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クラッパー前情報長官は虚偽文書のトランプと売春婦の話をいかにして暴露させたか

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<引用元:ワシントン・タイムズ 2018.4.20

民主党がスポンサーとなっていた報告文書に書かれていたモスクワの売春婦の話を、当時次期大統領という立場であったドナルド・トランプ氏に報告すべきだと主張したのは、米国情報機関の幹部であったジェームズ・クラッパー氏だった。

19日に公開された、ジェームズ・コミーFBI前長官の個人的メモで発覚したことだ。クラッパー氏という切り口は、コミー氏とトランプ氏が2017年1月6日にトランプタワーで行った、今では悪い意味で有名になった1対1の会談にもう1つの事実を付与することになる。

コミー氏は自身の「Higher Loyalty」という本の中で、報告の決断は自らとクラッパー氏と、他の情報機関幹部の間で一致したものだと述べている。

会談後トランプ氏と別れてすぐに書いたメモの中で、コミー氏はこう書いていた。「私が話したことは、クラッパーが私1人で次期大統領にあることを話して欲しいと考えたということだった」

その報告は広範囲に予期せぬ結果を生んだ。その会談はCNNにリークされ、文書のことを信頼に足るニュースとして正当化する材料となった。それはコミー氏が大統領に、2013年のモスクワでの売春婦とのうわさがクレムリンから直接来たものだと警告したためだった。

現在共和党は、当時の国家情報長官であったクラッパー氏こそが、その話をCNNにリークしたのだと言って非難している。同氏は現在CNNの番組アナリストとなっており、大統領を極めて厳しく批判している人物の1人でもある。トランプ氏を、ロシアのウラジミール・プーチン大統領の工作員になぞらえたこともある。

下院情報委員会の与党共和党議員が3月22日に出した、ロシア疑惑に関する報告書には、クラッパー氏が「CNNを始めとするマスコミとの接触に関して、委員会に矛盾する証言を行った」と書かれている。

クラッパー氏はCNNに、リークしたことを否定し、退任するまで記者とは話していないと語った。

共和党とホワイトハウスは、コミー氏が省略による嘘(訳注:事実の重要な部分を故意に隠して、相手を錯覚させること)をついているとみなして非難している。

2017年1月の時点で、FBIは文書が実のところ、民主党全国委員会とヒラリー・クリントン選挙陣営がスポンサーとなったライバル調査の一部であると知っていた。その資金は調査会社のフュージョンGPSからイギリスの元スパイ、クリストファー・スティール氏に渡っていた。また、スティール氏はロシア政府当局から情報を収集するために仲介者を雇っていた。

スティール氏は2016年の6月から12月にかけて35ページに渡るメモを書き、それをフュージョンGPSとFBIに提出した。彼はトランプ陣営をつぶすことに「必死」であったと、司法省のある当局者に語っていた。しかもその当局者の妻は、フュージョンGPSの反トランププロジェクトの仕事をしていた。

しかし、このような内容をコミー氏は次期大統領に明らかにしていなかった。その話を、未検証のモスクワからの情報として示しただけだった。

コミー氏の本の販売キャンペーンの中で、ABCニュースは情報を完全に明かさなかった理由を尋ねたが、コミー氏はそれがその日の目標ではなかったのだと答えた。

コミー氏が初めて次期大統領に会った頃、FBIは文書のことを十二分に検分していた。FBIは、トランプ陣営のボランティアスタッフであったカーター・ページ氏に対する、1年にも及ぶ監視活動を裁判所の許可を得て実施するのに、大いにその文書に依存していた。そしてページ氏は起訴されることはなかった。

カリフォルニア州選出の共和党下院議員で、情報委員会委員長のデビン・ニューネス氏は、ページ氏に対する疑惑が他党に雇われた人物から出たものであることをFBIは裁判官に伝えておらず、承認プロセスを乱用しているとして非難している。

コミー氏は本の中で、大統領にロシアが弱みを握っていて悪用する可能性があることを伝えることで、大統領を守る義務があったと言っている。トランプ氏は、ミス・ユニバース大会の企画のための出張中にそのようなことは起きていないとして否定した。

コミー氏は仲間と共に最初にオバマ大統領に報告していた。オバマ氏に率先して問題を説明していたのは、クラッパー氏だった。

「クラッパー氏は、私の方をほんの少しだけ見て一呼吸おいてからこう言った。『コミー長官が1人で次期大統領に会い、ICA報告の全体をまとめたこの内容について報告することに決めました』」

さらに、AP通信が入手したコミー氏のメモには、特にトランプ氏への報告を求めていたのはクラッパー氏であったと書かれている。

上院司法委員会のグラスリー委員長(アイオワ、共和)は、トランプタワーでの出来事は全て、メディアへの不利なリークを仕組むための計画だったと示唆している。グラスリー氏は司法省のマイケル・ホロウィッツ監査官に捜査を依頼した。

コミー氏がトランプタワーを訪れる際の考えはこうだった。

彼の回顧録には次のようにある。「昔学んだことだが、人は自分が同じ状況でやるように他人も行動し考えるのだと思いこむ傾向がある。自分が全く違った見方をしていたとしても、自分の世界観を人に投影するのだ。政治家であり、強硬な交渉者であるドナルド・トランプが、こう思いこんだ可能性も十分にある。つまり私が売春婦の話を彼の前にちらつかせたのは、自分を追い込んで、影響力を得るためだったのではないかと。私がJ・エドガー・フーバーのようなことをしているのではないかと思いこんだのかもしれない。というのも、フーバーが私の立場であればやりそうなことだからだ。この状況を説明するには驚きという言葉だけでは足りない。本当に不快だった。」

 

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