バラク・オバマ時代の前司法長官、ロレッタ・リンチが、ジェームズ・コミーFBI前長官に圧力を加えてクリントンの電子メールサーバー捜査を軽視させ、その件を単に「問題」と言及するようにさせたことを、コミーは木曜日の上院情報委員会の前で証言した。
コミーがリンチに、クリントンの電子メールの捜査の存在を彼が表明することを許可するつもりであるか尋ねた際、彼女の回答は「それで良いですが、そのように呼んではいけません。問題と呼びなさい」というものだった。コミーが理由を尋ねてもリンチは説明せずに「とにかく問題と呼べばいいのです」と言った、とコミーは述べた。
コミーはその後、その指示について偽りであるとの懸念を持ったと付け加えた。彼がさらに懸念を深めたのは、捜査に対するクリントン陣営の偏った解釈に同調することになるためであった。
リンチの指示は、「その言葉がFBIの取り組みについての陣営側の見解に沿ったものだったので私は懸念を持ちました」と述べた。
「それが意図的なものか否かは分かりませんが、司法長官(リンチ)はその選挙陣営が私達の働きに対してその活動を表現するやり方に沿おうとしているという印象を受けました。それは不正確なものでした」とコミーは更に述べた。
コミーが従ったのは、彼の言葉で、それが「例えば命を掛けるほどのことではなかった」ためだった。2016年2月に、FBIは書面で当局が「クリントン元国務著官の個人の電子メールサーバーの使用に関連する問題に取り組んでいる」ことを認めていた。
コミーは当時それが犯罪捜査ではないというクリントン陣営の偏った解釈をメディアは受け入れないだろうと思っていたと述べた。
テキサス州のジョン・コーニン上院議員が、リンチがクリントンの電子メール捜査に関して「利益相反」があったと言えるか尋ねると、コミーはそれに同意した。彼は「その通りです」と述べた。
コミーは証言で最初に、リンチがコミーにクリントンのサーバーに対する犯罪捜査を犯罪捜査と呼ばないように指示したと述べていた。リンチはその代りにそれを「問題」と呼ぶようにコミーに命じ、コミーは「そのため困惑した」と述べた。
コミーは、彼が記者会見を開いて司法省がクリントンを起訴しないよう勧めた理由の1つとして、リンチが捜査を軽視するように圧力を加えたことを挙げた。
また、コミーは、彼がその記者会見を開いた理由として、リンチがビル・クリントンと飛行場の滑走路で秘密裏に会っていたことを挙げ、FBIの独立性を維持することに懸念を抱いていたと述べた。
クリントン陣営は、首尾一貫して、クリントンがFBI捜査の対象であることを否定して大衆を欺こうとしていた。それどころか同陣営は、その捜査が単なる「セキュリティの調査」であると主張していた。コミーはリンチが彼に与えた圧力とFBIが同陣営の解釈を用いることに懸念を覚えたと述べており、リンチが意図的にFBIが使用する言葉をクリントン陣営によって推し進められた観点に合わせようとしていたことがうかがえる。