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CIAにもホロウィッツ報告書が必要な理由

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<引用元:ウォールストリート・ジャーナル 2018.6.29>WSJ編集委員 Holman W. Jenkins, Jr. 氏による論説

世界中がホロウィッツの報告書を把握してしまった今となっては、そこで触れられていないことがどれほどあるかも分かっている。連邦捜査局は、実際他の機関から提供された情報を元にほとんどの決定を下していたため、クローズドループだと受け止められている。

マイケル・ホロウィッツが扱う情報には機密の追加情報もあり、それを国民は見ることができない。それでもなお、司法省監察官としては、他機関での内部のやり取りや意思決定をFBIで行ったようなやり方で綿密に調査する権限を持たない。

ホロウィッツ氏は、トランプ共謀の捜査に関してはロシアのことに何度も触れているが、ヒラリー・クリントンのメール捜査に関しては全く触れていない。FBIのジェームズ・コミー長官がクリントンの事件に公然と干渉することを決定するのに極めて重要な役割を果たした秘密情報があった。同氏はそれに触れているが(昨年報道されていたように)その起源がロシアであることには触れていない。

ロレッタ・リンチ司法長官による不適切なやり取りの疑惑も含めて、FBIは傍受された情報を「客観的に誤りである」と見なしていたのだと、ホロウィッツ氏は言っている。彼は、ワシントン・ポストやCNNが昨年言っていたように、FBIの中にはその情報をロシアの罠だとみなす者もいたとは言っていない。

彼は、クリントン氏が特に「敵国の領土内」で攻撃を受けやすい時に、クリントン氏とオバマ大統領が彼女の個人のメールサーバーについてメールを交わしていたと言っている。彼はその敵国がロシアであったことには触れていない。

ホロウィッツ氏が6月18日の上院での証言でうっかり口を滑らせたために、1つ分かった事がある。コミー氏の行動を大きく決定づけたロレッタ・リンチの情報は「インテリジェンス・コミュニティによって非常に高いレベルの機密」にされていたため、国民はおろか議員ですら知らされていなかったということだ。

現実的になろう。我々はロシアが2016年の選挙で自らの活動を隠さなかったと、何度も公式に聞かされてきた。つまりロシアは、率直で大胆不敵なやり方で干渉を行っていたので、情報機関にとっては直接の挑戦と見なされていたということになるだろう。これらの情報機関はその代わりに、トランプ氏を本人に認識があるにせよないにせよ、ロシア政府のスパイと見なしていた。

これについては考えるまでもない。FBIのコミー氏は選挙の日以来、オバマのCIA長官だったジョン・ブレナンやオバマの国家情報長官だったジェームズ・クラッパーと比較すると、模範的に慎重だった。ブレナン氏はテレビの全国放送で、ウラジミール・プーチンがトランプ大統領を思い通りにするために使う秘密の情報を持っていると示唆した。クラッパー氏もテレビの全国放送で、トランプ氏のことをロシア政府の「スパイ」と呼び、大統領になったのもロシアの干渉のおかげだったと述べた。

彼らの関りについてホロウィッツ氏が説明する内容は、広範囲にわたっているがそれでもこの男たちのことはレポートでは無視されている。また、コミー氏との内輪のやり取りで、トランプ氏に対する非難が、選挙前の方が選挙後のテレビでの振る舞いよりも控えめだったとするのはあまり妥当ではない。

そこでコミー氏の最も重大な決断となった可能性のある事に突き当たる。彼はヒラリーのメール捜査を選挙直前に再開したが、民主党や無党派の専門家の多くは、そのためにトランプ氏をうっかり勝たせる結果となったのかもしれないと言っている。

ホロウィッツ氏は、ウィーナーのパソコン浮上とコミー氏の行動との間に、1カ月の遅れが生じた理由に納得のいく説明をしていない。けれども、9月26日から10月28日までの間、他にどんなことが起きていたか理解すれば役に立つだろう。当時スティール文書に基づくヤフーニュースの記事が直近に出ていた。しばらくするとマザージョーンズの記事が出る。スティール文書についての調査は情報機関に流れこんでいただろう。FBIはやがて、マスコミに話したことを理由にクリストファー・スティールとの関係を切ることになる。ハリー・リードはFBIが文書を所有していることを利用して、その疑惑をマスコミに出そうと試みる。

コミー氏は、そのような党派的な激動が起こるのが分かっていたのだろう。ずっと秘密にしておけることなどない。ヒラリーの勝利が予想されていたとしても、共和党議会は捜査を強く要求していただろう。

このような環境の中、コミー氏の決断は、最終的には暴露されて、後で批判を受けることになるインテリジェンス・コミュニティの行動による混乱の中で、信頼できる正直者というFBIの評価を客観的に取り戻すことを目指したものだと言える。

ホロウィッツの報告書について十分に言及されていない一面として、FBI局員がマスコミに対する違法なリークの罪をどれほど犯していたかということが判明している。ブレナン氏とクラッパー氏の在籍していた機関でも同じ事を調べる必要がある。プーチン氏の目標が米国の民主主義を愚弄することであるなら、自覚がなかったとしても彼にとって最も役に立つ協力者は、おそらく我が国のいわゆるインテリジェンス・コミュニティだったのだろう。

コミー氏のFBIだけが十分な改革を必要とする情報機関ではない。歴史学者にはすでに、現在の各党の論点は両方正しいという確固たる主張を持つ。つまり、オバマの情報機関はトランプ氏に対して否定的な偏見を抱いていたが、うっかり彼を勝たせることに加担してしまったということだ。事実に基づく結論であるがそれでも余りにも戸惑いを感じるようなことであるために、マスコミは背を向けてきた。

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