監視活動で傍受されたトランプの政権移行チームの人物の氏名を公開するよう要求したのは、バラク・オバマ大統領の政権で国家安全保障担当補佐官を務めたスーザン・ライスであると複数の消息筋がFOXニュースに伝えている。
公開されたドナルド・トランプ関係者の氏名はその後、国家安全保障会議の全員、国防省の数名、当時の国家情報長官ジェイムズ・クラッパー、そして当時のCIA長官ジョン・ブレナンといった基本的には政府高官と、当時の国家安全保障担当副補佐官ベン・ローズに伝えられた。
それらの氏名は、トランプ(大統領候補、次期大統領のいずれの立場でも)の就任前の1年以上に渡る、トランプ本人と彼の家族を含む周辺の人物に関する偶発的な電子的監視に含まれていたものだった。
ホワイトハウスのショーン・スパイサー報道官は、月曜日のブリーフィングでそれらの発覚について質問を受けたが、ライスがどのような役割を務めたか、またその動機について具体的にコメントすることを控えた。
Such amazing reporting on unmasking and the crooked scheme against us by @foxandfriends. “Spied on before nomination.” The real story.
— Donald J. Trump (@realDonaldTrump) 2017年4月3日
「これについては(議会の)委員会が結論を出すまでコメントするつもりはない」と彼は述べた。一方メディアは、トランプとロシアの関係の疑惑に関する激しい報道と比べ、これらの発覚についての関心の「薄さ」が対照的であった。
アメリカ市民の氏名が偶発的に傍受された場合、それらは明かされないようにすることになっており、つまり、それが国際的な傍受か国内の傍受かに関わらず、それが国家の安全や犯罪の問題であるか、また彼らの安全が脅かされる場合でない限り、その氏名は報告書から編集されなければならないということだ。非正規のルートで公開する抜け道はあるが、アメリカ市民は偶発的な傍受から保護される事になっている。消息筋はFOXニュースにこの件ではそうではなかったと語った。
先月のエヴェリン・ファーカスのテレビインタビューの後この内容が発覚しており、その中でオバマ政権の元国防次官補代理である彼女は、「私は元同僚に、率直に言えばワシントンの人間に、実際はワシントンの人間に向けてという事が大きいですが、オバマが政権を去る前にできるだけたくさん情報を集め、できるだけ多くのインテリジェンスを集めることを強く訴えていました」と語っていたのだ。
一方、下院情報委員会のデビン・ニューネス委員長は、トランプ大統領が3月にいわゆる盗聴についてツイートする前の1月の時点で氏名を公開しリークした事について知っていたとFOXニュースに伝えている。
ニューネスは、ホワイトハウスの敷地内で関連文書を閲覧しその内容を記者に発表した事で民主党から批判を受けていた。しかし、消息筋は、「情報機関はニューネスをわざと待たせた。彼はホワイトハウスのSCIF(セキュリティ施設)以外の場所で見ることもできたはずだが、もう数週間も経っていたのだ。彼が自分の情報源を保護することができ、その記録を手に入れることができるので、彼はホワイトハウスに行ったのだ」と語った。
オバマが政権を去る際には、傍受した個人の通信の共有に関するルールを緩和することでNSAにより広範な権力を与え、他の16の情報機関でそれらを共有することができる新しいルールも許可していた。
ライスはスキャンダルに無関係な人物ではない。彼女は国連大使としていくつかのニュース番組に出演し、2012年9月11日のリビアでのアメリカ領事館襲撃はインターネットの動画がきっかけで起きたとという政府の主張を弁護したが、それは後に虚偽であることが暴露された。
また、ライスは2014年にABCニュースに対してボウ・バーグダール軍曹は「アメリカに名誉と功績で奉仕した」のであり、彼は「単なる人質ではなく、戦場で捕えられたアメリカ人捕虜だ」と語った。
バーグダールは現在、アフガニスタンの敵前で自分の持ち場から離れたとして、脱走と不正行為の罪で軍法会議にかけられている。