トランプ大統領の言葉 記事翻訳

トランプ大統領のワルシャワでの注目すべき演説

投稿日:2017年7月7日

<引用元:ワシントン・フリー・ビーコン 2017.7.6>

社説:国民国家のポピュリズム、魂、そして文明を守ること

トランプ大統領の木曜日の演説は、大統領としてまだ間もない中で最も重要な演説の一つとなった。「ポーランド国民に対する言葉」といわれる演説は、私たちが今までに聞いてきたトランプの国民国家のポピュリズムと同様に明確な声明だった。冷戦後の他の共和党大統領とは強調や取り組み方の異なるこの理念は、ゆるぎないものであると同時に不明確なものでもある。アンドリュー・ジャクソンにまで遡って、ウィリアム・ジェニングス・ブライアン、フランクリン・デラノ・ルーズベルト、スピロ・アグニュー、ロナルド・レーガン、ロス・ペロー、パトリック・ブキャナン、ジェームズ・ウェッブ、そしてサラ・ペイリンに至るまで、それぞれやり方は異なるが、国民国家のポピュリストの伝統は、知識人、教授、そして言葉巧みな人物の欠如に苦しんできた。しかしそれは変わり始めている。

President Donald Trump gives a speech in front of the Warsaw Uprising Monument / Getty Images

国民国家のポピュリズムで最も重要な概念は国民だ。これらは民間のコミュニティの市民であり、道徳的、人種的、宗派的な境界を超える構成員だ。例えば、トランプが「あの残虐な占領下で、数多くの他の人々と共に数百万人のポーランド系ユダヤ人」がナチスによって組織的に殺害されたことに言及したことに注目して欲しい。トランプは、彼の就任演説では次のように表現したこともあった。「黒だろうが茶色だろうが白だろうが、私たちは全員が、赤い愛国者の血を流すのであり、全員が同じ素晴らしい自由を享受し、全員が同じ偉大なるアメリカ国旗に敬礼するのだ」

国民が共に国を構成するのだ。国境は国の物理的な範囲を定義するが、その性質は定義しない。実際、国というものは、国家であることや政治的な主権に関係なく存在しているのかもしれない。「ポーランドが侵略を受けて占領され、その国境さえもが地図から消されるようになても、ポーランドを歴史から、また皆さんの心から消し去ることは不可能でした」とトランプは述べた。国も常に権力の回廊の中に表されるわけではない。トランプは就任演説で、「私たちは今日、単にひとつの政権から次の政権に、あるいはひとつの政党から別の政党に、権力を移しているだけではありません。私たちは権力をワシントンDCから、アメリカ国民に返すのです」と述べた。

ポーランドとアメリカは、「西洋」の「文明」を作り上げる「自由な国家」の中にある。そして西洋は「文化、信仰、伝統の結束」と「歴史、文化、記憶」だけでなく、共有された価値観によって統一されている。これらには、「個人の自由と主権」、革新、創造性、そして探求、能力主義、「法の支配」、「言論と表現の自由の権利」、女性の権利拡充、そして「信仰と家庭」といったものが含まれている。そして「私たちは何よりもすべての人の生命の尊厳を尊重し、すべての人の権利を守り、自由の中で生きるすべての魂の希望を共有している」のだ。

西洋文明は脅威に直面している。それらの最たるものがナチズムと共産主義の後継者だ。トランプは、イスラム過激派の「圧政的な思想」が「テロリズムと過激主義を地球全体に持ち込もうとしている」と述べた。「私たちの意志を試し、私たちの自信を傷つけ、私たちの利益に挑戦しようとする勢力」もあり、それはすなわちロシアであり、更には中国と北朝鮮だ。最後には、「国民の活力と富を奪い去る政府の官僚がしつこく忍び寄って来る」のだ。

どのように答えるのか?物質的な豊かさ、軍事的な栄光、そして技術的な偉業はすべて国を維持するのに必要だ。しかし、それでも十分ではない。もっと重要なことは国家の魂だとトランプは述べた。実際、「魂」という言葉は、演説の中で7回以上使われている。また「自信」と「意志」といったような関連する考えも何度か言及されている。

トランプは、ダッハウで亡くなったマイケル・コーザル司教のことを引き合いに出して述べた。「武力の無効化よりも恐ろしいことは人間の魂の崩壊です。」国は経済的な不況、そして軍事的な占領でさえ耐えることができる。回復できないことは誇りを失ってしまうことだ。「ポーランドが経験したことは、西洋は手段だけでなく、勝利して成功し、持つべきものを得ようという国民の意志を土台としているのだということを思い出させてくれます」とトランプは述べた。

このレッスンは「私たちの時代の根本的な問題」を提起するものだ。

私たちはどんな代償を払っても自分たちの価値観を守るという自信があるでしょうか?自分たちの国境を守るのに十分なほど市民を尊重しているでしょうか?自分たちの文明を転覆させ破壊しようとする人々に直面しながらそれを守ろうとする願望と勇気を持っているでしょうか?

 

トランプが言っていることは、リベラルの民主主義の西洋の未来は、私たちの価値観(家庭と信仰)の元である非リベラルの民主主義制度にかかっているということだ。「私たちは地球上のどこでも最大の経済と最大の破壊兵器を持つことができますが、強い家庭と強い価値観を持たなければ、私たちは弱くなり、生き残ることはないでしょう。」リベラルの民主主義の価値観(軍隊と警察)を強制する非リベラルの民主主義制度を無視しても、私たちは生き残ることはないだろう。

トランプはただISISに勝ちたいと思っているのではない。トランプが訴えているのは国家の魂、自信、アメリカとその同盟国の誇りの再活性化に他ならないのだ。「西洋のための私たち自身の戦いは、戦場で始まるのではありません。それは私たちの頭で、私たちの意志で、私たちの魂で始まるのです」

これらはポーランド人に対する言葉以上のものだ。自分たちの歴史に誇りを持ち、自分たちの未来に自信を持ち、文明と自由、そして人間の尊厳の敵に対する共通の動機で一致する国民によって統治される、主権を持つ国民国家の世界のことを表しているのだ。そしてトランプは質問の形で課題を示している。私たちはまだ、大陸に居住し、産業大国となり、月に行き、皇帝と総統と天皇と(訳注:旧ソ連の)政治局を打倒したときと同じものでできているのだろうか?答えはイエスであることを願いたい。

BY: Matthew Continetti


 

訳注:

  • Spiritの訳語は「精神」でも良いのでしょうが「魂」という訳語を当てました。
  • 最後の「天皇」は英文はEmperorでしたが、文脈から日本の「天皇」と解釈しました。

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