氏は、勢いを増すイランに対抗しようという取り組みの中で、サウジアラビア政府の重要性を理解しており、カショギ氏の殺害によってその戦略を危険にさらすまいと、適切に行動しているのだ。

トランプ氏を批判する人たちは、彼が悪を付けあがらせているという主張で反論する。元国連大使のサマンサ・パワーは、ムハンマド皇太子に加えて、フィリピンのロドリゴ・ドゥテルテ、エジプトのアブドルファッターフ・アッ=シーシー、ロシアのウラジミール・プーチンといった独裁者を挙げて、「トランプが最も卑劣で不快な者の味方をすること」は、「世界をさらに不快なままにする」と述べた。彼女は、大統領の声明は「トランプが我々に必要だと考える物を持つ国における、未来の殺人犯にとってのゴーサインである」と述べた。

ところが、パワー氏の悪人リストには、イランとその代理国が不在であるのは誰の目にも明らかだ。省略したことが物語っている。イランへの方向転換とスンニ派国家とイスラエルから離れる事の一環として、オバマ政権は、ロシア政府、イラン政府、またその代理国家が解き放ったシリアでの大虐殺に見て見ぬふりをし、核合意のおかげでイランの兵器に大金を注ぎ込んだのだ。

(以下略。英語記事全文はこちら

(ドラン氏はハドソン研究所の上級研究員。バドラン氏は民主主義防衛財団の主任研究員)

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