アメリカの複数のユダヤ教施設に対して爆破予告の脅迫を行ったとして31歳の左翼系ジャーナリストが逮捕された事で、ドナルド・トランプが正しかったことが証明された。トランプは犯人の身元について結論を急ぐのを拒んだことで今週初めに非難を浴びていた。
フアン・トンプソンは少なくとも8つのユダヤ教施設と名誉毀損防止同盟(ユダヤ人団体)に対して、電話と電子メールを使用して脅迫を行ったとして金曜日にセント・ルイスで逮捕された。
トンプソンは黒人であり、バーニー・サンダースを大統領候補として支持し、リベラル系のウェブサイトの「The Intercept」で記者をしていた。トンプソンは、自分の記事での引用を捏造したことが発覚して解雇されていた。彼の脅迫は、一部には元交際相手に対する復讐のためであったことが分かっている。
しかし、ユダヤ教施設での避難騒ぎを引き起こした脅迫事件は、トランプ支持の白人優位主義者によるものだとするのがジャーナリストや専門家の間での一致した意見だったのだ。
「The Intercept」を創設したのは反トランプの億万長者であるピエール・オミダイアであり、トランプ支持者が脅迫していたと主張する記事すら出していた。
また、トランプは誰が脅迫していたか結論付けるのは尚早だと語ったため、非難された。
今週初めにバズフィードは、ペンシルベニア州検事総長のジョシュ・シャピロが、トランプと会談した際、大統領が「逆である場合がある」という理由で誰が脅迫していたか判断することを差し控えると発言したと報道した。
シャピロはバズフィードにこう話した。
「彼はただ『人を、または他人を悪く見せるために逆のことが起こっている場合があるのだ』と言ったのだ。そして彼はコメントの中で『逆』という言葉を2,3回使った」「彼は実際正確に言えば、最大の非難に値すると言ったのだ」シャピロは、「私は彼の言う意味も、なぜ彼がそう言ったのかも分からない」と語った。
ジャーナリストと専門家たちはツイッターでトランプの所見を攻撃した。
名誉毀損防止同盟(ADL)もまた、それらを非難する声明を出した。
「私たちは大統領が語ったと言われている事に驚いている。ホワイトハウスは直ちにこれらの所見を明らかにする責任がある。ユダヤ人コミュニティに対して継続して攻撃が行われている事を考慮し、大統領には、頻発する反ユダヤ的事件に取り組むための連邦政府の計画について今夜のスピーチで説明する責任がある。」と、ADL会長のジョナサン・グリーンブラットは声明の中で語った。
トランプが脅迫の背後にユダヤ人がいるのではないかとほのめかしている、とする共通の見解があった。しかし、トランプのコメントは曖昧なものであり、それは単に誰が犯人かと言うだけの十分な情報がないという意味だと解釈することもできた。
多くの爆破予告の脅迫はまだ解決していない。アメリカ国内のユダヤ教施設に対して数十件以上の脅迫が行われている。犯人が声を偽装したり、電話番号をなりすましたりしている場合もあった。あるところでは、法執行機関の職員が記者に海外からの電話もあるかもしれないと語っていた。
しかし、トンプソンの関与から、少なくともトランプに反対する人々が脅迫していた場合もあることが分かる。
トランプが行ったテロの発生率が高い国からの渡航を停止させる大統領令のために、彼は1月にトランプを「ヒトラー」と呼んでいた。
トランプは、火曜日の夜の合同会議の演説でそれらの脅迫について触れた。
トランプはこう話した。
「先週起こったカンザス・シティでの銃撃と同じように、最近起きているユダヤ教関連施設に対する脅迫とユダヤ人墓地の破壊行為は、私たちの国は政治的には分断されているものの、あらゆるヘイトと悪を糾弾することにおいて一つになる国なのだということを思い起こさせるのです」また、白人男性がイラン人だと思って二人のインディアンを殺害したという、カンザス州オレイサのバーで起きた銃撃事件にも言及した。(※フォントの強調は当編集部による)
ユダヤ教施設への爆破予告犯の逮捕によって、トランプが結論を急がなかった判断が正しかったことが明らかに
投稿日:2017年3月4日