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オバマ経済?いやトランプ経済だ

投稿日:2018年6月11日

<引用元:ウォールストリート・ジャーナル 2018.6.7>スティーブン・ムーア、アーサー・ラッファー共著「It’s Trump’s Economy Now」

リベラル派は、トランプ大統領の経済対策に必ずと言ってもいいくらい反対してきた。そのため経済の状況が例外なく非常に好調であることは、彼らにとって都合が悪い。強気の方向性を示していない指標を1つでも見つけることは困難だ。そのため左派は今、トランプ氏の経済が成功したのは実のところオバマ大統領の下で始まった傾向が継続しているのだと主張せざるを得ない。

オバマの元補佐官ベン・ローズ氏が最近出した「The World as It Is.」という本を例に挙げよう。ローズ氏は、トランプ氏の勝利の直後にオバマ大統領が述べた言葉をこう引用している。「私は彼の為に経済を整えておいた」と。その自画自賛のせりふは、6月1日の労働者統計が大きな話題となった後マスコミで1,000回繰り返されたように見える。

それは本当だろうか?本当ではあるが、オバマ氏とトランプ嫌いの連中が考えているような形でではない。私たち2人は2016年の選挙中のアドバイザーとして、トランプ氏に何度も繰り返し、あなたなら米国を3パーセントから4パーセントという年間成長率の道に戻すことができると伝えた。世界大恐慌以来で最低の経済回復であった7年の後、単に政策のダイヤルを反ビジネスからビジネス寄りに転換するだけで、極めて大きな促進作用を生むだろうと私たちは確信していた。トランプ氏は同意した――大統領としてやってきたことがまさしくそれだった。

オバマ氏の後継者が同氏の政策を取り入れて実行していたのであれば、現在の経済がオバマ氏の手柄であるということが正当化できるかもしれない。それどころか、トランプ氏は合法的に覆すことのできるオバマの規則、命令、また法律をほとんど全て破棄してしまった。根本的に、トランプの経済戦略は複雑なものではなかった。つまり、オバマ氏の「成果」――増税、ビジネスに対する激しい規制攻撃、福祉の拡大、米国の化石燃料に対する戦争、等々――を系統的に撤廃するということだ。結果として経済は、振ったシャンパンボトルから引き抜かれたコルク栓のように飛び出す。

長期の息の長い回復はオバマ氏の功績だ。だがそれは国の多くを置き去りにした、とても底の浅いものだった。私たちが見積もった「成長の隔たり」――つまり2016年における経済の実情と正常な回復が行われたとした場合の状況との差――は、年産の累積で2兆ドル(約219兆円)から3兆ドル(約329兆円)であった。私たちはトランプ氏がその失われた産出額を取り戻すことができると確信していた。

また、有権者がトランプ氏を選んだら経済は破綻してしまうと、リベラル派の経済学者たちが確信していたということも忘れてはならない。ローレンス・サマーズ元財務長官はこう嘆いていた。「彼(トランプ)が選ばれたら、長引く不況が18カ月以内に始まるだろう」と。選挙の1カ月前、ワシントン・ポストは次のような見出しの社説を出した。「トランプが大統領になれば世界経済は破壊されるだろう」

民主党の投資家、スティーブン・ラットナーはMSNBCでこう警告した。「ありそうもないことが起きてトランプが勝てば、歴史的規模の相場下落が起こるだろう」選挙の日が過ぎた未明、トランプ氏の勝利がほぼ確実となると、ポール・クルーグマン(訳注:2008年にノーベル経済学賞を受賞した経済学者)はこう断言した。「非常に高い確率で世界不況に直面するだろう。しかもそれは終わりの見えないものとなる。」

社交界の名士たちは、経済成長を3パーセントにするのは実質的に不可能だと主張した。ところがトランプ氏の任期に入って18カ月がたち、経済はすでにその基準に近づき、不況の兆しはない。3パーセント成長が左派にとって不可能に思えたのは、オバマ氏のケインズ主義政策の処方箋が功を奏さなかったからに過ぎない。

トランプ氏の下で経済が崩壊すると警告したリベラル派が現在、成長はずっと起こり得るものだったのだと主張しているのは少し理屈に合わないことだ。もし経済と株式市場が破綻していたら、聖人ぶってトランポノミクスを悲惨な失敗として非難していたに違いないだろう。

リベラル派が2017年の大きな成長の理由として最初説明していたのは、トランプ氏が世界的な成長の波に乗っているのだという話だった。だが現在、世界的な成長は行き詰まっている(ヨーロッパの成長率は0.4パーセントだ)。一方米国の経済は勢いを増しており、第2四半期に対する最新の成長予測は、4パーセントを超えるものとなっている。

トランプ景気がオバマ氏の功績だという考えを却下する最後の理由は、2016年の景気は減速していたという点だ。加速ではなかった。オバマ氏の大統領として最後の年の成長率は、1.6パーセントという沈滞したものだった。だが経済は選挙の翌日急旋回した。雇用主と投資家は、オバマの時代が終わったのだと悟り、直感的に間もなく良いことが起こると分かっていた。消費者マインド、景況感、そして株式市場全てが上昇した。2016年の6月に経済が「良い」または「非常に良い」と評価したのは、米国人のわずか32パーセントだった。現在それが62パーセントになっている。

私たちのうちの1人(ラッファー)はかつてロナルド・レーガンにこう言った。「あなたは前任者たち――ニクソン、フォード、カーター――の無能な経済政策の恩恵を受けました」と。トランプ氏にとっても同様であった。確かにトランプ氏は大統領となってまだ浅く、これからしくじる可能性もある。私たちが深く懸念するのは大統領の関税と貿易政策によるマイナス効果のことだ。彼はオバマ大統領が1つだけ正しく行ったことを覆そうとしている!

だが税金、エネルギーそして規制に対するオバマ氏の取り組みは間違っていた。そういう意味では、彼らがこの大きな経済回復をトランプ大統領のために本当にお膳立てしたのだということになる。つまり撤廃すべき悪い政策を残すことによって。

<著者のムーア氏は、ヘリテージ財団の上級研究員でありFreedomWorksの顧問を務めている。ラッファ―氏はLaffer Associatesの会長。両氏の本「Trumponomics: Inside the America First Plan to Get Our Economy Back on Track」は今秋St. Martin’s Pressから出版される予定。>

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