<引用元:ウォールストリート・ジャーナル 2018.8.31>WSJ論説委員会
Happy in Their Work(仕事に満足)
ブルーカラー労働者は固定概念ほど浮かない顔はしていないことが調査結果で明らかに
現代の政治的な生活についての最も堅固な正統派の説の中に、米国のブルーカラー労働者は世界経済から取り残されて鬱憤がたまっているというものがある。
「彼らは苦しくなると、銃や宗教にしがみつく」とはバラク・オバマが言った言葉で、右派の中にはその見下した言葉のことを伝える者もいる。彼らを社会福祉制度の柔らかなかせに委ねたいと思う人々がいる一方で、コラムニストのラルフ・ピーターズはかつて、「米国の解雇されたブルーカラー労働者とアフガニスタンのタリバン戦闘員は、共に苦しむ兄弟だ」と書いた。
今、レイバーデーに間に合ういい知らせがある。労働者階級にあるとされている憂鬱とは対照的に、新たな調査で明らかになっているのは、米国ではブルーカラー労働者が最も楽観的な人たちだということだ。85パーセントが自分たちの生活は正しい方向に向かっていると答えているのだ。
人材派遣会社のExpress Employment Professionalsの依頼でHarris Polが実施した調査で、4人に3人のブルーカラー労働者が自分たちの仕事を「良いキャリアパス」と見なしていることが分かった。5人に1人は「自分の仕事は家族を経済的に支えるのに十分な生計をもたらしている」ということに同意している。86パーセントは仕事に「満足している」と答えており、90パーセントは自分の就いている仕事に「誇りを持っている」と回答している。
良い方向に向かっている。70パーセントが「アメリカン・ドリームは自分のような人たちにとって生きたものだ」ということに同意しており、子供を持つ人の88パーセントは「子供の未来は自分よりも良いものになる」ということに同意している。それは最近ピューの調査でもっと多くの米国民に、子供が自分たちよりも経済的に豊かになると思うか質問した時の2倍以上の数字だ。
驚くことではないが、ブルーカラー労働者のほとんどは労働組合を信頼している。ただ圧倒的多数はそれに所属してはいないのだが。また民主党よりも共和党の方がブルーカラー労働者に役立つ仕事をもっとうまくこなしている、と答えているほうがわずかに多いのに、共和党よりも民主党だと自認している人が多い。
確かに不安は持っている。約半数は家計のやり繰りが難しくなる可能性があると答えており、73パーセントは定年後の備えが十分ではないことを心配している。「社会保障給付を受けるようになることより、火星人が地球に上陸する可能性が高い」ことに同意しているのはかろうじて過半数だ。
ああ、それからナンシー・ペロシの話(訳注:減税により企業がボーナスを支給したことを指して、「わずかな小銭」と述べたことを指すと思われる。)は聞いているだろうか?3分の2以上がこの1年で昇給があったと報告している。
ドナルド・トランプの支持率は、一般住民の中よりもこれらの労働者の中のほうが高い。大統領の支持率は、RealClearPoliticsの一般住民での平均でマイナス11.1ポイント(訳注:支持と不支持の差と思われる)であるのに比べ、ブルーカラー労働者ではプラス4ポイントとなっている。選挙で選ばれた政府職員を信用すると答えているのは10人に3人しかいない。
これらの質問でHarrisが調査を行うのはこれが初めてだ。だから例えば2年前の同様の調査と比較したらどうなのかということは分からない。だがブルーカラー労働者の見通しが明るく、仕事に誇りを持っており、米国の未来が子供たちにもっと大きなチャンスをもたらすと確信しているのは心強いことだ。人々の生活に自信を持たせるために、4.2パーセントのGDP成長率が果たすことは、驚くべきことではないだろうか?